SPECIAL

アニメ監督「湯浅政明」の功績を振り返る

アニメ監督「湯浅政明」の功績を振り返る

以前、クリエイターにおすすめの作品として紹介させていただいた大童澄瞳(おおわら すみと)による漫画『映像研には手を出すな!』のテレビアニメ化が決定! 来年1月より放送予定であることが明らかになり、あわせて新PVが先日ロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2019」で初披露された。

監督、シリーズ構成を担当するのはアニメーション業界屈指の天才として知られる湯浅政明。

とっぴな妄想と現実が入り混じる本作だけに、アニメーションの動きの魔法を持ち味とする湯浅監督とのマッチングはこれ以上ないものであろう。

そんな期待大のテレビアニメ版『映像研を手に出すな!』のPVは、YouTubeでも公開されているので、ぜひその目で確認してみてほしい。

湯浅政明監督の最新作も絶賛上映中!

『ちびまる子ちゃん』『クレヨンちゃん』シリーズでアニメーターとしてのキャリアをスタートさせた湯浅監督は、2004年に『マインド・ゲーム』で劇場映画監督デビュー。
奇想天外なイマジネーションとアニメーションの魔法に満ちあふれた本作は、新たな天才の誕生を告げるものであり、またたく間に国内外で話題をさらった。

一躍アニメーションの世界でその名をはせると、その後も続々と傑作を発表。
2010年には、文系大学生の必需品とも言われた森実登美彦氏の人気小説『四畳半神話体系』の監督に抜擢されると、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門でテレビアニメ作品として初の大賞を受賞。

独特の揺れた線描や、斜めに傾いた不思議なパースは唯一無二!

2017年には、『夜は短し歩けよ乙女』で日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、『夜明け告げるルーの歌』でアヌシー国際アニメーション映画祭(世界最大のアニメーション映画祭)でクリスタル賞(長編映画部門のグランプリ)を立て続けに受章。

特徴的なビビッドな色彩と疾走感と躍動感にあふれたアニメーションは見てるだけで酩酊!

2018年にはNetflix配信の「DEVILMAN crybaby」を手がけ、その情け無用なバイオレンス表現で世界のアニメ・マンガファンに大きな衝撃を与えた。

原作の世界観をさらに拡張させた容赦なき暴力の渦!

国内外で数々の受賞歴を誇る湯浅政明監督は、いま日本、いや世界でもっとも注目を集めるアニメーション作家の一人と言っていいだろう。
その最新作『きみと、波にのれたら』は、完全オリジナル脚本によるもので、現在全国の映画館で絶賛放映中だ。

ピュアに誰かを愛するひたむきな気持ちをストレートに描いた本作は、涙なしには見られない切なくも爽やかなラブロマンスに仕上がっている。

湯浅監督らしいユニークなアニメーション――とりわけ奇想天外な水の動きとイメージは斬新そのもので、映像表現に興味のある人ならば絶対に見て損はないはず。
夏のはじまりにピッタリな作品でもあるので、ぜひ劇場に足を運んで観賞してもらえるとうれしい。

きみと、波にのれたら 公式HP

(C)2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

▽こちらの記事も読んでもらえたら嬉しいです。
クリエイターにこそ読んでほしい漫画『映像研には手を出すな』

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

ZOOREL編集部/コスモス武田の書いた記事一覧へ

タグ

RELATED ARTICLES 関連記事