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世界で話題! クリスマスのスペシャルCM【2019】

世界で話題! クリスマスのスペシャルCM【2019】

早いもので、紅葉のかわりに街を彩るイルミネーションが、クリスマスシーズンの到来を告げています。

クリスマスの本場の欧米では、年に一度のビッグイベントに向けて、さまざまな企業やクリエイターが全力をあげて制作したスペシャルムービーが数多く発表されています。

今回は、そんな予算も本気度もケタ違いな2019年の海外クリスマス動画の中から、特に話題になっているものや、面白いものを厳選していくつかご紹介したいと思います。

あの不朽の名作が37年ぶりに復活! 全世界で話題沸騰のスペシャルCM

星の数ほどあるクリスマス動画の中でも、今年ダントツで話題となっているのが、アメリカでメディア・通信事業を行う「Xfinity」と「Sky」がファミリー向けに公開したこちらのCMです。

日本でも大々的に報じられたので、ご存知の方も多いと思いますが、スティーヴン・スピルバーグ監督の名作『E.T.』の37年後の世界が描かれた、オフィシャルな続編となっています。

イルミネーションに彩られた庭先がクリスマスの訪れを予感させるある夜の日、エリオットは37年ぶりに地球に帰還したE.T.と再開します。

本作を手がけたランス・アコード監督(『ロスト・イン・トランスレーション』の撮影監督)が「この物語はなによりも、家族について描いたもの」と語っているように、エリオットの家族とE.T.が過ごしたかけがえのないひと時を観ていると、画面が涙で滲んでしまうのは、私だけでしょうか。

満月を背景にE.T.を乗せて自転車で空へ飛び立つシーンをはじめ、『E.T.』へのオマージュが随所に溢れているので、ぜひその目でチェックしてみてください!

すべての人を愛で包むH&MのクリスマスCM

キャンペーンテーマに「HEART MOMENTS(心温まる時間)」と「 HAPPY ME(自分にハッピーを)」を掲げるH&Mによる2019ホリデーシーズンのCMがこちら。

この動画が素晴らしいのは、特別な一日を恋人や友人、家族と楽しむ人の姿だけなく、お店で働く、庭のイルミネーションを楽しむ、バスの窓から夜景を眺める、といったひとりでクリスマスの日を迎えながらも、それを笑顔で楽しむ人たちの姿を描いていること。

ごく自然な形で登場する黒人男性と白人女性のカップルや、男性同士のキスシーンにも、多様な生き方や価値観を肯定するH&Mの力強いメッセージが表れているように思えます。

アパレル企業らしいハイセンスな映像美と温かいメッセージが見事に融合した、眺めているだけで幸福感で胸がいっぱいになる素敵なクリスマス動画です。

女の子とドラゴンの美しい友情!イギリスの百貨店ジョン・ルイスのテレビCM

1864年に創業されたイギリスの老舗百貨店ジョン・ルイスは、クリスマスの時期になると毎年恒例で手の込んだテレビCMを発表しているのですが、今年の作品はファンタジー映画のように幻想的で美しい一本になっています。

舞台となっているのは、深い山々に囲まれ、雪が降り積もった中世ヨーロッパ風の小さな田舎町。

そこでパン屋の女の子とドラゴンのエドガーが仲良く暮らしているのですが、“興奮しやすい”エドガーはクリスマスシーズンを楽しむことが出来ないある特殊な体質を抱えているため、ひとり部屋に閉じこもってしまいます。そんな悩めるともだちのために、女の子が手作りで素敵なプレゼントを用意して……。

というのが本編のストーリーなのですが、思わず涙腺が崩壊してしまうような優しくて暖かいスペシャルな作品に仕上がっています。

セリフを一切使っておらず、英語が分からなくても十分に楽しめる珠玉のショートフィルムになっているので、ぜひ視聴してみてください。

サンタクロースが生まれたのはイギリスだった!?

イギリスで大きな話題となっているクリスマスCMをもう一つ。

今年で開業150周年を迎えた大手スーパーマーケットの「Sainsbury(セインズベリー)」が発表したものですが、その完成度の高さからバズを起こし『YouTube』での再生回数は600万回を超えています。

道端に転がった売り物のミカンを拾っただけで警察につかまった孤児の少年。ニコラスという名のその少年は、煙突掃除の親方のもとでこき使われ、つらい日々を過ごしていました。ニコラスは、町中の人々から容赦のない罵声を浴び、冤罪で街を追放されます。

騒動に居合わせていたセインズベリー婦人が、彼を探し雪の中で凍えているところを助け出します。そして夫人は、馬車のなかで少年に果物を差し出しながら、クリスマスの日にすべきある使命を彼に語りかけます。そうして、メッセージを受け取ったニコラスを描いたショートストーリーです。

セインズベリー婦人は、その名前から想像するに「Sainsbury(セインズベリー)」社の創業者となる人物であることが推測されますが、実はサンタクロースの本名は、孤児の少年と同じ「セント・ニコラス」なんです。

ということは……。その大胆な内容もさることながら、セインズベリーの誕生年である1869年当時の外観を再現したイギリスの街並みは、まるでハリウッド映画を見ているよう。バズったのにも納得の一本です。

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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