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アメリカ映画でしか見たことない光景

アメリカ映画でしか見たことない光景

エレファントストーンの竜口です。

ぼくはアメリカが好きです。ただ、まだ一度も行ったことはありません。

これまで数多くのアメリカ映画を見てきました。映像の中だけとはいえアメリカの色んな光景を見続けてきたせいで、もし実際に行ったらば、アメリカのどんな些細なものでも「映画で見たことある」光景として映る気がしています。

外国の人が日本のアニメを見てそこらじゅうにある日本のただの住宅街が特異に映るように、アメリカならどこにもあるような住宅街、スプリンクラーが回る広い庭と大きなガレージと家の前に路駐している車、綺麗に並んだ街路樹。軒先で安楽椅子に座ったおばあさんか、マウンテンバイクに乗った少年たちが道の真ん中を走っていれば尚良しです。

ぼくにとってはアメリカ全土が聖地巡礼となりえます。

ということで、アメリカ映画では頻繁に登場する「ありがちな」光景をいくつか取り上げていたいと思います。

※ここからは映画で得た知識のみで語った、独断と偏見の意見となります。なので、ミネソタ育ちのエディター 横山さんに実際のところどうなのか、コメントをいただいています。

アメリカ人は庭にこだわりがち

「ペギー・スーの結婚」(1986)より

アメリカの一般的な家の前にはだいたい広い庭があります。短く刈られた青い芝、それ以外には何もありません。見るたびに思いますが、用途としては謎の空間です。この家の前の庭で何かしているのを見たことがありません。バーベキューやホームパーティなどはたいてい裏庭でやっています。

おそらくアメリカ人は庭を綺麗に立派にすることで、社会的なステータスとして見られるという文化があるようです。アメリカのような広い国土だからこその文化です。

あと庭に関していえば、新聞配達の少年が自転車に乗ったまま乱暴に朝刊を投げ入れます。

「ミスティック・リバー」(2003)より

これはレアケースですが車の積荷から投げ入れています。
 

横山コメント
大変目の付け所がいいですね。アメリカ人は芝生をめちゃくちゃ大事にします。芝の刈り目の揃え方などこだわりが見えたりします。
 
一回自転車で隣人の芝生の上横切ったら軽く怒られた記憶があります。そして何もない前庭ですが、実は特定の季節の時だけめっちゃデコります。ハロウィンとクリスマスです。

アメリカ人はレモネードとパンチを飲みがち

「プロミスト・ランド」(2012)より

まずレモネードですが市販のものは登場しません。だいたい自家製です。その家に代々伝わる門外不出のレシピで作られています(アメリカの家庭料理は全般的に門外不出のレシピがあります)。
あと、イベントや路上で小さい女の子がレモネード売りがちです。小遣い稼ぎをしているようです。

「サムシング・ワイルド」(1986)より

そして謎の飲み物・パンチです。赤く透き通ったアセロラジュースみたいな見た目に、レモンのスライスが入っていることが多いです。どんな味がするのか、アルコールは入っているのか、よくわかりません。

これも自家製で家でも登場しますが、だいたいプロムか同窓会で登場します。プロムとは、卒業シーズンに行われるダンスパーティのことです。プロムでは必ずといっていいほど、このパンチが用意されています。

パンチ入れる以外に使い道ないだろうなってぐらいの大皿に並々とはいったパンチを、柄杓をつかって取り分けていきます。
ちなみに、夏の暑い日なんかに家に来客があった場合に、「何か飲む?」と言って冷蔵庫から取り出すのはレモネードかパンチかアイスティーの3択です。
 

横山コメント
僕は実際にこれ見たことありません。テレビや映画でしか見たことないです。これ、なんなんでしょうね。
ちなみに僕はアイスティーが大好きです。

アメリカ人はダイナーで複雑な注文しがち

「ベイビー・ドライバー」(2017)より

食べ物は文化の違いが如実に現れます。ダイナーもそうです。ダイナーとはアメリカの一般的なファミレスみたいなものです。アメリカ人は朝食をダイナーで済ませるのがほとんどです。

「恋愛小説家」(1997)より

ジャック・ニコルソンは、メニュー表を見ずに「卵3個の目玉焼き。ソーセージ2本とベーコンをフライにして。あと、パンケーキと人工甘味料入りのコーヒー」と注文しています。

こういう注文をする習わしなのか、これが粋だと思われるのかわかりませんが、こういう頼み方をする登場人物はだいたい神経質というキャラクター性が付与されています。

あと、注文をとるウェイトレスはだいたいメモを取りません。優秀なのか、細かい注文を空で覚えます。ガムを噛んでるウェイトレスも多いです。

横山コメント
ダイナーは怖くてあまり入ったことありません。細かい注文はキャラクター性を出すための印象かなぁとは思います。
知らないですけど。
 
ちなみに日本でいう「牛乳を飲んで大きくなる」は、アメリカでは「カリカリのベーコンを食べる」です。

アメリカ人はガムを一時保存しがち

「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991)より

「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991)より

ご覧の通り、アメリカ人は噛んでいるチューイングガムを口から出して、一旦そこらへんの壁にくっつけ、しばらくしたらまた噛み始めます。意図はわかりません。味が復活でもするのでしょうか?

しかも、一時保存をするのはだいたい若い女性です。なんの映画だったかは忘れてしまいましたが、男友達に手渡して一時保存させる強者の女性キャラクターもいました。
 

横山コメント
これに関しては、地域性にもよるかもしれません。見たことないし、僕の周りのアメリカ人もヤックと言うでしょう。
でもテーブルの裏、椅子の裏に捨てがちです。

——

他にもまだまだありますが、この辺で終わります。
次回は、「アメリカのティーン映画における学校のロッカーと体育館と食堂の場について」です。

この記事を書いた人

竜口昇
エレファントストーンのディレクター

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