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“方言推し”で伝説に!宮崎県小林市の移住促進動画

“方言推し”で伝説に!宮崎県小林市の移住促進動画

近年、地方創生や観光PRに映像コンテンツを活用する動きが加速化しており、地方自治体による「PR動画」の制作数は年間で1000本近くにものぼります。

本記事の「結果にコミットした観光動画シリーズ」では、そんな数ある作品の中からほんとうに結果に結びついたプロモーションの実例を深掘りしつつご紹介。

第3回目となる今回は、移住促進を目的に制作され大きな成果を上げた宮崎県小林市の観光PR動画をお届けします!

“方言推し”で全国的バズ!宮崎県小林市の移住促進動画

【地方】
宮崎県小林市

【アピールポイント】
・移住促進
・地元方言“西諸(にしもろ)弁“

【効果】
・ふるさと納税額が前年比約7倍
・地元の特産品がブレーク

① 伝説的なPR動画『ンダモシタン小林』

観光プロモーションの世界では、「あの小林市ね!」と呼ばるほど認知度が高く、観光PR動画の代表的なモデルケースとして知られている伝説的な一本『ンダモシタン小林』がこちらです。

地元の「西諸弁」をフランス語のように聞かせるユニークな仕掛けで全国的なバズを創出。2015年8月に公開され、これまでの総再生回数は280万回(2021年6月時)を超えています。

方言の魅力を全面に押し出した本作を視聴すると、地方ではだれもが当たり前に使用している日常語が、プロモーションを行う上では大きな財産となることがよく分かりますよね。

② 方言ポスターと連動したPRを展開

ただ、バズった理由はそれだけではありません。

実はこれ、動画制作の一年前から行っていた戦略的な取り組みが身を結んだ結果なんです。

http://www.tenandoproject.com/kobayashi_poster 西諸弁ポスター集

小林市では、「てなんど小林プロジェクト」で西諸弁を大々的にアピールしたポスターを定期的に制作。地元の人々の日常会話でよく使われている地元方言。その言葉の意味を、一ポスターで一単語毎に説明していくユニークなPRを動画公開以前から継続して展開していました。

『ンダモシタン小林』と同日には、こんなYouTube動画も公開されています。

予備校のTVCM風の作りが斬新ですよね。

「西諸弁標準語計画』というパンチライン目を奪われがちが、彼らのプロジェクトの根っこにある“身近なモノ“当たり前のモノ”のなかにこそ地域の魅力が眠っているという事実を見過ごしてはいけません。

地域の人々にとっては、ありふれているモノ・コトが、はじめて触れる人にとっては、忘れがたい宝もののような体験になる。だからこそ、私たちは旅行に惹かれるのではないでしょうか。

③ 知名度アップで思わぬメリット

この『ンダモシタン小林』で全国的に知名度が向上した同市では、ふるさと納税額が前年比の7倍になっただけでなく、地元の特産品もEC販売でブレークしました。

元来は移住促進のPR用に制作れた本動画ですが、知名度が向上することで得られる副次的なメリットは、想像以上に大きなものがあります。継続的に発信されたPR動画の第四弾『小林市長ズ 小林市を語る』もとても面白いので貼っておきます。

動画内で、全国の「小林」という姓を持つ市長と異色のコラボレーションを実現。

「一緒に」という意味を持つ西諸弁の「てなむ」と、地域資源をブランド化したいう思いの「ブランド」を組み合わせた造語であるプロジェクト名「てなんど」の精神を見事に体現した一本なっています。

地域の魅力を徹底的に見つめ直した上で、「西諸弁」という観光資源を発掘し、従来のPR媒体であるポスターと近年のトレンドであるPR動画を掛け合わせた小林市の戦略的なプロモーション展開は、まさに地方創生のモデルケースと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、一本の「PR動画」によって地域全体が明るく元気になった宮崎県小林市の移住促進動画をご紹介しました。

・計画的な“方言推し”で全国的バズを創出
・知名度向上による効果は多岐にわたる(移住促進・ふるさと納税・地元商品のブレークなど)
・“当たり前のもの”の中にこそ“ここだけの魅力”が眠っている

以上のような、地方創生のヒントやアイデアがギュッと詰まったPR動画の名作ですのでぜひ実際にチェックしてみて下さいね。

「結果にコミットした観光PR動画シリーズ」では、今後も継続してユニークな成功事例を厳選してお届けしていく予定です、どうぞお楽しみに!

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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