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今や国民の5人に1人が「推し活」をする?いま注目の「推し活」CM特集

今や国民の5人に1人が「推し活」をする?いま注目の「推し活」CM特集

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000007490.html

こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社エレファントストーンです。

皆さんは「推し活」という言葉を聞いたことがありますか?

「推し活」とは、アイドルや俳優、アーティストなど、自分の“推し”を応援する活動全般のこと。特にライブやイベントに行く際には、ヘアメイクやファッションに気合いを入れたり、手作りのうちわやグッズを準備したりと、「自分を見つけてもらう」ことを目指す姿もよく見られます。

こうした文化は、性別や年齢を問わず広がり、今や“国民の5人に1人が推し活をしている”という説もあるほど。2021年には「推し活」がユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされ、ダイソーやセリアなどの100円ショップでも「推し活グッズ」コーナーが常設されるなど、その熱量はブームを超えて生活の一部になりつつあります。

そんな中、CMやプロモーションの世界でも「推し活」は新たな切り口として注目されています。今回は、推し活をテーマにした印象的なCMを、「推し活関連ワード」ごとに紹介していきます。

推し活をテーマにしたCM 事例紹介

1.しずてつジャストライン株式会社| Shizutetsu Express CM 「推し活」篇

推し活では、ライブやイベントのために、自分の住んでいる地域から別の地域へ足を運ぶことも珍しくありません。交通費や宿泊費をかけて遠方に出向くこの行動は、“遠征”と呼ばれています。

まるでスポーツのアウェー戦のように地元を飛び出して推しのいる場所へ向かう、そんな文化に目をつけたのが、静鉄の高速バスのCMです。

CMでは、俳優の藍川きあらさん演じる女性が、推し活の一環としてバスで遠征する姿が描かれます。電車や飛行機よりも安価で、なおかつ快適に過ごせることが、映像を通じて自然に伝わってくる構成に。金銭的な負担も少なく、快適な“推し活遠征”を応援する、そんな静鉄のメッセージが感じられる内容になっています。

2. 株式会社radiko|「ラジオで推し活。」

推し活の楽しさをアニメーションで描いたのが、radikoのCMです。全体が一つの“推し活ストーリー”になっており、まるで短編アニメを観ているかのような構成が印象的です。

登場するのは、男性アイドルを推す女子高生・アイ(CV:竹達彩奈さん)と、芸人を推す男子高校生・マコト(CV:江口拓也さん)。2人のモノローグを軸に、それぞれが推しに出会い、ラジオ番組を通して日々に彩りが生まれていく様子が描かれています。

平凡な日常から、推しとの時間がある日常へ。さらに、推しの番組を友人にシェアすることで、推し活の喜びが広がっていく。そんな“音声メディア×推し活”の相性の良さを、声優の演技とアニメーションで丁寧に伝えるCMとなっています。推し活の世界観をやさしく、共感たっぷりに届けてくれる一作です。

フルバージョンのCMでは、「ラジオで推し活する楽しさ」がさらにわかりやすく描かれています。

映像では、ラジオという“音声だけ”のメディアだからこそ、推しの息づかいや距離感の近さがリアルに伝わることや、友人に番組をシェアしやすいこと、さらに聞き逃しても“後から聴ける”便利さまで、しっかりアピールされています。

また、推しの存在をまわりにおすすめすることは、推し活界隈では“布教”と呼ばれるのですが、まさにこのCMは「推しを感じる」「広められる」「後から見られる(聴ける)」という三拍子で、布教活動にもぴったりなツールであることを訴求しています。

ただのアニメCMにとどまらず、推し活の本質や楽しさをラジオという視点で丁寧に描いた、完成度の高いプロモーションと言えそうです。

3.  花王株式会社| アタック ZERO 推し活篇

一見ミスマッチな組み合わせに思える「洗濯」と「推し活」。しかし、このCMでは男女4人組の“洗濯オタク”が登場し、洗剤を熱く語る姿が話題です。

CMの中で使われる「箱推し」という言葉は、アイドルファン用語で“グループ全体を応援する”ことを指しますが、ここでは“洗剤すべてを推す”という意味に巧みに置き換えられています。

そして、元AKB48のエースである前田敦子さんが、「洗剤箱推し」というセリフをさらりと口にすることで、ファンにとっても新鮮でインパクトのある演出に。4人のキャラクターがオタク用語を交えながら洗剤の魅力を語るシュールな世界観が、ユーモアと共感を呼んでいます。

ただの洗剤CMにとどまらず、「推し活」という文化を巧みに取り入れた、今どきらしい新しい切り口のプロモーションと言えるでしょう。

4. 株式会社クラフ|採用CM「推し活は有給で!」篇

採用CMで推し活をテーマに取り上げたのが、クラフです。CMでは「推し活のために有給を取る社員」というリアルな姿を描き、自由で働きやすい社風をアピールしています。

推し活は休日だけでなく、平日にライブがあったり、土日休みが取りづらい職業もあります。そんな事情を踏まえ、近年では「推し活のために有給休暇を使いたい」という声がYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも増えており、これを「推し休暇」「推し活休暇」と呼ぶ動きも広がっています。

クラフは未経験者歓迎の体制や育児休暇の取得推進、在宅勤務とオフィス出社の選択自由、残業の少なさ、そして有給休暇の取りやすさなど、多様な働きやすさの制度を整備。その一環として、推し活のための有給取得を認めているのです。

こうした「推し活休暇」を認める企業は全国的に増加傾向にあり、プライベートの充実が仕事のモチベーション向上にもつながるとの見方が広まっています。

まとめ

このように、推し活は今や国民的な文化となり、それに伴う専門用語も広く浸透しています。言葉がわかりやすいからこそ、CMでも積極的に使われ、共感を呼んでいるのです。

ちなみに私自身も先日、仕事をお休みして横浜まで好きなアーティストのライブに行ってきました。「推し活があるからこそ、仕事も頑張れる」そんな説に心から賛同したいと思います。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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