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どちらがスマートフォンで撮った写真だと思いますか?

どちらがスマートフォンで撮った写真だと思いますか?

エレファントストーン ディレクターの嶺です

どちらがスマートフォン(iPhone13Pro)で撮影した写真で、どちらが一眼カメラ(SONY α7sⅡ)で撮影した写真か、お分かりになりますか?

拡大してじっくりと見ていただければ、ある程度分かりやすいとは思いますが、拡大前にこの記事上で見た時に、パッとどちらかを自信を持って回答できますでしょうか? 技術の進歩とは恐ろしいもので、2022年現在、スマートフォンもハイエンド機種になるとカメラ性能はかなりものとなっています。

こんな状況になると、こんなお悩みを持つ方が増えているのでは無いでしょうか。

「仕事や趣味のためにミラーレス一眼のような本格的なカメラを買おうか……でも最近のiPhoneをはじめスマートフォンはかなりカメラの性能上がっているっていうし……どっちを買えばいいんだろう?」

本記事では、そんなカメラや撮影の初心者の方に向け、少しでも選択の判断基準を提供することを目的として記事となっています。何がどう違うのかを知った上で、目的に合わせた機材を持つ参考になれば幸いです。

スマートフォンと一眼カメラで撮り比べ

同じシュチュエーションをスマートフォンとデジタル一眼カメラで撮り比べてみました。

左側:2021年発売の最新スマートフォン(iPhone13Pro
右側:2015年発売とまあまあ古くなった一眼カメラ(SONY α7sⅡ

機器自体に発売年次は6年の開きはあり、スマートフォンが一眼カメラにかなり迫る技術進歩がこの期間に成し遂げられたと言えますが、まずは見比べてみましょう。

日曜日に、地元の海を撮影しに行きました。

これ、パッとみて違いが分かりますか?

こちらはいかがでしょうか。少なくとも拡大せず見ていたり、スマホでこの記事を見ていると差はさほど分からないのではないでしょうか。

拡大すると差は良く分かります。

1枚目の写真を拡大してみると、スマートフォン(左)だと看板の文字が潰れて読めませんが、一眼カメラ(右)だとなんとか「立入禁止」の文字が読み取れますよね。草木のズームも一眼レフの方が草の一本一本がくっきり描写されているのが分かります。大きくプリントしたりPCモニターにフル表示するくらいになると、さすがに差ははっきりと現れてきます。

また、iPhone13Proでは、iPhoneユーザーおなじみの「ポートレートモード」でも撮影しています。一眼カメラ撮影の特徴である背景をボカした写真をデジタル処理で実現された機能です。

拡大してみると、スマートフォン(左)の方は輪郭の部分など、撮影後のカメラ内デジタル処理で事後的にボカし処理が入れられた感じが分かります。

このように、あくまで画面が小さく表示されていた時(拡大していない、スマホ画面での視聴)という条件はつきますが、スマートフォンは「パッと見の印象を一眼カメラに近づける」ことはかあなり成功している、と言えます。

続いて人物を撮影してみました。

エレファントストーンの新卒社員の渡辺さんにモデルになってもらいました。彼女は本記事の編集も担当しています。

これなんかは分かりやすいですね。左は、いわゆるスマホっぽい写真です。背景まで結構はっきりとボケずに映っていて、これはフォーカスが合っている範囲が広いという意味で「被写界深度が深い」と言うのですが、一眼カメラ(右)の方は背景はボケていて、これを「被写界深度が狭い」と言います。

拡大すると差はよく分かりますね。一眼カメラ(右)は目にフォーカス合っているけど耳はもうボケているのが分かります。肌の質感なども、スマートフォン(左)に比べると自然に滑らかに感じますよね。一般に一眼カメラを求める人は、こういう写真を撮りたいからこそ購入する人が多いと思います。

ただ、前述の通りスマートフォンの技術の進化はなかなかすごい。改めて、記事の冒頭の写真を見比べてみましょう。

スマートフォン(左)の方は、背景をボカして一眼カメラっぽいルックに擬似的に似せてくれる「ポートレートモード」で撮影しています。パッとみて分かりますか?(プロならもちろんすぐ分かりますが)

こちらがスマートフォン

こちらが一眼カメラです。

もちろん、細部を見ると差はよく分かります。

スマートフォン(左)の方はボカしているのが撮影後のカメラ内後処理で擬似的にボカしているので、輪郭の部分や髪の毛が不自然なボケ方しているのが分かります。

また、背景の信号の青色などの光のボケ方にも注目してみてください。スマートフォン(左)の方は全体的に均質にのっぺりとボケていますが、一眼カメラ(右)の方は信号機の光などの光が丸いボケた光となって比べるとくっきりと感じられると思います。

スマートフォンは構造上どうしてもレンズが小さくなってしまうので、綺麗なボケを作ることがなかなかできません。

このようにボケの感じを左右比べていただくと、スマートフォン(左)のボケが滲んでちょっと汚い感じなのが分かると思います。ちなみに一眼カメラ(右)の光の一つ一つの粒子がちょっと丸ではなく多角形の形状になっているのは、これも一眼カメラ故の現象だったりします(詳細はここでは省きます)。

こうしたボケ方の質を一般にボケ感と言ったりするのですが、このボケ方の質、つまり良いボケかどうかがレンズを評価するのに重要なポイントです。プロのカメラマンがレンズを何十本もたくさん所有するのはレンズによってこうしたボケ方の性質が異なり、結果異なる印象を与えるからなのです。

と、ここまで一眼レフの優れている点も写真を拡大しながら説明しましたが、そこまで大きく表示しない視聴環境でパッと見で言うとそこまで違いを感じない、というのが多くの方の感想かと思います(あなたはいかがでしたか?)

最新のiPhoneシリーズやXperia、またLeicaがカメラを設計したスマートフォンというものも昨年発売されてますが、一定以上のクラスのスマートフォンを使用した上で撮影の条件が良ければ、スマートフォンでもかなり一眼カメラっぽい撮影が可能になっている、と言うことができるでしょう。

ただここで「撮影条件が良ければ」という言い方をしましたが、スマートフォンでキレイな写真を撮る上で一番重要なポイントとしては「明るい環境下かどうか」ということです。野外で太陽光が差している状況なら基本的には「撮影条件が良い」と言えます。

スマートフォンはカメラ部分の構造が小さく、後述しますがレンズを通した光を受け取ってデジタルデータに変換するセンサーというカメラの最も重要な機構部分が一眼カメラに比べて格段に小さいです。これはつまり、光を受け取る面が小さく受け取れる光が少ないということなのです。その結果、十分に明るい環境下だと一眼カメラに対抗できるくらいの撮影もできますが、夜だったり、蛍光灯だけのような状況では、差が広がりやすくなるのです。

例えばこちら、海を撮影に行った際のお昼ご飯を撮影したのですが、普通の定食屋さんで、照明は蛍光灯と、あと窓の外から光も少し入ってきているくらいの、少し暗い環境下です。これまで見て比較してきた野外の写真に比べると、スマートフォン(左)と一眼カメラ(右)の差が大きくなっていることがお分かりになりますでしょうか。パッと見て左がのっぺりと安っぽく感じて、右の方が美味しそうですよね。

こちらがスマートフォン。

こちらが一眼カメラです。

スマホと一眼カメラの大きな違い

ここまで実際に撮り比べた写真を見ながら違いを説明していきました。ここから、先ほど説明したスマートフォンと一眼カメラで決定的な差が出る理由を、4つのポイントで改めて解説していきます。まず、スマホと一眼カメラの大きな傾向の違いを説明します。一般に一眼カメラがスマホに対して圧倒的な優位点を持っている点は大別すると下記の4点となります。

  • センサーサイズの違い
  • レンズの選択の幅
  • 撮影アクセサリーの種類
  • 圧縮形式

これだけだと何のことかイマイチ分かりづらいと思いますので、もう少し噛み砕いてみます。

①センサーサイズの違い=どれだけ細部まではっきり描写されているかの画質の違い

光を取り込む量が多いため、例えばスマートフォンと一眼カメラで、同じ「4K解像度」で撮影したとしても、画質=どれだけ画がキレイかどうかが全然違います。センサーサイズの違いについては、以前「スマートフォンはプロの動画撮影に使えるのか?」というテーマで記事を書いた時にも解説しています。

このセンサーサイズの違いによる画質の差が、

先ほどお見せしたこういう細部の描写力の決定的な差として現れます。スマートフォンも一眼カメラも両方ともに4K解像度(横幅約4,000ピクセル)で撮影していますよ。4K撮影をすればどんな写真や映像もキレイになるというわけではなく、キレイな4Kと汚い4Kがあるんです。

スマートフォンはセンサーサイズを大きくすることに限界があるため、今後もこのセンサーサイズの差に起因する画質の差は基本的には埋まらないと想定されますが、AIによる画素の自動補完による高画質化が急速に進歩すると、この差も徐々に埋まってくるかもしれません。

②レンズの選択の幅=どんな写真を撮りたいかの選択肢の広さ

写真は、本体とレンズの組み合わせでどんな写真が撮れるかが全く変わってきます。本体だけで写真は撮れず、カメラには必ずレンズが必要になってきます。

例えばSONYのレンズだけでもこれだけたくさんのラインナップが現在販売されています。
[https://www.sony.jp/ichigan/lineup/e-lens.html](https://www.sony.jp/ichigan/lineup/e-lens.html)

一眼カメラには非常に多種多様なレンズを付け替えられる選択肢があります。最近はiPhoneをはじめとしたスマホでも、2つや3つのレンズがついていて「超広角モード」や「望遠モード」がついていることが当たり前になってきているので、多少ここの差が埋まったとはいえますが、選択肢の多さについては勝負にもなりません。特に望遠側のレンズの差は大きく、離れた距離から遠くの動物を撮影するようなこういう写真はまずスマホで撮ることは厳しいです。

あくまで、多い選択肢から最善の選択を選びとっていきたいというこだわりのある方に撮っては重要なポイントかと思います。

ちなみに今回比較で使用したiPhone13Proは、超広角、広角、望遠の3つのレンズを使い分けることができまして、レンズ換算するとミリ数は下記となりますので、ご参考までに。

  • 広角レンズ → 焦点距離「26mm」
  • 超広角レンズ → iPhone初の「マクロ(近接)撮影」が実現(焦点距離「13mm」)
  • 望遠レンズ → 焦点距離「77mm」、光学3倍(中望遠)

③撮影アクセサリーの種類=より使いやすく、目的に合わせたカスタマイズができる

一眼カメラは、自分の使いやすいようにどんどんカスタマイズをしていくことができます。私たち映像制作会社で一眼カメラを映像撮影用に使用する際は、リグと呼ばれるケージをカメラの外装につけて、そこにマイクやモニターや取手など色々な器具をつけて使いやすいようにカスタマイズして使用したりします。スマホでも同じようにケージをとりつけることもできますが、やはり選択肢の多さで言えば比較にはなりません。

(この写真は一眼カメラではありませんが、同程度の小型カメラにリグと呼ばれるケージをつけてそこに色々付属品を付け足した状態の写真です)

④圧縮形式=撮影後にPhotoshopなどで加工したい人は非圧縮RAW撮影が必須!

少し専門的な話になりますが、カメラで撮影した写真とは、元々はただの光です。

その光がレンズを通してカメラの中に入り、センサーを通してデジタルデータに変換され、最終的にjpegのような形式になりSDカードなどに保存され、我々の目に見える写真となります。本記事ではこのメカニズムの詳細は省きますが、一般にスマホで撮影した写真は、カメラ内部で保存される際にかなり元々の光の情報が間引きされて保存されます(元々の光の情報量が大きすぎるため、間引きせざるを得ないのです)。

これは写真を撮影後に自分の思い通りに加工したいと考えている人だけが気にすれば良いですが、その場合、可能な限り元の光の情報が間引きされていないデータが必要になります。それをRAW撮影(非圧縮形式)と呼ぶのですが、一般にスマホではRAW撮影ができません。昨年発売したiPhone13シリーズではRAW撮影も可能になりましたが、一眼カメラで撮影するRAWデータとはまだ実質的に差がありますので、基本的には一眼カメラを推奨します。

ちなみにその撮影後の色調整作業をレタッチと言うのですが、レタッチ前とレタッチ後だと簡単に施しただけでもこれくらい異なります。

参考:RAWデータとは【SONY公式】

スマートフォンと一眼カメラ、結局どちらが良いの?

ざっくり説明すると上記のようになります。「高画質な写真を撮りたい」「自分で自由にカスタマイズしたい」「工夫して狙った画を撮りたい」といった目的の方はやはり一眼カメラを推奨します。

先述の通り、スマートフォンのカメラ機能の進化は凄まじく、スマホの小さな画面で見るのが主なSNSにアップする写真の場合、パッと見て差があまり分からないため、上記のような「高画質」とかそこまで必要のないんじゃないか?スマホでも充分じゃないか?と思う方もいるかもしれません。これに関しては正直正解は無いのですが、記事前半でお見せした比較写真の作例を見て、「差が全然分からないじゃん!スマホで充分!」と思うならスマートフォンで良いと思いますし、「やっぱり一眼カメラの方がキレイだよね〜こんな写真を撮りたい!」と思うなら一眼カメラで撮るべきだと思います。

また、スマートフォンでキレイな写真を撮るには、結局写真撮影のノウハウや知識が必要になってきます。例えばスマホでInstagramを観ていて、何となくあなたが「わぁ、キレイな写真!」と思ったとしたらその写真は高確率で写真にかなり拘っているプロやハイアマチュアが撮った写真ですし、一眼カメラで撮影された「高画質な写真」です(もちろんそのほかにも構図やレンズの選択や決定的シャッターチャンスを狙うことや色々な要素が含まれますが)。

前言を翻すようですがスマホの画面くらい小さいサイズで見比べるとしても、一眼カメラで撮られた高画質な写真は、人は何となく良いと感じやすいです。人間は感覚器官からかなりの情報を受け取って無意識下で好き/嫌いや良い/悪いを判断しており、「どこが良いかはっきり言えないけど良いと感じたもの」は、写真であれば高画質だし、音楽であれば良い楽器や演奏者であり、料理であれば食材の新鮮さだったりします。詳しく知らずとも、良質なものには無意識に訴えかける力が確実にあります。だからこそプロは少しでも高い機材、つまり性能の良い機材を使うのです。

ただこれはあくまで人の感性・感覚に訴えかける非論理的な領域のお話になってくるため、やはり「スマホで充分!」と思うんだったらスマホで本当に充分なのです。

スマートフォンカメラの価値

それではスマートフォンを選ぶべきケースとは? 3つの観点で最後に説明したいと思います。

その1「コストパフォーマンス」

誤解を恐れず言えば、スマホで撮られた写真は「お手軽に撮れる割には良い感じに撮れる」というコストパフォーマンスの良さで勝負している存在です。これは別にスマホを蔑んでいるわけではありません。スマホに関してはこの「お手軽さ」こそが圧倒的な価値であり、一眼カメラが決して叶わない部分だからなのです。

その2「シャッターチャンス」

「お手軽」であるが故に、ポケットから取り出してサッと撮影できます。つまり、シャッターチャンスを逃しづらいのです。

SNSで拡散される写真は大別して2種類あります。一つは、「すごく高画質なキレイな写真」で、もう一つは「決定的シャッターチャンスを捉えた写真」です。そして、「決定的シャッターチャンスを捉えた写真」の多くはスマホで撮られた写真であり、これはスマホだから成し遂げやすい大きな価値なのです。

たまたま仕事の帰り道に見た夕日がものすごくキレイだったとして、その時に一眼カメラを持っている可能性はかなり低いですがスマートフォンなら持っていますよね。でも一眼カメラを持ってたまの休日に撮影散歩に出ていっても、その日にそんな素晴らしい気象現象が起きる可能性は低いということなのです。

その3「オートメーション」

そして当然、スマホだとある程度自動で「良い感じ」の写真や映像に設定してくれて撮影が可能です。サッと取り出してパッと撮って、それなりに良く撮れている、というのは一眼カメラではなかなか難しいのです。さらに撮影した後の加工もそのままスマホアプリですぐにできて、目的に合わせた加工も簡単に行うことができます。

自分で一から設定して思い通りにコントロールしたい人は一眼カメラが良いですが、そこにそこまで情熱を燃やせなかったりオートメーションで良い感じにしてくれた方が変に自分で設定いじるより良いし、それで充分と思っている人にとってはオートメーションは非常に素晴らしいものでしょう(プロの撮影ではオートメーションを減らしてマニュアル要素を増やしていく傾向にあります)。

このようにスマートフォンは、「コストパフォーマンス」「シャッターチャンス」「オートメーション」を圧倒的な価値基準としているので、そこに価値基準を置くとしたらスマホで充分、または一眼カメラよりもスマートフォンの方が優れているという言い方ができるのです。ただし、最近はミラーレス一眼のように一眼カメラもかなり小型化が進み持ち運びしやすくなっていますし、スマートフォンカメラも高性能化が急速に進んでいますから、かつてほどはメリット/デメリットの差が極端ではなくなってきているのは実情と言えるでしょう。

最後に

如何でしたでしょうか。この「スマートフォンと一眼カメラはどちらがいいのか?」というテーマはここ5年ほどさまざまな角度で語られながら、決して一概に「一眼カメラの方が良い」で済ませられない興味深いテーマとなっています。個人的にはどちらで撮影するのもそれぞれの良さがあって面白くよく撮っていますが、やはりスマートフォン撮影の方が、年々出来ることが増えていき可能性が拡張されていく面白さをはっきりと感じているのも確かです。

また2〜3年経つと状況はかなり変わっているかもしれませんが、今後も自分で両方とも使っていきながら考えていきたいと思います。何より、「写真を撮ることの面白さ」は本質的にはどちらのカメラを使っても変わりませんので、何かを撮ってみたい、という想いがある方はどちらのカメラでも良いのでまずはカメラを片手に街に出てみてください!

(関係ないですが、渡辺さんがメッチャ良い被写体だったので楽しい撮影でした)

この記事を書いた人

嶺隼樹
エレファントストーンのディレクター / マネージャー Twitter:@junkimine

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