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最高に印象深い。スポーツ/アウトドア系ブランドのPRムービー
ここ最近、視聴者の目を一瞬で釘付けにする優れたプロモーション作品を様々な場面で見かけるようになっています。
そこで本記事では、クリエイターの創作意欲を刺激するイケてる最新映像をジャンル別にシリーズ連載でご紹介。
第一弾となる今回は、スポーツ/アウトドア系のアパレルブランドが公開している新作PRムービーの中からお薦めの作品を3本厳選してお届けします!
スポーツ/アウトドア系ブランドのPRムービーに見る3つの特長
スポーツ/アウトドア系のアパレルブランドが制作しているプロモーション映像には、以下の3つの特徴があります。
① プロモーションに対する意識が高い
現在はファッション性の高いアイテムを簡単に見つかるスポーツ用アイテムも、少し前までは素材の強度や高い機能性を重視する傾向が強く、洗練されたデザインや先鋭的なアート性とはかけ離れたパブリックイメージが形成されていました。
そうしたハンデを抱えながら、ハイセンスなファッションブランドという位置づけを獲得するように至った背景には、ブランディングをより強く意識し、動画や映像の力を活用しながらイメージを刷新したという各ブランドの積極的なプロモーション戦略があります。
② 躍動的なアクションを多用した映像が多い
近年のスポーツ/アウトドア系の衣服は、優れたデザイン性だけでなく、身体的なパフォーマンスを最大化する快適な着心地や高い機能性が求められます。
そのため、PRムービーにおいてもアイテムの表面的な魅力だけでなく、身体動作の美しさを表現した躍動的な作品が多くなっています。
③ 音楽と映像の結びつきが強い
アクティブな動きの多いスポーツ/アウトドア系の映像と、ダンサブルな音楽との相性は抜群です。
人の動きとリンクした楽曲のリズムや、スタイリッシュなカットと同期した楽曲展開など、音楽と映像の豊かな結びつきはアクション映画やミュージックビデオのよう。なぜその楽曲を使用したのか?いつシーンを切り替えるのか?どんな動きをしているのか?といったファッション以外の要素にも注目しながら視聴すると意外な発見がたくさん見つかるはずです。
ハイセンスで印象深いPRムービーの事例紹介
① THE NORTH FACE「A New Take On Throwbacks | The North Face」
キャンプやハイキングなどで活躍する高品質かつハイセンスなアウトドアウェアで人気の「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」。
新作Low-Fi Hi-Tek コレクションのPRムービーでは、幾何学的な構造を持つジオデシック・ドームに影響を受けたレトロなデザインとカラーでブランドの歴史と未来を表現しています。
壮大な自然のランドスケープと画面分割やモーションタイムラプスなどの細かいギミックの組み合わせが独創的ですよね。
30秒のショート動画ですが、水面を小走りするシーンや逆アングルでジップを閉めるシーンなど、スポーツ/アウトドア系ブランドらしい躍動感のある映像を多用し、視聴者にウエアの魅力を直感的に伝えることに成功しています。
② Stone Island「Stone Island _ 40th Anniversary _ Miami」
イタリアファッションをルーツとして、1982年にインフォーマルウェアのブランドとして誕生した「Stone Island(ストーンアイランド)」。
「究極の研究と最高の機能性」というブランド創立時からの柱を軸に、フォルムの研究と素材の「調合」を通して独自の魅力を生み出すことに成功しています。
ブランド生誕40周年を祝したアニバーサリー動画は、音楽とファッションの融合を表現したモダンなMV風の作品に仕上がっています。
楽曲は、世界的なインディー・ポップバンドThe xxの頭脳にして、ソロ名義では超人気DJ/プロデューサーとして活躍するJamie xxの手によるもの。流麗なカットつなぎのテクニックが光る映像と使用曲との親和性が高く、とにかくカッコ良いですよね。
機能性とデザイン性がパーフェクトに融合したStone Islandのアイテムの魅力を「音楽と映像のミックス」というコンセプトによって見事に描き出しています。
③ NAUTICA「NAUTICA SPRING CAMPAIGN 2023」
1983年にデビッド・チュウという在米中国人デザイナーが旗揚げしたアメリカのカジュアルファッションブランド「NAUTICA(ノーティカ)」。1970年代のファッションに影響を与えた伝統的なマリンデザインを基本としており、アメカジ好きやマリンファッション好きにはたまらないものばかり。じわじわとストリートで注目を高めているブランドです。
ブランド名である「NAUTICA」は、ラテン語で「船」を意味しています。航海・客船・セーリングをコンセプトにアパレル以外にも幅広いアイテムを展開。PRムービーでは、ヨットを楽しむ若者たちの爽やかな姿を通して、ブランドイメージをうまく表現しています。
まとめ
以上3つのスポーツ/アウトドア系アパレルのPRムービーを紹介しました。
どのブランドも、ブランドイメージを高めるような、客観的に見てかっこいい、可愛いと思われる映像を用意することで、ブランドが持つ良さを象徴的に描いています。
「あのブランドかっこよかったな」と思わせるような映像の印象深さがあるのではないでしょうか。
どのブランドも価格が高額で、ものによっては1着10万円を超えるものもあります。高級ブランドとしての確立の背景には、今回ご紹介したような映像の力があったように思えます。
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