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新規層どう広げる?ファイナンス業界の最新映像プロモーション

新規層どう広げる?ファイナンス業界の最新映像プロモーション

こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。今年から「新NISA」がスタートし、注目度が急上昇しているファイナンス業界。これまで関心のなかった層へ認知を広げる絶好のタイミングを迎えていますが、金融マーケットを担う各種企業はどんなプロモーションを行っているのでしょうか?

本記記事では「新NISA」を設計した金融庁のYouTubeチャンネルをはじめ、銀行や証券会社の最新プロモーションを厳選してご紹介していきます。

ファイナンス業界の映像プロモーション事例

1. セミナー動画で「新NISA」を周知 – 金融庁

大注目の新NISAを設計した金融庁では、新しい制度を幅広い人々に知ってもらうためのPR映像を公式YouTubeチャンネルで積極的に公開しています。

こちらは定期的に主催してるセミナー「新しいNISA×未来プロデュース~お金のこと、投資のこと、将来のこと~」を周知すべく2023年の11月に公開された映像で、フライヤー広告に近い非常にシンプルな作りになっています。NISAに詳しいタレントやインフルエンサーを招いて、新しいNISAの魅力はもちろんのこと、ライフプランニングや資産形成の基本から分かりやすく解説する。そんなイベントの趣旨と目的をナレーションと映像で丁寧に伝えています。

2018年4月に開設された同チャンネルは、NISA等の資産形成に関するセミナーや学生向けのデモ講座等、教育系コンテンツを多数公開。ファイナンス全般の知識をアップデートするのにとても便利なチャンネルになっています。

2. スマホ口座をPR – 三井住友銀行

インターネットバンキングの普及率が7割近くに達するなど、電子化が加速しているファイナンス業界。三井住友銀行では、キャッシュレスに最適なスマホの口座「Olive」のプロモーションを昨年から今年にかけて集中的に実施しています。

2023年10月に公開されたTVCM「つぶやく人篇」は、メガバンクの印象を覆す内容が評判を読んだ1本です。電子サービスのCMなのに、田舎のバス停で女性がたたずむアナログな場面からスタートする意外性がポイント。サービス内容の周知をラスト3秒で行う構成もユニークです。

同時期に公開されたTVCM「知らない人篇」では趣旨を変え、スマホ口座「Olive」の画面がCMの中でも登場。画面が分かりづらく操作性に難があるなど、UI・UXに課題を抱えていたネットバンキングの欠点を克服していることが一目でわかる内容になっています。また、続きがあることを匂わせており、視聴者の関心を持続させるギミックはプロモショーンを考える上でとても参考になります。

3. グローバルな商品を強調 – IG証券

他社の一歩先を行く先進的かつ多様な金融商品でディープユーザーを獲得しているIG証券。グローバル企業のネットワークを強みとする企業であり、プロモーションの領域でも「世界のチカラ」を意識したメッセージを発信しています。

同社のCMではこれまで斎藤工さんを主役に据えた作品を公開してきましたが、池田エライザさんを新たにブランドアンバサダーに迎え、こちらの映像を公開しました。そこには、年齢や性別に関係なく男女共同で投資の世界に参画してほしいという同社の願いが込められており、映像表現もまたユーザー比率の低い20~30代の視聴者に向けたスタイリッシュで洗練されたものになっています。

4. 世紀の大スターで企業ブランディング – 三菱UFJ銀行

IG証券と同じように「世界」をコンセプトにしたプロモーションを行いながら、全く異なるアプローチをとっているのが日本のメガバンクの一つ、三菱UFJ銀行です。

常識や想像を超えて世界の舞台で挑戦し、活躍し続けるスーパースターの姿と三菱UFJ銀行の挑戦する姿を重ね合わせ、同社ではメジャーリーガーの大谷翔平選手を起用した映像を公開しています。

その最大の特徴はファイナンスの枠を超えたスケールの大きなプロモーションを一貫して行っている点にあり、「世界が進むチカラになりたい」というブランドアイデンティティが強く込められた内容になっています。上記2作品とも、サービスや商品のアピールをするのではなく、企業が大切にしている価値観やフィロソフィーとマッチしたタレントの魅力を前面に押し出しており、幅い広い人々へ刺さるCMになっている好例と言えるでしょう。

5. 相談窓口の強みをアピール – みずほ銀行

「新NISA」は、個人の資産形成を応援する制度ですが、いざ利用するとなると「何をしてよいかわからない」という方も少なくないのではないでしょうか。みずほ銀行では、そうした悩みを抱える利用者たちに向けた映像プロモーションを行なっています。

公開2週間で150万回再生を突破したこちらの映像では、インターネットバンクの普及によって省人化が進む中だからこそ、対面形式で疑問点を気軽に聞ける相談窓口の強みをアピール。タイトルに「聞けるから早い」というキャッチフレーズを使用し、動画の中で顧客に寄り添う姿勢を全面的に示すことで新規層獲得に上手く繋げています。

また、同一のテーマと内容を持つプロモーションでありながら、性別や世代の異なる主人公を起用したバージョンを複数用意し、定期的に投稿することで視聴者の興味関心を持続させることに成功。新規層獲得を目的としたプロモーションを展開する際には、単発で終わらないことがとても重要なのでぜひ参考にしたいです。

まとめ

複雑で難しそうな印象の強いファイナンス業界では、映像を用いて利用のハードルを低くしようと取り組みを続けています。「新NISA」とともに人々が金融への興味を自然と持つようになる中、競争の加速が予想されます。各社が今後どんな映像戦略をとるのか楽しみですね。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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