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雨のシーンが印象的な最新MV!映画級のエモさを演出

こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社エレファントストーンです。
映像表現において、自然環境の魅力を活かしたアプローチを心がけることは非常に大切です。とくに、雨のシーンはシネマチックな雰囲気を演出するのに最適で、プロモーションやストーリーテーリングでよく使われる手法です。そこで今回は、雨のシーンが効果的に使われている2025年に公開されたMVをピックアップしてご紹介します!
雨を活かしたMV紹介
1. XG『IN THE RAIN』
今大注目のガールズグループXGが4月に公開した『IN THE RAIN』のMVは、雨が楽曲全体のテーマと密接に結びついた作品です。雨が多面的な意味合いを持つ象徴として用いられ、視覚的にも聴覚的にも深い感情の旅を描いています。
最初はレインコートや傘で雨を避けていたメンバーたちが次第に傘をたたみ、雨を全身で受け止めながら自由に踊るシーンが印象的。雨を仰ぐ姿や傘をスティックのように手にして踊る演出によって、メンバーの感情的な解放感を表現しています。短い時間の中に、短編映画のようなストーリーが、盛り込まれているのも大きな見どころの一つです。
雨に対するイメージが、ドラマティックに変化する様子を美しい映像で見事に伝えきった一本です。
2. ヒグチアイ『雨が満ちれば』
2025年1月に公開されたヒグチアイの『雨が満ちれば』のMVが、話題を呼んでいます。本作では、苦しみや苦悩を洗い流す浄化の象徴として雨が用いられ、主人公の内面を映し出す重要な要素として描かれています。
TBSドラマ『地獄の果てまで連れていく』の主題歌として書き下ろされた楽曲は、復讐に明け暮れる主人公の憎悪や苦悩、痛み、揺らぐ心情をリアルに表現しています。
MVでは、全編にわたってヒグチアイ自身が雨に打たれながら歌うシーンによって構成されており、彼女の感情の揺れや葛藤を視覚的に表現しています。雨の中での繊細な演出やディテールにこだわり、雨音を効果音としては使用せず、雨そのものを感情とリンクさせたメタファーとして活用することで、楽曲の世界観を深く掘り下げています。雨をテーマに、楽曲と映像が一体となってシネマチックな物語を紡いだモデルケースとして、ぜひ参考にしたい作品です。
3. AIMINA『Rain』
5月リリースのAIMINA『Rain』は、男女のすれ違う恋心を描いた楽曲。雨が物語の重要な要素となっているティザー映像も公開され、SNSを中心に大きな反響を呼んでいます。
本作の大きな特徴は、全編を被写界深度の浅い映像でまとめることでシネマチックな雰囲気をつくり出している点です。楽曲のタイトルにもなっている「雨」の表現は、登場人物の心情や関係性の変化を象徴し、映像全体に深みを与えています。背景のぼやけたカットで登場人物のルックスと感情を強調する演出は、Z世代のスマホ視聴を意識したもの。街の光を滲ませてエモい雰囲気をつくり出すテクニックとあわせて、叙情的な世界観を構築するためのヒントが詰まった一本です。
4. RYUSENKEI 『真夏の瞬間』
2025年5月にリリースされたRYUSENKEI『真夏の瞬間』は、雨の日の情景を描いた楽曲です。MVでは、作品全体ではなくワンポイントで雨の描写を使用することで、ドラマチックな物語を紡いでいます。
真夏のまぶしい瞬間を描き出している中、1分前後と1分50秒前後の2つの場面で、雨の降りしきる情景が映し出されています。「雨のにおい」や「スコール」という歌詞とシンクロした映像と、缶ジュースの水滴と雨粒を重ね合わせるセンスが素晴らしく、雨の映像をポイント的に使うことで楽曲の世界観を深めることに成功しています。あざやかな情景の変化で印象的な場面をうまくつくり出した作品としても、非常に参考になる一本です。
5. 神が残した夢を喰う。『雨』
晴-haru-によるソロプロジェクト『神が残した夢を喰う。』のデビュー曲『雨』のMVは、別れの痛みと後悔を雨に重ね合わせた情緒豊かな映像作品です。過去の記憶や感情を呼び起こす重要なモチーフとして雨が登場し、登場人物たちの心情を映し出しています。
タイトルバックと重なる形で映し出される雨の風景(1分12秒前後)が、戻ることのない日々を綴った楽曲の世界観を象徴しています。全編において、雨のシーンは心象風景と重なっており、別れの瞬間やその後の孤独、そして未練を視覚的に強調する役割を果たしています。
まとめ
ネガティブなイメージを持たれがちな雨ですが、MVになるとその効果が一変し、シネマチックなドキッとする演出に使われることが多く私たちの感情を揺さぶるための武器になります。それぞれ「雨」の演出もバリエーションに富んでいるので、ぜひ一度、ご覧になって、その独特の世界観を体感してみてくださいね。