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アジアの才能が躍動。クリエイティブを刺激するPARCOの2025年シーズンキャンペーン映像に注目!

アジアの才能が躍動。クリエイティブを刺激するPARCOの2025年シーズンキャンペーン映像に注目!

画像引用:https://parco.jp/style/

こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社・エレファントストーンです。

古くから深い関わりを持つ、ファッションと映像の世界。グローバルな注目を集めるPARCOでは、国内外のクリエイターとコラボレーションしながら、革新的な表現を生み出し続けてきました。その挑戦的なクリエイティブは、毎シーズン大きな話題を呼んでいます。

本記事では、2025年キャンペーン映像でディレクターを務めた2人のアーティストにフォーカス。制作背景や表現の意図をひも解きながら、PARCOならではのクリエイティブの魅力を詳しくお届けします。

PARCO キャンペーンを牽引する2人のアートディレクター

「モノを売る」だけでなく、都市に新しい文化を生み出す「情報発信基地」を目指しているPARCO。その姿勢は、プロモーション映像にも反映されており、時代をリードするクリエイターとの協業で強いメッセージを発信しています。

今年のシーズンキャンペーンでは、現代アジアを代表する2つの才能とのコラボレーションを実施し、世界的な反響を呼んでいます。

1.中国カルチャーを現代的に再構築する:レスリー・チャン

春夏キャンペーンのディレクターを務めたレスリー・チャンは、上海を拠点に活動する世界的なビジュアルクリエイター。Louis VuittonやPRADA、CHANELなどのグローバルブランドのファッション写真を手がける一方で、映像作品にも精力的に取り組み、ファッションとカルチャーを横断する表現を発信してきました。

80〜90年代の中国文化を独自の感性で再構築する彼のスタイルは、既存の価値観を更新し続けてきたPARCOのクリエイティブとも強く共鳴します。その一貫した世界観は、春夏キャンペーンにおいてもPARCOらしい挑戦性と重なり合い、ブランドのメッセージを鮮やかに映し出しています。

PARCO 春夏キャンペーン

彼の映像の最大の特徴は、中国の伝統的な美意識とモダンな感性を融合させた独自のスタイルにあります。シンプルで普遍的なテーマを軸に、感情の機微を繊細に描くストーリーテリングも魅力です。

レスリー・チャンが手がけた春夏キャンペーンのプロモーションでは、1990年代の上海を想起させるノスタルジックな世界観を舞台に、春夏を通じた連続ストーリーが最小限のセリフで描かれています。

春シーズンのキャンペーン映像では、日常に潜む繊細な感情をテーマに、手紙を通じて交わされる男女の心温まるやりとりが印象的に表現されています。

【事例紹介】

「春叙」は、木の葉の揺らめきや室内に落ちる陰影を丁寧に捉えた、光の演出が印象的な作品です。

窓から差し込むやわらかな陽光をフィルターのように取り込むことで、モデルたちがまとう春らしい軽やかなファッションが空間に自然と溶け込み、爽やかでナチュラルな世界観を生み出しています。

2025年夏シーズンキャンペーン「夏遇」の映像では、「春叙」の物語を引き継ぎながら、2人の出会いを描くエンディングが展開されます。

自然豊かな風景を主軸に、ソフトフォーカスやスローモーションのショットを効果的に用いることで、時間がゆっくりと流れるような感覚を演出。日常のささやかな瞬間を詩的に切り取ることで、ファッションの魅力を前に出しすぎることなく、そっと引き立てる映像に仕上げられています。

2. 新進気鋭の監督:エー・ジェイ・ドゥアン

エー・ジェイ・ドゥアンは、中国・上海を拠点とする新進気鋭の映像監督・クリエイティブディレクターです。

30代前半とキャリアこそ短いものの、短編映像やドキュメンタリー作品の中でみせるアーティスティックな感性がファッショニスタたちの視線を釘付けにし、さまざまなグローバルブランドのキャンペーンを手掛けています。ここ数年、HermèsやGUCCI、LOEWE、PRADA、MIU MIUなど、国際的なハイブランドとのコラボレーションで急速に頭角を現しており、次代を担うアーティストのひとりとしてより広範な世界から大きな関心を寄せられています。

エー・ジェイ・ドゥアン 代表作紹介

Calvin Kleinの2024年秋冬コレクション『THE WAY YOU ARE』のキャンペーン動画は、「ありのままの自分」をテーマに、自然な自信のあり方をポエティックに描いた作品です。

ブランドの象徴であるミニマリズムを基調としながら、随所に遊び心を加えることで、哲学的で抽象的でありながらも親しみやすい世界観を構築。観るたびに新たな解釈が生まれるような余白があり、思わず繰り返し見たくなる映像に仕上げられています。

PARCO 2025秋冬キャンペーン

PARCOの2025年秋冬シーズンキャンペーン「Echoes of self」では、AJ DUANが手がけたアーティスティックな映像表現が印象的に展開されています。

キャンペーンは、YouTubeで公開された約1〜2分の短編動画を中心に構成。内面的な探求をテーマに、洗練されたビジュアルとミニマルな演出で世界観を描き出しているのが特徴です。

【事例紹介】

AUTUMN SEASONのプロモーションでは、「内なるエコー」をテーマに映像が展開されます。変化の速い現代社会のなかで失われがちな「自分の声」を、自然との対話を通じて取り戻していく——そんなコンセプトが、ポエティックな映像表現によって丁寧に描かれています。

人間のシルエットが自然の風景に溶け込む演出によって、ファッション広告の枠を超えた、アートフィルムのような没入感を生み出しているのも印象的です。

10月公開のWINTER SEASONプロモーションでは、冬の静けさのなかで自分自身と向き合うプロセスが描かれています。

服装は「自己表現のツール」として物語に自然に溶け込み、視聴者にあらためて「自分らしさ」と向き合うきっかけを与える、メッセージ性の強い内容に仕上げられています。コートやマフラーといったファッションアイテムもさりげなく織り交ぜられ、スタイリッシュでありながら、新しい自分の発見を想起させる洗練されたアートディレクションが印象的です。

まとめ

感度の高さと確かなセンスで、西武グループの時代からアートやカルチャーの文脈とともに歩み続けてきたPARCO。

リニューアル後の渋谷店は、ハイブランドでありながら個性の際立つファッションが立ち並び、その空間全体からPARCOならではの美意識が感じられます。親会社が変わってもなお、その感度の高さは「PARCOイズム」としてしっかりと受け継がれています。

今回のキャンペーン映像にも、言葉では語りきれないセンスや感性、洗練された美意識が余すことなく注ぎ込まれており、今シーズンも思わず唸らされる仕上がりです。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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