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VRだけじゃない日常に潜む『AR』の存在感
2019年になりVRという言葉は一般的にもよく目にすることになった。一方で、似た言葉であるARは、「よくわからない」という方が多いのではないだろうか?
ところが、今ARが非常に熱いことになっているのだ。そこで、ARについて基礎的な知識、活用方法などを紹介しよう。
ARって何?
ARとは英語の「オーグメンテッド・リアリティ(Augmented Reality)」の略で、日本語にすると「拡張現実」となる。強化現実などと例えられることもあった。
似た言葉として複合現実(MR)、拡張仮想感(AV)などがある。
平たく言えば、AVはGoogle Earth、ストリートビューなど仮想の世界に現実の情報を映し出すことでARとは少し概念が違う。
それに対してMRはARやAVを複合したもの、つまり仮想世界と現実世界をリンクさせてリアルタイムに影響を与えましょう、というものだ。
じゃあ、ARって何だろう? 拡張現実って何だろう、という方に一言で説明するなら「ウゴウゴルーガ」である。
木村カエラがブレイクしたテレビ番組として知られるが、実験的な取り組みが多い部分の評価も高い。
その一つが、CGで描かれたキャラクターや世界と現実にいる人間が対話をすることだ。この形式こそがARの基本である。つまり、バーチャルと我々人間が何かを通して一緒に存在する世界なのだ。
その何かはヘッドマウントディスプレイであったり、スマートフォンであったりが主流だ。ウゴウゴルーガの場合は、それがテレビだっただけのことだ。
Pokémon GOの登場、そしてSnapchatへ
ARが一躍人気となったのが、2016年にナイアンティック社が手掛けた『Pokémon GO』である。
スマートフォンの画面越しに現実の街並みの中にポケモンが登場し、モンスターボールを投げるとゲットすることができる。
まさに自分たちの住む町でゲーム「ポケットモンスター」の世界を体験できるということで一躍社会現象となった。
特に、「新宿御苑でピカチュウが出るぞ!」などとレアなポケモンが出るスポットには人だかりができ、後にあまりの騒ぎになったことから、場所が定期的に変更されることとなった。
発売から3年が経ち、多少の落ち着きはみせているものの、今でも多くのファンはポケモンをゲットしに街を散策している。私の住んでいるマンションの下でレアなポケモンが排出されるようになった時は、帰宅すると人だかりができていて驚いた。
そして、2019年の今注目されているのが『Snapchat』である。
赤ちゃんフィルタで大ブレイク
「その瞬間を楽しもう! スナップでもっとハッピーに!」が売り文句のSnapchatは、写真や動画の共有アプリである。つまり、個人、グループへ撮影した写真や動画を共有することができる。
これだけだと何の変哲もないアプリなのだが、その撮影がARを活用したものとなっているのが特徴なのだ。
2019年現在ブレイクしているのが赤ちゃんのフィルタである。このフィルタを通すとリアルタイムに被写体の姿を赤ん坊の時のように若返らせることができる。それ以外にもひげのおじさん風やモード風の女子になれるフィルタもあるなど、その変化の大きさはSNOWを上回る。
例えばこれは動物のフィルタ。筆者の目と口が利用され、それが動くのだ。やってみると想像以上の面白さ、確かにこれは流行る!
中にはSnapchat公認クリエイターとしてブレイクを果たそうとしている人がいる。青絵さんだ。
憧れのジョジョのような『スタンド』を手に入れた
カメラが顔を認識するとキャラが背後に出現し、顔を動かせば同じ方角に構える。
口を開き雄叫びを上げればキャラが反応し、炎の攻撃を繰り出します
キャラ・エフェクト・効果音すべてリアルタイムで動く AR(拡張現実)を作りました。 pic.twitter.com/vNcJPhFai7
— 青絵 (@aoepng) 2019年5月13日
ジョジョの奇妙な冒険に出てくるスタンドのようなものをARで再現。自分が口を開くとキャラクターが炎で攻撃をするというアクション付きだ。
このアイデアはすごい!!
ARの未来
ARというと固い発想をしてしまうかもしれないが、要は20世紀の時代にあったゲームセンターでの体感ゲームが進化した形と思えばいいだろう。
『ムーミンの原画ブック』で ARを作りました
カメラを本に向けるとスナフキンが登場し、ページを開くと歩き始めます。
走ったり立ち止まったり、崖を登ったりしながら、右へ右へと進んでいきます
原画のムーミン谷を旅するスナフキンの世界を創造してみました。 pic.twitter.com/qDZ8uAmjkv
— 青絵 (@aoepng) 2019年5月23日
レバーやボタンの形に自分が動けば、それと連動して何かが起こる。当時、ゲームセンターでプレーしていたキッズたちはそんなサッカーゲームや格闘ゲームを夢想していた。ARが流行った今、画面越しにそのようなことを実現することは難しくない。
ARの活用事例は日常的に増え続けるだろう。それこそクリエイターは想像力が試されているのかもしれない。
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