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世界初の「官僚系YouTuber」が誕生!?
政府、省庁、自治体の最新YouTube事情
ここのところ、民間企業がブランディング動画によって自社の魅力をPRする機会が増えていますが、その利用は、市民とのより親密なコミュニケーションを図りたいと考える政府や省庁、自治体においても有効です。
今回は、YouTubeを通じた情報発信によって市民とのスムーズなコンタクトを企図する各国政府および省庁、自治体のPR動画について、いくつかご紹介したいと思います。
霞ヶ関初の官僚系YouTuber!?
農林水産省では、職員自らが省公式YouTubeチャンネルを通じた情報発信によって、日本の農林水産業、農山漁村および農林水産物の魅力について国内外にPRするプロジェクト「BUZZ MAFF(ばずまふ)」を2020年1月7日よりスタートさせています。これまでの官僚観(?)をぶち壊す、ラフでくだけた雰囲気。かなり攻めてて、イケてます。
ちなみに、「BUZZ MAFF」の由来は、“バズる”の「BUZZ」と、農林水産省の英語の略称である「MAFF」の組み合わせとのこと。
こちらの動画は、さつもいもの魅力に取り憑かれた職員が、毎回ゲストを迎えてさつまいもの素晴らしさについてプレゼンする「さつもいも大好きチャンネル」です。
このほかにも
1.ダーツを投げて当たった棚田へ訪れ現地の「棚田びと」と交流することで、棚田の魅力を世界へ向けて全力でPRする「棚田めぐりダーツの旅」(どこかで聞いたようなタイトルですね……)
2.日本茶大好きな「御茶村」が各地でお茶会を開いて、日本茶および茶道の素晴らしさについて勉強しながら発信する「日本茶チャンネル」
3.カレーやラーメンなどの定番メニューすべて地元食材だけで作る地産地消な料理番組「MAFUMME」
などなど、なんとも面白そうなラインナップが用意されています。
インバウンド需要の広がりを意識したコンテンツが多く、国内向けの情報発信にとどまらず、おいしくて、安全な我が国の農林水産物・食品の輸出拡大に寄与することも期待されています。
1400万再生を突破!世界でバズった川崎市のオリンピックPR動画
川崎市は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開幕にともない、外国人観光客に向けてプロモーション動画を制作。
綿密なデジタルマーケティングのもと、配信先をアメリカ、フランス、イギリス、オーストラリア、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、台湾、日本の10カ国に厳選し、昨年9月に公開しています。
地方自治体がインバウンド向けにPR動画を作る事例は、ここ数年のトレンドではありますが、だいたい10万〜100万再生前後のものが多いです。1400万再生を超える視聴回数は、かなりの異例。マーケティングの成果が見事に反映された、大ヒット動画となっています。
市内の人々や景観、観光スポットをスタイリッシュな映像美とともに紹介していて、日本人の私が見ても、思わず川崎に行きたくてたまらなくなりました。地方自治体が手がけたここ最近のPR動画の代表的な成功事例として取り上げさせてもらいました。
注目度ピカイチ!ホワイトハウスのクリスマス動画。
最後はアメリカから。Twitter、Facebook、Google+、Flickr、Linkedln、Foursquare、VimeoとメジャーなSNSを網羅しているホワイトハウス。YouTubeももちろん活用しています。
こちらの動画は、ホワイトハウスをクリスマス仕様にデコレーションした様子を収録したもの。格式があって、非常に美しいです。
ホリデーシーズンの定番になっているようで、毎年公開されるたびに100万再生を超える大変な人気コンテンツになっています。普段はトランプ大統領の発言や仕事ぶりを伝える真面目な内容が多いですが、シーズンの前後は注目度が高まり、視聴数が伸びる傾向があるようです。
まとめ
今回は、各国政府や省庁、自治体がYouTube活用によってPRを行なっている最新の事例について、いくつかご紹介させていただきました。YouTubeは、専門性や難易度の高い情報を、多くの人へわかりやすく届けるツールとしてはうってつけなので、政治や行政の分野でも今後はより幅広い活用がなされ、当たり前の手法として定着していくことでしょう。
ともすれば、何をしているのか見えづらく、お堅い仕事のイメージが根強い政治や行政の世界ですが、今回お届けした「官僚系YouTuber」な企ては、そんな従来のイメージを刷新する手段としてもとても有効です。
どうしても情報操作や世論誘導といったナイーブな問題を孕んでしまいがちな事象ではありますが、気軽に楽しめる娯楽性の高いコンテンツが増えているで、ぜひスキマ時間にでもご覧いただけると嬉しいです。
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