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“ニッチ”を“強み”に変換!荒木農機のYouTube活用

“ニッチ”を“強み”に変換!荒木農機のYouTube活用

企業が動画・映像を活用することは当たり前になりました。しかし、動画を活用していない業界・業種もまだまだあります。

今回紹介するのは農機具業界です。農業というとアナログな印象が強く、映像活用?YouTube?と思う読者もいることでしょう。

いえいえ、YouTubeで注目を集めている会社があるんです。荒木農機と言います。紹介していきます。

荒木農機とは?

滋賀県にある農機具メーカー。Googleの口コミ4.6と高い評価もあります。

Twitterのフォロワーは399人。Instagramは270人。投稿のペースも数か月に一度と非常にゆるやかです。

荒木農機が有名になったのはYouTube活用。農機具メーカーでは大手のクボタやヤンマーを抑えて日本一の約7.2万人。独自のコミュニティを形成しています。

ニッチを極める荒木農機の魅力

ニッチな農機具界で何がはまったのでしょうか。それは今ある農機具を「修理・交換」をして使えるようにする動画です。

「修理・交換」がキーワード

農機具は高価なものが多いため、壊れたものを毎回買い直していたら莫大な費用がかかってしまいます。

しかし、相手は大自然。大切に使っていても壊れてしまうこともあるでしょう。なるべく自分たちで修理したい、まだ使えるようなら使いたいというユーザーも多いのではないでしょうか?

実は先のGoogleの口コミ4.6もYouTubeの感想が多く修理できて助かった、という感謝のメッセージが多いのです。

上記の刈り払い機を救命する動画も今では他チャンネルでも多数動画をあげています。比較してみるとアットホーム感というか、ほんわか温かみがあるのも1つの特徴であることがわかります。

視聴者とのコミュニケーション

企業のYouTubeアカウントの場合、コメントをオフにすることで万が一の悪いコメントを避ける、というやり方も多いです。

一方で荒木農機の場合、まるで個人アカウントに来たかのようなコメントの盛り上がりが見られます。

視聴者からの「役に立った」「おかげさまでウチの機械が復活した」など感謝のメッセージを中心としたコメントが溢れています。

さらに、コメントに対して荒木農機からいいねや返信があることも。普段見ているチャンネルから、自分のコメントに対してリアクションが来ると嬉しいですよね。こういったコミュニケーションが、チャンネル登録者やメンバーシップ登録、ファンの獲得に繋がっているのだと思います。

かつての個人ホームページと掲示板のような趣があります。こうしたやり方は時代は変わっても形を変えて残っていくのですね。

「メンバーシップ機能」の活用

荒木農機ではYouTubeのチャンネルメンバーシップ機能を活用しています。メンバーシップ機能とは、視聴者が月額料金を支払うことによってチャンネルのメンバーとなり、バッジ、絵文字、特典、動画などメンバー限定の特典を得られる制度です。荒木農機では無料で公開している動画に加えて5つのメンバーシッププランを作り、プランごとに限定動画を公開しています。

メンバーシップに登録することで、視聴者はさらに詳しい修理動画を見れたり、コメントで質問したことに回答してもらえたりといったメリットがあります。自分で農機具を修理しながら使いたい人にとって、YouTube上で参考動画を見るだけでなく疑問も解決できるなんてとても助かる機能ですよね。
ニッチな情報だからこそ、コアな層に対してきちんと届けるのが大事ということがわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ニッチな印象の残る農機具業界ですが、そのニッチさを活かす形で動画を活用している荒木農機さんのYouTube活用についてご紹介いたしました。

  • 農機具の修理・交換というお役立ち情報の提供
  • 「メンバーシップ機能」でコアな情報をしっかり届ける
  • コメント欄で視聴者との活発なコミュニケーション

これら3つのポイントで視聴者に寄り添い、コミュニティを形成しています。荒木農機さんの温かみ溢れる素敵なチャンネルなので、顧客から親近感を得るための寄り添ったコミュニケーションの参考にしてみてくださいね。


 

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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