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あまりにださすぎるミュージックビデオ4選
YouTubeの発展とともにアーティストたちは音楽をオンライン上で流すことが当たり前となった。
ところが、元来音楽というのは音だけのものなので、YouTubeで注目を集めるにはMV(ミュージックビデオ)またはPV(プロモーションビデオ)を作らなければならない。2018年はDA PUMPの『U.S.A』のMVがださかっこいいとして話題となり再ブレイクのきっかけとなった。
だが、世界は広い。ここでは、あまりにひどすぎるミュージックビデオたちを紹介しよう。
Devo – Whip It
あなた達……何をかぶっているの? そう思わず言いたくなるのがDevoのWhip Itである。全てはその衣装、いや帽子にもっていかれているのだが、鞭の音に合わせて鞭を打つというシンクロもまたシュールである。
光GENJI – パラダイス銀河
当時、音楽のPVにアニメーションが用いられることが時折あった。だが、後年の例えばXのアニメーションPVが高画質で物語性があったのに対して光GENJIのこれはまるで冴えない少女漫画のようである。本人たちに似ていない、ださいと何とも言えない出来栄えだ。
絶頂期にあった彼らだけに予算は潤沢にあったはず……なぜこのようなことになったのかは永遠の謎だ。
Armi & Danny – I Wanna Love You Tender (原題:Tahdon olla sulle hellä)
フィンランド出身の歌手アーミ・アーヴィッコ(Armi)がイルッカ・リプサネン(通称:Danny)とデュエットを組んで発表されたのがI Wanna Love You Tenderだ。のっけから昭和の香りが漂ういけてないダンスに表情のない顔が目に突き刺さる。
1978年作と考えればある程度の予算と技術力がかかっているのではないかと思うが、21世紀の今見るとそのMVは一種のシュールレアリスムのようにも映る。
彼女は2002年に肺炎により既に亡くなっているが、この動画がブレイクしたのは2006年インターネット上で動画サイトというものが登場してからのものだった。
Ninja Magic – The way of life
ヘヴィメタルの世界では我々の常識を超えるとんでもPVが日々量産されている。そんな中でも究極にださいことでいられるのがNinja Magicだ。
その名前の通り日本の忍者をモチーフにしたバンドなのだが、いかにも修学旅行の時のお土産物屋で買いました感が漂うチープな衣装に、さえないポージング、頼りないハイトーンボイスが何とも言えない雰囲気を醸し出している。とはいえ、何より本人たちが楽しそうなのは良いことだ。
このようなB級、C級のメロディックメタルは1990年代末から2000年代初期にかけて量産されたが、彼らが登場したのは2000年代中期……、今はサウンドは普通にレベルアップしている。なお、現在のボーカルの名前はタマ・ゴッチ、ベースはテリー・ヤキである。
・ ・ ・
こうしてみると、ださすぎるMVというのは有名無名問わず、スタッフによるケミストリーによって生まれるものだということがわかる。中には狙ってださくしたものもあるが、今回はそうした意図的だと思われるものはあえて外した。
これ以外にも名前は思い出せないが素晴らしいださMVは多く、また思い出したら定期的に取り上げていきたい。
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