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デザインの正体とは?
ディレクター大金による「デザイン講義」密着レポート!
こんにちは。エレファントストーンディレクターの関戸です。
今回は私の先輩である大金ディレクターが社外でデザイン講義を行うということで、私、関戸が潜入し実際にどんな講義だったのか、参加者からどんな反応があったのかをレポートさせていただきます。最後におすすめのツールもご紹介いたします!
現在デザインに興味を持っている方、逆にちょっと苦手意識をお持ちの方。この記事では「デザインの本質」に触れつつ一緒に考えて楽しめる内容になっています!
鎌倉の地へ上陸、いざデザイン講義!
さて我々は弊社オフィスのある東京都渋谷区から神奈川県鎌倉市にある鶴岡八幡宮へやってきました。当日は天気も良く、大金さんの気合も十分な様子でした。
関戸:大金さん、鎌倉きましたね!
今回の講義は、県内各神社宮司のご子息に向けての※DTP講座ということで、チラシであったり、主に紙媒体のデザインについてレクチャーするような内容になっています。さて、大金さん意気込みはいかがでしょうか!
大金:緊張してますよ。今回講義にご参加くださる方は約30名いますからね。
関戸:30名の前で話す大金さん楽しみです!ちなみに今回の講義のポイントはありますか?
大金:今回の講義を受ける方は、クリエイティブから離れたところの職種のため、デザインと聞くと萎縮してしまうと思うんです。なので、まずはデザインにチャレンジしてもいいかなって思ってもらえるように、「デザインの楽しさ」や「デザインとは何なのか?」という部分にフォーカスしてお伝えしたいと思います。
最近では、デザイン思考を取り入れている会社さんも出てくるほど、デザインの考え方はどんなところにも使えるものです。参加者の皆さんには、表面的な美しさより、デザイン的な考え方を一緒に体感してもらうことによって、今よりも身近な存在に捉えてもらうことが今回の講義のゴールだと考えています。
関戸:なるほど。私も大学でグラフィックデザインを学ぶまで、デザインに対するイメージは色を塗る、絵を描くというような装飾的なものだと捉えていた気がします。
大金:わかるわかる。私もそうだったよ。ドンさんにも初心に立ち返るきっかけの講義になるんじゃないかな?
関戸:おお……ますます今回の講義が楽しみになってきました!エールを送りつつ自分も講義を受けてるつもりで聞いちゃいますね!
大金:仕事してね?笑
※「DTP(ディーティーピー)」とは、「Desktop Publishing(デスクトップ パブリッシング)」の略であり、パソコン上で印刷物のデータを制作することです。
デザインの正体を知る
今回の講義はまずはじめに大金さんから参加者の皆さんへ質疑応答の形式でスタートしました。
最初の質問では、デザインに対する参加者の漠然としたイメージを答えてもらいました。
『みなさん「デザイン」って聞いてどういう印象がありますか?』
この問いかけに参加者から出た反応は
・難しそう
・専門的でセンスが必要そう
デザインへの漠然としたイメージは、やはりアーティスティックだったり敷居が高そうと感じる人が大半であることを再認識しました。
続いての質問では、会話のシチュエーションを例に出して考えてもらいました。
『みなさんが神社の説明をするとします。幼稚園児に説明するとき、大人にするとき。どんな差が出るでしょう。』
[参加者からの回答]
・幼稚園児へは分かりやすい簡単な言葉を使いどんな場所であるかの説明をする
・大人へはある程度理解がある前提で神社の歴史等まで詳しい説明する
続いて大人の中でも細分化して下記の2パターンで質問。
・20代の若いカップルに説明する時
・自分より年配の方に説明する時
[参加者からの回答]
・最近の若者に人気のパワースポットに関連づけて説明をしてみる
・歴史の名残や、時代の変化と紐づけて説明をしてみる
この他にも参加者からはあらゆる意見が出ましたが私が面白いと思ったのは、それぞれの口調にも変化をつけるという意見でした。
当たり前ですが、小さい子に話しかける時、目上の人と会話する時は話の内容だけではなく、声のトーンや表情、目線の高さまであらゆる部分に変化が出てきます。
皆さんもぜひ自分に置き換えて、自分の仕事を誰かに説明するというシチュエーションを想像してみてください。伝え方や言葉遣いは相手によって変わってくるはずです。
そして大金さんから参加者へ
“この伝え方の違いがまさにデザインであること。相手にどう伝えたら効果的か。分かってもらえるのか。それを考え、表現することがデザインと言われるものの正体である”というメッセージが伝えられ前半戦が終了しました。
ここまでを終えて・・・今回の講義の一番伝えたい本質は前半戦に詰まっていたように感じました。
大金さんは今回「普段の会話シチュエーション」という、とても身近な例を出して参加者へ問いを投げかけました。参加者は質疑応答を通して、普段の当たり前を見つめ直してみることで、そこにデザインのヒントを発見していたように感じます。私も、改めて考えると「あ、これも言ってみればデザインか」と発見することは日常茶飯事で、それだけ世の中はデザインに溢れているんだと気付かされます。
ワーク1 ポスターに載せたい情報の整理をしてみる
はじめに「デザイン」というものの正体について触れたところで、今回の本題である、実際にチラシを作ってみるワークへ移りました。
今回は「神社で開かれる稲作体験のチラシを作る」という課題を設定し、チラシのデザインが出来上がるまでの思考の過程を一緒に体験できるような内容となっていました。
はじめに参加者には「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「誰に」「どのようにして」「目的は」という項目がかかれた紙が配布され、ポスターに載せたい情報を整理して仕分けてもらいました。
デザインを作り始める上で一番大切で重要なものは「情報整理」です。
それを参加者と一緒に考えることで、チラシを作る目的をしっかり掴んでもらう作業を行いました。この仕分けた項目の中から、着目したのは 「誰に」の部分です。「チラシを届けたいターゲット」を深ぼっていくことで今回のチラシのコンセプトを決めていきました。
参加者の皆さんもすごく真剣に考えてくださっていて、「海外の方向けにした方がいいのではないか?」「もっと浅く広くターゲットを広げた方がいいのではないか?」と色々とご意見が出てきました。もちろんそれも正解です!
このように誰にどのようにこのチラシを見てもらいたいかを考えることが大事なのだと、大金さんは語っていました。
ここで大金さんから再び参加者へ問いが投げかけられました。
例えば 「誰に」=「小さなお子様がいる家族」だった場合
・それはどんなひとなのか考えてみる。
・どういう伝え方をしたらイベントに興味を持ってもらえるのか考えてみる。
[参加者からの回答]
・母親が子供に普段できない体験をさせてあげたい人達
・ワクワクする見た目である必要がある
・文字だけでは読む気にならないので前年度の写真などを使った方がいいのでは?
参加者からは具体的な意見が多くでてきており、参加者にとって今回作成するチラシイメージの解像度がだんだんと上がってきているのを感じました。
ワーク2 情報に優先順位をつける
次に整理した情報を伝えたい優先度で順位付けして“本当に目立たせたいもの”と“そうでないもの”を仕分ける作業をしていきました。講師の大金からは、「主役」「準主役」「脇役」と名付け、分かりやすく情報を整理していくことで、大枠のデザインのレイアウトをイメージしやすくしていく手法が紹介されました。
主役となる重要情報はチラシに大きく配置しよう。そのそばに準主役となる情報を配置。大きく目立たせる必要のない詳細情報は下の方に小さめに配置しよう。
情報を仕分けして整理していくだけであっという間にチラシレイアウトが組み上がりました。チラシに載せたい情報がどれほど複雑でボリュームがあったとしても、そこには必ず伝えたい順番や優先度が存在します。
まずは最もシンプルな枠にあてはめてあげることで情報を整理できれば、白紙の紙と情報を前に「うーん、、」と何時間も頭を悩ます必要はなくなるのです。
ワーク3 実際に組み立ててみる
ここからチラシを形にしていく作業として、実際に大金さんがデザインしたチラシを例に出しながら形にする工程を紹介していきました。
この形にする工程は、時間の関係もあり用意してきた作例をもとにどのようにブラッシュアップするか、考え方やコツを聞きながら、私も参加者の皆さんと一緒に作業を見守りました。
実際の様子はお見せできませんが……はじめは情報だけだった部分に、写真が載り、タイトルや文字に工夫が加わり、装飾を加えることで色合いが出て、今回のコンセプトである楽しさや明るさ、ワクワク感のあるチラシができあがっていきました。
今回、参加者は出来上がっていく様子を見守る形式となりましたが、自分達が整理した情報が組み立てられていく様子に参加者も興味津々の様子でした。
ワーク4 ツールの紹介
講義の最後には、デザイン初心者へ向けた便利なツールの紹介や、クリエイターが実際に利用しているサイトの紹介がありました。1からデザインを作成するのは容易ではない……そんな人にとっても非常に手軽に使えるものもあるので下記に一部紹介します。
Microsoft Officeテンプレート
Microsoftでは、無料でWordやPowerPointなどで使える様々なテンプレートを提供していて、情報を打ち込むだけで簡単にデザインされた資料を作ることが可能です。
パワポン
パワポンは事務用品の通販で有名な「ASKUL」が運営しているサイトで、チラシを中心にパワーポイントの無料テンプレートが1,520点あります。わかりやすくカテゴリー分けされていて、目的のチラシが探しやすいところが魅力。テンプレートを使えば驚くほどかんたんに本格的なチラシが作れます!
Pinterest
こちらはプロのデザイナーも愛用するアプリです。自分の好きな画像、動画をいつでもピン(ブックマーク)して画像を集められるという特徴があり、自分の作りたいデザインと近い参考を集めるのにおすすめです。
これにて、本講義は終了!
参加者からは「デザインに対するイメージが湧いた」「情報を整理して組み立てていく考え方が面白かった」などの感想や、「もっと知りたい!」というポジティブで意欲的な声が多く上がっていました。
私は、大金さんの講義が、参加者のデザインに対するイメージを変え、より興味を掻き立てることにも繋がったのではないかと感じ、後ろで見守りつつひとり小さくガッツポーズいたしました。
まとめ
関戸:大金さんお疲れ様でした!
大金:ドンさん(関戸)どうでした?実は今回ドンさん(関戸)にもこの講義を聞いてもらいたいと密かに思っていたんですよね。
関戸:もちろん私も勉強になりました。印象に残ったのが、最後の質疑応答で以前チラシをデザイン会社に発注してみたが、思っていたものと違うものが出来上がってきてしまったことがあると話ていた方がいましたよね。
その「ズレ」ってやっぱり、チラシを作る上での根本の伝えたいことや、伝えたい相手、伝えたい情報の優先度などのすり合わせができていないと生じてしまうものなんだろうなと改めて実感しました。この話はクリエイター側の立場としても考えさせられますね…!
大金:その通りだね。今回の講義では「デザインの正体って実はこんなに身近なものだったんだよ」という大枠部分が伝えられたらと思って話していたけど、私の話を聞いて少しでもデザインに挑戦してもいいよって人が増えたらいいなって思いました!
関戸:本当にお疲れ様でした!またこのような機会があったらぜひ第二弾を聞きたいです!
大金:終わってみたら意外と緊張しなかったです。みなさん真剣に聞いていただいたので、なんか偉い先生になったような気分でした笑 大勢の大人の前で話す機会なんてそうそうないので、とても貴重な経験になりました!
関戸:我らの大金さん!って感じで誇らしかったです。自分ももっと頑張ります。
大金:なにそれ笑 ドンさん(関戸)もお疲れ様でした!
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