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進化するバス停が便利すぎる!「スマートバス停」とは

進化するバス停が便利すぎる!「スマートバス停」とは

こんにちは!映像制作会社のエレファントストーンです。

毎年秋になるとスマートフォンの新商品が話題になります。IoTの進化によって、「スマート〇〇」とつくものは今や電話だけに限りません。実は今スマート化が進んでいる意外なものがあります。それはバス停です。

スマートバス停とは?

バス停は「バス停留所」の略称。時刻表付き標識が立てられているものがバス停のスタンダードだとすれば、現在首都圏では、屋根や椅子、ベンチ、壁などが整備されたバス停が多くなっています。


画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000104608.html

さらに一段階進化したスマートバス停では、従来、紙でバス停に掲示していた時刻表や路線図、お知らせなどをクラウドから一括配信し、デジタルサイネージや電子ペーパー等に表示できるようになっています。

スマートバス停の歴史

スマートバス停は現在では多くの事業者が手掛けていますが、株式会社YEデジタル西鉄エム・テック株式会社が「スマートバス停」の呼称で、2017年10月の北九州市内での実証実験をしたのが元祖と言われています。

また、「電子ペーパー」を用いたバス停は2018年に会津若松市内で行った実証実験が国内初といわれています。こちらも「スマートバス停」の呼称が用いられたそうです。


画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000065567.html

東京都内への導入は2023年12月、高島平駅バス停2番のりばが最初だと言われています。

ここがすごいぞスマートバス停

スマートバス停は2017年の登場以降、進化を続けています。従来のバス停から進化した点を紹介します。

データ更新が可能になった

これまでバス各社は情報に変更があった場合、バス停の中に入っている時刻表などをすべて紙に印刷し、貼り直すといった作業が必要でした。そして、その作業は昼間は利用者の妨げになる可能性があるため、多くが深夜に行われていました。スマートバス停の場合、オフィスでデータを更新するだけで済むので、大きなコストカットになりました。

また、悪天候時でも運行状況・運休の情報を更新することができるため、利用者はバスの状況をリアルタイムで把握することができます。もう、「バスが時間通り来ない!」と慌てる心配はありません。

デジタルサイネージとしても活用できる

時刻表の表示だけでなく液晶に広告の配信や地域情報、最新情報の表示ができるようになりました。そのことで、これまで時刻表の役割ばかりだったバス停の活用度が大きくあがりました。


画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000136127.html

広告や地域情報を出すことはとても意義のあることです。

・いつもの病院に向かうとき、病院の近くの商店街で催しものがあると知ったら、帰りにちょっと寄り道してしまうかもしれません。
・自治体からの情報を知ることで、例えば「お友達を誘って健診に行こう!」と思うかもしれません。
・観光客は、近くに美味しいお店があると知ったら、その店に立ち寄るかもしれません。
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000136127.html

とスマートバス停を手掛けるマチディア株式会社は述べています。

スマートバス停の活用による変化

では、スマートバス停を活用することで、この社会にどのような変化が起きるのでしょうか?

バス停が高級メディアになる

個人的に都内のバス停においてラグジュアリーブランドの広告が多く入るようになったと感じています。サイネージがよく活用されている電車や駅と比べて、バスで広告を見ることは多くなく、ラッピングバスやバスの車内広告の印象が強い方も多いのではないでしょうか。
バス停にラグジュアリーなブランドの広告が出稿をされたことで、バスへのイメージも高級感のあるものへと変わっていっている印象があります。

実は、JCDecauxの調査によると、バス停は空港に次いで高級感を感じやすいという結果が出ているのです。

世界10か国の人を対象にラグジュアリーな架空の時計ブランドの広告を「TV」、「雑誌」、「空港」、「バス停」、「オンライン」で表示し、広告商品の金額を選んでもらうというものです。結果、空港に次いでバス停の価格が高見えすることがわかったのです。

そう、バス停は実はリッチな広告媒体になりえる素地があったのです。

高齢者が活躍する社会づくりへ

高齢者のユーザーにとってもスマートバス停は大きな意義があります。

時刻表の文字は大きいとは言えず、バスの利用者に多い中高年にとっては視認性が低い場合がありました。スマートバス停であれば画像を拡大することもできます。


画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000065567.html

スマートバス停の元祖と呼ばれる株式会社YEデジタルは、東京都で2023年12月にはじめてスマートバス停を設置。

こちらは板橋区が取り組む「デジタルを使いこなす『元気』高齢者育成事業」として認められました。

「スマートバス停」は、時刻表やバス運行情報に加え、お知らせをまとめて確認することができるため、行政情報やイベント案内など、さまざまな情報を発信することで、外出のきっかけづくりへの活用が可能となります。

このように、「スマートバス停」を活用することで、公共交通での移動の利便性向上や地域の魅力再発見などを通して、豊かな「まちづくり」の実現に繋がっていくことが想像できます。

インバウンドでも強い

こうしたスマートバス停はインバウンドの獲得にも貢献できるのではないかと見られています。

初めて来る土地でバスを利用した観光客が、スマートバス停の広告を見て「近くに美味しいお店があるんだ」と知り、実際にその店に立ち寄ることもあるでしょう。

導入企業である京成バスは、外国人観光客に対するインバウンド対策として積極的な取り組みを行っています。

異なるバスの利用方法に戸惑う利用者に対し、「スマートバス停」で、リアルタイムな運行状況の提供のほか、運休情報、時刻表の多言語表記、バスの乗り方、運賃の事前案内などを発信することができ、バス停がハブとして観光ガイドにもなっているのです。

まとめ

スマートバス停は東京都内で急速に広がりを見せ、2024年6月にはNECネクサソリューションズによって六本木ヒルズにも設置されました。

今では、ちぃばすという区が運営するコミュニティバスにも導入がスタートしています。バス停を巡るデジタルサイネージの進化はとても早くなっています。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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