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チームメンバーは自分以外タイ人!? 言語・文化を超えたクリエイティブ統括への挑戦【社員インタビュー#21】
こんにちは、エレファントストーンの大江です!
9月も終盤に差し掛かり、最近は徐々に気温が下がって過ごしやすくなってきましたね。10月も頑張っていきましょう!
さて、“社員の想いを象る”シリーズと題して連載企画でお届けしている弊社の社員インタビューも第21弾。今回は、経営戦略室 アジア事業課の坂内さんにインタビューしました。
社内でも生粋のタイ好きで、入社後はエディター、アジア事業担当とキャリアを歩まれてきた坂内さん。今回はそんな坂内さんにスポットを当て、言語や働き方の価値観が異なるメンバーと共に仕事をする中で、どう円滑に映像の制作進行をしているのか、関係構築をしているのかをご紹介します。
【経営戦略室 アジア事業課/坂内 七菜 プロフィール】
大学では写真表現を専攻。在学中からアシスタントフォトグラファーとして活動を始め、同時にアニメーション制作/配給会社でのアルバイトも掛け持ち。卒業後は映像制作会社で写真と映像制作に関する幅広い業務に従事。多岐にわたる経験を活かすべく、2019年エレファントストーンに入社。
日本とタイの架け橋。アジア事業課を担当するまでのキャリア
ーー現在、坂内さんが所属されているアジア事業課はどんな役割を持つ部署なのか、またご自身の役割や業務内容を教えてください!
坂内「私の所属する経営戦略室 アジア事業課(以下省略)では、エレファントストーンの日本本社から映像のプロジェクトの依頼がきた際に、窓口としてアジアパートナーや「ElephantStone (Thailand) Co., Ltd.」(以下、EST) のメンバーへ依頼するプロジェクトの管轄、進行を担当しています。
その中でも私は、EST(タイ拠点)にいる4人のメンバーのリーダーとして、仕事の割り振りや制作スケジュール作成、進捗管理、クオリティ管理をメインで担当しています。他にも、ESTメンバーのマネジメントやESTの目標をどう達成していくか、そのためにどうチーム内で連携や営業をかけていくかなど、日々施策を考えて実行しています。
私以外全員タイ国籍のメンバーなので、基本的に日本語とタイ語を話せる辰巳くんを介してメンバーとコミュニケーションを図っています!」
*「ElephantStone (Thailand) Co., Ltd.」についてはこちら
ーー2019年に入社された坂内さんですが、これまでエレファントストーンの中でどんなキャリアを経験されてきたのですか?
坂内「2019年にエレファントストーンに入社してから2023年10月まで、約5年近くはエディターとしてアニメーションやグラフィックなどの制作を行っており、編集メインのプレイヤーでした。
今の部署には、2023年10月5日に経営戦略室アジア事業課が新設されたタイミングで配属となりました。それまでメインで携わっていた役割とは全く異なる、ESTの管轄や相談窓口、チームマネジメントを担当することになり、一気に仕事の幅が広がりましたね」
ーー新設されたアジア事業課を担当すると聞いた時は、どのような心境でしたか?
坂内「とても驚きましたが、納得感もありましたね。アジア事業課が発足されそうなタイミングで鶴目さんから、それらしい事をふわっと話があったり、自分が元々タイが好きというのもあったりして、予感はしてました。
私自身、環境を変えることが割と好きなタイプなので、後悔のないように挑戦しようと思いました。実は、この先ずっとプレイヤーとしてのキャリアを築きたいというよりも、もっと別の強みを見つけたいと思っていたタイミングで、自分のキャリア的にも良い転機でした。
元々好きだったタイという国での新規事業に携われるというのは自分の中でも大きくて、『いつか仕事でタイに行けるかな』と妄想を膨らませたりしました(笑)」
ーー元々タイが好きでアジア事業課に配属になったのも何かの縁のように感じます!タイを好きになったきっかけはあったのでしょうか?
坂内「元々、タイの東北地方で歌われている【モーラム】や【ルークトゥン】という音楽がずっと好きで、プライベートでも旅行に行っていました。
エレファントストーンに入社してからも、タイの音楽イベントに行ってハマっていきましたね。ESには音楽好きな人が多いので、社内BGMで勝手にタイ音楽をかけていると興味を持ってもらえることがあって嬉しいです。その後、社員研修でタイに行ったり、鶴目さんもタイに縁があったり、そういった偶然が重なって運命的な部分を感じています」
チームメンバーは自分以外タイ人!国を超えた映像制作で感じる難しさと可能性
ーー文化や言語、働き方の価値観が異なるメンバーと一緒に制作していく上で、難しさを感じる瞬間はありますか?
坂内「日本人向けの映像を扱うとなると、日本人に好まれる配色や文字の間隔など、タイの映像クリエイティブとは全く異なる表現を、どう汲み取ってもらえるかは試行錯誤しましたね。
例えば、お客様から【このテキストの座布団(テロップに入れる背景)の色をいい感じに淡くしてほしい】というコメントがあった時に、日本人であれば何となく『テキストの後ろのことを指していて、こういう色を求めているんだろうな』と想像ができると思います。ですが違う文化/言語で生まれ育ったESTメンバーにとっては、イメージするのがなかなか難しいと思います。
なので、そういったお客様からの修正コメントや業界用語などの難しい日本語は、タイ語に翻訳した時に確実に伝わるような日本語に書き直してお願いするようにしています」
ーー日本人でさえ意図を汲み取るのが難しい時があるのにプラスして、言語のニュアンスまでを明確に伝える必要があるんですね。具体的に坂内さんは、どのようにESTメンバーへ伝えて認識の齟齬を防いでいるのですか?
坂内「難しい日本語や感覚的なものは、自分がタイ語に翻訳した時に確実に伝わるような日本語に書き直して依頼しています。
例えば、文章と文章の間に句読点を加えて区切りをつけたり、主語/動詞/目的語のような正しい文法の日本語にしたり、難しい日本語を使わないなど。翻訳機にかけて指示内容が伝わりやすいタイ語に翻訳されているかどうかをチェックすることで、ESTメンバーとの認識の齟齬が生まれないように心がけていますね。
こういった海外の人と一緒に仕事をする上では、いかに“翻訳しやすい日本語を書けるかどうか”が最近では特に求められるスキルだと感じています」
イメージ例:
×伝わりづらい「この箇所を白ベースにしてボカす」「フォントをもう少し優しい感じに変えて」「文字の間隔を若干空ける」
◯伝わりやすい「ここは白に変更、ブラーを追加」「フォントを○○に変えてください」「文字と文字の間に◯ミリ程度スペースを空けてください」
ーー言語のニュアンスの部分まで細かく伝えることで、認識の齟齬を防いでいるんですね。そのように心がけるようになったきっかけはあったのでしょうか。
坂内「アジア事業課メンバーのタナポンさんが日本語とタイ語の翻訳をしてくれることが多いのですが、お客様からの修正指示をタイ語に翻訳するのに、日本語が難しくすごく時間がかかってしまっていることに気がついたんですよね。
それが時間のロスや指示の齟齬にも繋がってしまっていたので、『これは自分がもっと日本語を噛み砕いて伝えた方がリスクヘッジになる』と自分も翻訳する際に入るようになりました。
最近は私だけではなく、社内のメンバーにもそれが伝わってきて、以前よりも伝わりやすい修正指示のコメントを書いてくださる人が少しずつ増えてきたように感じます。アジア事業課の中でも、よく使用する修正指示としてマニュアルのような一覧表を作成し、活用することでなるべくミスが発生しないように工夫していますね」
ーーマニュアル化することで、スムーズに制作が進むようにされているんですね!ESTチームのリーダーを担っている坂内さんですが、メンバーのマネジメントの面でも難しさを感じる時はありますか?
坂内「文化の違いが多いため、こちらが明確に説明をしないと、伝えたいことの意図や重要性が伝わりづらいなと感じることはあります。例えば、日本で働く上で必要不可欠な報連相(報告/連絡/相談)のようなビジネスマナーも、彼らにとっては馴染みのないものなんですよ。なのでそこの重要性を理解し、慣れてもらうためにどう働きかけるべきかが今の課題としてもあります。
あとは、ただ指示を受けたものだけをやるのではなく、プロジェクトの先頭に立つ意識じゃないですけど、メンバーの自主性みたいな部分がどんどん出てくると、よりESTが盛り上がってくるんじゃないかなと思っています。
今ESTにいる初期メンバーは、ESTの社員応募200人の中から選ばれた、堅実で意識を高く持っているメンバーなんですよね。なのでこれから入ってくる後続のメンバーに、彼らが背中を見せて引っ張っていってほしいなと思いますし、一緒に試行錯誤しながら相乗効果が生まれるように頑張っていきたいです!」
ーーここまで試行錯誤されながらESTメンバーと向き合っている坂内さんですが、タイが好きというのも今のお仕事のモチベーションやメンバーとのコミュニケーションに繋がっているのでしょうか?
坂内「タイへの愛着があるので、大変なことも多いですが面白さを感じながら日々仕事をしています。
ESTメンバーとのコミュニケーションでも、私の好きそうな音楽やオススメのご飯屋さんを教えてくれたり、現地へ行った際は仕事終わりに一緒にご飯行ったり、仕事以外のコミュニケーションもとれるようになってきて徐々に信頼関係を築けていると思いますね」
ーー仕事以外の会話も大切ですよね。ESTメンバーとのコミュニケーションをとる上で、大切にされていることはありますか?
坂内「彼らの性格やバックボーンを知っているからこそ、尊敬している部分もたくさんあるので、いちプロのクリエイターとしてリスペクトすることを大切にしています。
今は日系企業として、日本の文化に合わせてもらっていますが、タイの文化ももちろん尊重していきたいです。会社のルールで変えられない部分もありますが、それ以外で私ができる限りのフォローはしていきたいと思っています」
タイで名の知れた映像制作会社へ
ーーこれからアジア事業課メンバーとしてESTをどうしていきたいですか?
坂内「ゆくゆくは、タイの中で名の知れた映像制作会社として根づかせたいですね。今は、日本のプロジェクトがメインではあるのですが、いずれはタイの企業からの依頼も獲得していきたいです。
現在、タイの企業から依頼を受けるためのアプローチをしたり、新しいメンバーも加わって映像以外の企画などの依頼をしたりして、ESTが飛躍できるように動いています。
なので今後もより一層、ESTメンバーと寄り添いながら、メンバー同士楽しいことをどんどんやっていきたいなと思っています!」
まとめ
新しい事業や言語や文化の壁がありながらも、前向きにメンバーと向き合いながら試行錯誤されている坂内さんをお伝えできたのではないでしょうか。