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ブランディングってそもそも何?
「デザイン」と「映像」の会社がお客様に提供できる価値

ブランディングってそもそも何? 「デザイン」と「映像」の会社がお客様に提供できる価値

本記事はお客様のブランディングに「デザイン」「映像」の会社が携わる意義【前編】に続くシリーズ第2弾です。

お客様のブランディングに「デザイン」「映像」の会社が携わる意義【中編】

=シカタ
=エレファントストーン

ファシリテーター 西牟田
前編ではシカタ株式会社さんの成り立ち、そしてデザインを起点にブランディングに携わるようになられた経緯についてお話いただきました。今回はデザインと映像の双方からのブランディングの取り組みについて、もう一歩踏み込んだお話ができればと思っています。

「北本さんと永田さんのお二人の話を伺い、『デザイン』よりも『デザインの先にあるもの』に興味をお持ちであるところに共感しました。僕、映像ディレクターの仕事で何が一番好きかって、『映像』そのものではないんですよ」

北本、永田「そうなんですね!」

「映像を作ることはもちろん好きです。ただそれ以上に、映像を作る過程での出会いや体験、完成した映像がもたらす結果などを含めた『コミュニケーション』が好きなんです。

この仕事をしているからこそ出会えた企業やサービス、人、地域などがたくさんあります。そういう世界を知ることができて、映像でお役に立てる。僕にとってはこんなにおもしろい仕事はないなって思います」

北本「私も同じですね。デザイン自体というよりも、『デザインを通してお客様を笑顔にすること』に価値を感じます。アウトプットの方法が映像なのか、デザインなのかっていうだけですよね。ところでエレファントストーンさんは、お客様からどのように映像制作のオーダーがくるんですか」

西牟田「『採用のために』や『営業ツールとして』という目的があって、予算もある程度は決まっているお客様が多いですね」

北本「そうなんですね。例えばピンポイントで『こういったテーマと予算感で映像をつくってほしい』と依頼がきた場合に、お客様に対してどのようなご提案をされているのでしょうか」

ここ2~3年で顕著に増えてきた案件が、BtoB企業の『会社紹介映像』です。世界でトップレベルのシェアを誇る製品を製造しているようなメーカーさんでも、事業の理解獲得や採用活動の面では苦労されている。

そうした課題を受けて提案書を作成するのですが、まずはその企業の歴史や経営理念、フィロソフィーの理解からはじめます。そして僕らなりの言葉を用いて『あなたの会社は、こういう存在だと思います』と再定義をし、『だからこそ、こういう映像にすべきではないでしょうか』と提案をするよう心がけています。

特にBtoB企業のお客様は、僕らからすると魅力的でかっこいいお仕事をされているのに、働いている方々はその魅力に気付いていないことが多いですね」

鶴目「世界を舞台に事業を展開しているような企業の方々でも、ものすごく謙虚だったりするんです」

「だから、客観的な視点と言葉でお客様を再定義すると、新しい発見と驚きがあるようです。提案時にお客様の心を動かせると、信頼していただけますね。

僕らが映像を通してお客様に提供できる価値というのは、もともと持っている原石を見つけて、磨き上げることです。その磨き上げる行為がブランディングだと捉えています。完成した映像をお客様にご覧いただいて、『自分たちの会社ってこんなに魅力的だったんだ』と認識してもらえたら大成功ですね」

永田「僕たちは『企業(=やりたいこと)』、『商品/サービス(=できること)』、『お客様(=求められていること)』という3つの丸が交わるところに『ブランド』ができると考えています」

永田「BtoB企業のお客様は、求められているニーズに対応している中で、自分たちができることは十分に理解していても、いざ『自分達は何がしたい?』と考え始めると、何をやったら良いのか分からなくなってしまう企業は少なくないと思います。

嶺さんがおっしゃるように、そこに気付いてもらうことって非常に重要ですよね。『ものづくりを通して世の中に○○をしたい!』というように、明確な言葉にするとブランドができるんです。

そのブランドを、僕らは言葉やデザインを使って表現していきますが、エレファントストーンさんは言葉と映像を使って表現しているのだと思います」

「その通りですね。ただ基本的には『ブランディングをしたい』ではなく、あくまでも『こういう映像を作りたい』という依頼からスタートするので、本質的な課題を見つけ出すためにもどのようなコミュニケーションを取っていくかという点は模索中です」

ファシリテーター 西牟田
「映像をつくりたい」という依頼の入り口から、どのようにブランディングをご提供していくかは考えていかなければならないところですね。シカタさんはお客様のブランディングにどのようなかたちで関わり、ワークフローを進めていっていらっしゃるのですか?

永田「僕らの場合も同様で、『企業ロゴを作ってほしい』『マークを考えてほしい』という依頼がやはり多いですよ。

まずは『どうしてロゴの変更が必要なのですか?』という感じで質問が始まります。私たちはこの質問を【分解】と言っていますが、『今の商況はどんな状況ですか?』『なぜ今の事業を行っているのですか?』『お仕事の流れを教えてください。』という感じです。

聞かないとわからないこと、見ないとわからないこと、触らないとわからないことがいっぱいあるんですよね。それらを早い段階で知るためにも、お客様に興味を持ち、質問をし、深く理解することが重要だと思います」

「僕らから興味を持てば、お客様も心を開いてくれますよね」

永田「そうなんですよ。僕らが予期しない質問を繰り返していくので、お客様はうーん……と悩まれますけどね。そうやって質問と回答を何度も繰り返すことによって、お客様自身が答えを見つけ出していくんです。

『お客様が本来やりたいことは、こういうことなのではないだろうか?!』と答えが見えてきた段階でご提案すると、『おお!そうなんですよ!』とご期待をいただける。

そもそものオーダーはデザインだったのに、話を掘り下げて聞いてみることで違うものが見えてくるわけです。本来お客様は求めていなかったけれど、結果喜んでいただけることは多いですね」

北本「多種多様なお客様に対して、私たちが“他業種”として入っていくからこそ気付ける本質的なポイントが多いんです。

お客様の業種において常識と思われていることでも、『なぜですか?』と臆せず疑問を投げかけるようにしています。そうすることで、お客様が今まで気がつけていなかった視点から議論を進めていくこともできます」

永田「何かモノを買う時、心が動くから人が動くじゃないですか。そのスイッチがどこなのかなっていうのを探していくイメージですね」

「お客様によって、そのスイッチって違いますもんね」

永田「はい。よくカエルの法則という例え話をするんですけど、カエルって目の前にハエが止まっていても、それが食べ物だって分からないんですよ。でもそのハエがピクッて動いた瞬間に、体が反応してそれを食べるんですね。それがハエではなく仲間のオタマジャクシだったとしても、思わず食べてしまうんです。

この傾向は人間にもあって、目の前に事実があっても理解できない。だけど一つのキッカケで突然全てが見えることは往々にしてあると思います。だからこそ、お客様が本当に求めていることが何なのかを見つけ出すために、多角的な質問を投げかけていきます。

先日は、とある企業様と一緒に企業理念を作るための合宿を行いましたね。僕らが投げかける約50項目の質問に対して、みなさんに回答してもらいました。そうすると、『そんなこと考えてたんだ』とか、『あるある!』とか、どんどん言葉が飛び交っていくんです。

しばらくすると会議室に数百の言葉がワァーーー貼り出されて行くんです。その中でも大切な言葉が見えてくるんです。最終的に『企業理念はこっちのほうがいい』と、みんなが同じ方向を向いていきました。大いに盛り上がりましたね」

鶴目「会社ってそういう不思議なところがありますよね。一人ひとりは違う個性があるのに、集合体でいると共通の個性みたいなのものができていたりしますもんね」

北本「はい。やっぱり言語化は素晴らしいですね。みんなそれぞれの想いが重なって、『これだ!』という共通の言葉が出てきますから」

ファシリテーター 西牟田
シカタさんは、そういったプロセスを踏んでお客様のブランディングをしていらっしゃるんですね。体系的に学ばれたのでしょうか?

北本「親身になってお話を聞くことが最も重要であると考えていますので、さまざまな業種のお客様と仕事をさせていただく中でフレームワークを築き上げ、経験と実績を元にその都度アップデートしてきました。

現在は、お客様に合わせてフレームワークをカスタムしたものをご提供しており、大変ご好評をいただいています」

前編・中編に続くブランディングトークセッションは次が最終回!
後編:シカタとエレファントストーン ブランディングを軸に考える両社のこれからもあわせてご覧ください。

この記事を書いた人

秋山真衣
エレファントストーンのWebマーケター。山梨県南アルプス市出身。

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