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なぜ「売り上げ日本一」に惹かれる?データで勝負する食品CM事例まとめ

なぜ「売り上げ日本一」に惹かれる?データで勝負する食品CM事例まとめ

画像引用:https://reishoku.maruha-nichiro.co.jp/shinchukagai/

こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社・エレファントストーンです。

2026年を迎えたいまも、「日本一」や「ナンバーワン」といった言葉は、変わらず私たちの目に触れ続けています。とりわけ広告やCMの世界では、こうした表現が企業の信頼性や実績を端的に伝える手段として、長く使われてきました。

CMの世界においても、「日本一」「ナンバーワン」を前面に打ち出したクリエイティブは少なくありません。では、近年のCMでは「日本一」「ナンバーワン」はどのように表現されているのでしょうか。今回は、昨年2025年に放映・公開されたCMをもとに、その傾向を見ていきます。

「日本一」「ナンバーワン」なCM事例紹介

1. 日清食品|冷凍 日清中華 汁なし担々麺CM「売上日本一篇」

お笑い芸人・ザキヤマさんを起用し、「♪売り上げいちばん〜担々いちばん〜」という耳に残るBGMに乗せて、売り上げ日本一を高らかにアピールしているのが、日清「汁なし担々麺」のCMです。

奇抜でアイデアに富んだCMが多い日清ですが、カップラーメンやチキンラーメンの印象が強い分、「汁なし担々麺が日本一」という点に意外性を感じる人もいるかもしれません。このCMは、そうしたイメージとのギャップを埋める役割も担っていると言えるでしょう。

なお、同商品は国内の販売データ調査+市販用担々麺市場(2024年6月〜2025年5月)における売上金額で日本一を記録しています。うどん、そば、ラーメンといった大きな麺ジャンルの中で見ると、担々麺は比較的小さなカテゴリーです。それでも「担々麺が食べたい」という明確なニーズを持つ層に向けて、ナンバーワンという強いメッセージを的確に届けているCMと言えそうです。

本CMは2025年11月に公開され、YouTubeでは約3万回再生を記録しています。

2. マルハニチロ|「新中華街®」シリーズ「横浜あんかけラーメン」TV-CM “うまさ絶頂売上No.1”編

マルハニチロの「新中華街®」シリーズ「横浜あんかけラーメン」のTV-CM “うまさ絶頂 売上No.1”編も、ナンバーワン表現の使い方が印象的な事例です。

本CMでは、17年連続売上No.1という実績を持ちながらも、その事実は画面下部に「冷凍調理(種類:ラーメン、うどん、そば〈スープ付き・具付き〉)年間販売金額(累計)」というデータ注釈としてのみ表記されています。タイトルには「売上No.1」と掲げている一方で、CM本編ではあえてナンバーワンを強調せず、商品の“うまさ”や世界観にフォーカスした構成になっているのが特徴です。

ナンバーワンという強力な武器を“前に出さない”ことで、信頼感を担保しつつ、過度な主張を避ける。そんな成熟したNo.1表現とも言えるCMだと言えるでしょう。

「横浜」という名前のつながりから、俳優・横浜流星さんを起用し、2024年5月より新たなテレビCMシリーズをスタートさせた点も印象的です。長年親しまれてきた「新中華街®」シリーズですが、本CMでは「うまさ絶頂 売上No.1」をテーマに作品群を展開。売上No.1という実績をタイトルに掲げながらも、作中ではほとんどアピールせず、あくまで表現の主軸は別のところに置かれています。

その代わりに強く打ち出しているのが、横浜流星さんがひたすらおいしそうに食べる姿。ナンバーワンを声高に主張するのではなく、食品CMの王道とも言える「食べっぷり」で商品の魅力を伝える構成は、あえて語らないNo.1表現としても象徴的な事例と言えるでしょう。

3.日本コカ・コーラ|【カナダドライ】ジンジャーエール「No.1ジンジャーエール」篇

クリスマスや忘年会など、年末年始のパーティーシーズンに向けて公開されたのが、日本コカ・コーラ社のカナダドライ「ジンジャーエール」のCMです。ジンジャーエールと聞いて「カナダドライ」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、同商品は【国内の販売データ調査+ジンジャーエール市場(2024年6月〜2025年8月)累計販売金額】でNo.1を記録し、長年にわたり首位をキープしています。

CMでは、『甘すぎない華やかな美味しさで選ばれている、No.1のジンジャーエールで乾杯しよう!』というキャッチコピーとともに、華やかなパーティーを想起させる乾杯シーンを描写。

ナンバーワンをしっかり打ち出しつつも、データを前面に押し出すのではなく、「カナダドライ」というブランドロゴそのものを強く印象づける構成になっています。ジンジャーエール=カナダドライ、という認知の強さを活かし、No.1ならではの自信とプライドを感じさせるCMと言えるでしょう。

4. エスビー食品|まぜるだけのスパゲッティソース「No.1授賞式篇」

最後に紹介するのが、エスビー食品の「混ぜるだけのパスタソース」のCMです。

本CMは、売り上げデータを最大限に活かし、ナンバーワン実績を前面に押し出した構成が特徴です。たらこ部門、ペペロンチーノ部門でパスタソース売り上げNo.1を獲得したことを記念し、2種類のパスタソースが“授賞式”形式で、その理由を自ら語るというユニークな演出が採用されています。

自分たちの強みや魅力をストレートに言語化し、視聴者にダイレクトに伝える構成は、データ×ユーモアを掛け合わせたNo.1表現の好例と言えるでしょう。

まとめ

「1番」と聞くと、つい気になって、思わず食べたくなってしまう。そんな感覚は、多くの人が少なからず持っているのではないでしょうか。

ランキングや売り上げデータを根拠に、「ナンバーワン」や「トップシェア」を訴求するCMは、いまも毎年数多く制作されています。しかし、その表現方法を見ていくと、データを全面に押し出すものもあれば、あえて語らずに魅力を伝えるものもあり、実に多様なアプローチが存在していることがわかります。

「No.1」をどう見せるか。その選択こそが、ブランドの姿勢や成熟度を映し出しているのかもしれません。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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