HOW TO・TIPS
スマホでの映像や動画の作り方(撮影編)
昨今の映画ではスマホで撮影した動画素材も活用されている。映画『シン・ゴジラ』の冒頭のシーンはiPhoneで撮影した素材が使われたといい、ホラー映画『Unsane』などは全編iPhoneで撮影されている。
すごいのは、これが氷山の一角であることだ。今やプロの間でも大きなビデオカメラでなくスマホを使って映像を作ることは行われている。
しかし、どうすればスマホでプロユースに耐えうる映像を作ることができるのだろうか?
映像の「編集」と「撮影」は違う
まず、勘違いしてはいけないのは映像を制作するにあたってはいくつかの工程がある。まず、iPhoneやスマホで動画を作る、映像を作ると考えたときに、多くの人は一つの優秀なアプリで完結することを考えるだろう。
もちろん、それはできないことではないが、映像の“編集”と“撮影”は違う。
まず、映像の編集をするアプリ、撮影をするアプリを分けて考えることが必要だ。場合によっては画像素材に文字を入れるアプリなども使うことがあるだろう。
まず、今回は撮影するアプリをみて行こう。
FiLMiC Pro
撮影で多く使われているのが、上述の『Unsane』などでも使われた『FiLMiC Pro』だ。「写真/ビデオ」のApp Storeランキング第12位と有名で定番となっているアプリである。
基本的な特徴:
• 標準、手動、ハイブリッド撮影モード。あらゆるスキルレベル向けの撮影スタイル。
• Apple Watch対応(リモートスタート/ストップおよびライブ動画プレビュー用)
• ポートレート(縦向き)とランドスケープ(横向き)での撮影
• 変更可能なスピードズーム
• 24、25、30、48*、50*、 60*fpsのオーディオフレームレートの同期(*iPhone 6および6sシリーズのみ)
• 60、120、240fpsの高速スピードレート(ハードウェアに左右されます)
• 低速および高速モーションFXオプション
• 設定可能なタイムラプス録画
• 波形モニタを含むトライモードヒストグラム(A7プロセッサデバイス以降)
• 撮影後の動画設定調整(露出、コントラスト、彩度、色合い、色温度)
• さまざまなサイズ/解像度へのダウンサンプリング
• カスタマイズ可能な保存済みのパーソナルプリセット
• アスペクト比フレーミングガイドオーバーレイ
• 動きのある構図を撮影するための三分割法撮影ガイド
• 手ぶれ補正
• FiLMiC Remote対応。FiLMiC Remoteにより、FiLMiC Remoteを実行中の2台目のデバイスを使って、FiLMiC Proを実行中のiOSデバイスをコントロールできます。
携帯カメラの限界を打ち破れ! としたアプリでプロとして標準の機能が備わっており、これ以外にもアスペクト比の調整や柔軟なエンコーディングを兼ね備えている。
詳しくは今後、FiLMiC Pro単体で機能を取り上げたいと思うが、まず上記の動画を見てほしい。
画面右下にある歯車(ギアマーク)が設定メニューとなっているが、その項目数の豊富さよ! まさにかゆいところに手が届くアプリだ。
プロも納得の撮影アプリであるが、有料(1,800円)であるのでその点だけはご注意いただきたい。
ダウンロードはこちらから
FiLMiC Pro-マニュアルビデオカメラ (App Store内)
FiLMiC Pro: プロカメラマンも使用するビデオカメラアプリ (Google Play内)
自撮り用アプリからは『SODA』を推薦
もちろん、一般ユーザーが“盛れる”動画を“簡単に”撮りたいのであれば、自撮り用で有名なカメラアプリも選択になりうる。
かつて自撮り用カメラアプリは動画を撮影することができなかった。それゆえ本当に可愛い子は動画で勝負する、という差別化があったのだが、今や自撮り用アプリでも盛れる動画を撮影することができる。SNSでは現在盛れた動画がどこかしこにも溢れている。
そんな一般向けのカメラアプリからは『SODA』を押したい。『SNOW』や『LINE Camera』を開発したSNOW Corp.によって開発されたアプリである。
『SODA』のフィルターは非常に簡潔で、『SNOW』、『Foodie(料理を撮るためのカメラ)』といった同社のアプリで人気のあったものを厳選して採用している。スタンプやフレームといった機能をあえて除外したこともあり、軽いし、使えるフィルターが集まっているのだ。
つまり、誰でも簡単に優れた動画・写真を扱うことができる。カメラアプリは高機能になればなるほど起動に時間がかかるという問題があったが、これは比較的軽い。
自撮りに興味のないおじさん世代にもおすすめしたいのが疑似「一眼効果」をつけることができるなど決して自撮りだけに特化したアプリではない。試しに適当な写真を撮ってみてほしい。
「一眼効果」のボタンを押しピントを合わせると、何と背景がぼやけてくれるのだ!!
*私が仕事場の窓越しに撮影した街の風景もこの通り
特に最近スマホ界隈では『Tik Tok』や『C CHANNEL』などで縦に長い動画が流行っている。スマホの形が縦でその画面いっぱいに動画を映してあげようというものだ。そして、このアプリでは縦型の撮影に特化し9:16、1:1の動画しか撮影することはできない。横長の動画を撮影するにはカメラを物理的に倒すしかないのだ。まさに今どきのアプリである。
ただし、こうしたアプリの場合、リアルタイムにレンダリングをしているために充電の消費は非常に速い。注意したいポイントである。
カメラアプリというのは盛れることも大事であるが、何よりその一瞬を切り取らなければならない。SNS映えを気にする現代人が『盛り』を意識するばかりか、そうした点がおざなりになっていった。
本人や実物から加工された動画をあげることはおかしいと思うかもしれない。しかし、メディアの動画も「デジタルメイク」と呼ばれる修正は入っているので、これもまた立派な編集工程の一つである。むしろ、撮影をしながら編集の工程を一つ行っているような感覚だろうか。
ダウンロードはこちらから
SODA ソーダ Natural Beauty Camera (App Store内)
SODA ソーダ Natural Beauty Camera (Google Play内)
もちろんこれ以外にも動画を撮影するアプリはたくさんある。私自身も他にも試した経験はあるが、まずは入りやすそうなものと王道のものを紹介した。また、ほかのアプリを詳しくみて行く機会を頂戴したい。
スマホを使用した動画についてさらに詳しく知りたい方にはこちらの記事もおすすめ。
この記事の後編:この記事の後編:スマホでの映像や動画の作り方(編集編)