SPECIAL
映像作品「OVERLOAD」の制作を振り返る【bacter】
今回制作した映像作品「OVERLOAD」は、いままで自分がやりたかったこと、好きなことを存分に詰め込みOVERLOAD(超過負荷)した作品です。
車の撮影について
「OVERLOAD」の企画のコンセプトは、「照明とスモーク」。
照明とスモークを使ってかっこいい映像を制作するということでした。
肝心な被写体をどうするのか、一体何を撮ればいいんだろう。
いくつかアイディアを出してみても納得できない日々が続き、
映像公開日の一ヶ月前まで悩み続けていた。
ある日、遠方の撮影で車を運転していた時だった。
帰りの高速道路では渋滞が起こっていた。
自由を拘束された私は次第に苛立っていく。
「車って確かに便利だけど、渋滞にハマってしまえばただの鉄の塊。
急にハンドルを切ってしまえば人が何人も死んでしまう。
リスキーな移動手段だなぁ・・・」
なんて思いながら走らせていくと次第に眠くなっていく。
瞬間に人が死ぬイメージがフラッシュバックする。手に汗握る。
そしたら、天からアイディアが降りてきた。
車を撮りたい!
撮影について
今回撮影で使用したスタジオは、横浜の新吉田町にある「a-studio」。
黒ホリで車を入れられるスタジオは、他にここしかなかった。
今回撮影で使用した車は、スタジオ担当の方の私物をお借りしました。
前日での連絡でしたが、即座に対応していただきました。
本当に感謝しています。
ドローイング
車の扉から出現するアニメーションは、
私が日々描きためていたドローイングを元に制作しました。
地元の駅で見た白骨化したカラスの死体に衝撃を受け、
その死体を元にずっとドローイングしてきました。
作品自体に完成はなく、感情赴くままに良いと思うまでペンを止めず描き続ける。
作品数は2000枚を超え、気に入ったものはデータ化し、
いつか何かに使えないかと温めていました。
今回そのドローイングをエディターの沼田くんに相談し、
アニメーション化してもらいました。
煙のような動きで感染力があって死をイメージさせるようなモノに仕上げました。
最後に
今回の映像企画は、表現の実験だったと思う。
他で見たことない新しいものやオリジナルな要素を求めた。
そうしたことにこだわるが故に制作が遅くなってしまい
スタッフに迷惑をかけてしまうことが多々ありましたが、
次の作品を作るためには必要な作品だったと思う。
本編を観る:「OVERLOAD」