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第三のテレビCM「運用型テレビCM」とは?
インターネット広告の利点を一言で述べるとデータが可視化されることがあげられています。どんな年代の人がどこに住んでいて性別は…と詳しいデータを見ることができ、細かいターゲットに合わせて広告を出すことができるわけです。
それに対してテレビCMはそれまで視聴率という大きな指標があるもののそれに対しての反響は可視化されてきませんでした。しかし、現在複数のサービスがしのぎを削っているのが「運用型テレビCM」です。
従来のテレビCMと何が違うのか詳しく説明をしていきます。
運用型テレビCMとは?
運用型テレビCMとは「従来のテレビCM」と「運用型広告」を掛け合わせたハイブリッドなテレビCMのことです。「運用型広告」をテレビCMで実現するにはどうしたらいいのでしょう? そのためにはまずCM業界、広告業界の常識から探らなければなりません。
広告の種類
認知型
従来のテレビCMは「認知向け・認知型広告」と呼ばれてきました。自分たちの会社、商品をテレビを通じて消費者に認知してもらうことが目的です。
例えば、ZOORELで紹介しているauの三太郎シリーズは認知型CMの代表例です。特徴として「抽象的」「インパクトがある」ことがあげられます。一見、携帯電話のCMとわからないけれど「印象的」でauのイメージは記憶されます。
反面デメリットとして、広告効果がわかりずらい、透明性の低さが言われてきました。
運用型
それに対してインターネット業界の広告は「運用型広告」と呼ばれてきました。インターネットの世界では性別や地域、趣味嗜好などが細かな属性に区切られていて狙ったターゲットに向けて広告が打たれています。
運用型広告で大事なことは「具体性」「直接的」であることです。実際にそのターゲットとなる消費者が商品を購入してもらう、会員登録をするといったアクションを起こしてもらうための広告です。例えば、インターネット広告ではよく直前に閲覧したECサイトでの商品や関連商品が広告で表示されます。何度か目にしているうちに興味が増していきついつい購入してしまう、そんな経験はありませんか?これこそ運用型広告の最大の特徴にしてメリットです。
例えば私が不動産を調べていた時のケースです。情報が記録されYahoo!を見ていても不動産の広告が流れます。クリックして情報を見ることで直接的な賃貸や売買へつながります。
テレビCMに運用型が登場
運用型テレビCMが登場した背景にはCMの売り方が変わったことがあります。これまでテレビCMには番組のスポンサーになるタイム、延べ視聴率をもとに購入するスポット(GRP購入)がありました。これらは大きな単位の売買で1か月とか1クールで枠を買い取るかたちでした。当然大きなお金がかかりスポンサーは限られます。
2020年2月に登場したのが「SAS(Smart Ad Sales、スマート・アド・セールス)」と呼ばれるテレビCMです。発泡酒ではないのですが、第三のテレビCMと呼ばれることもあります。SASでは「15秒CMを1本単位」で購入でき放映日時、番組、本数、金額を決めることができます。
こちらはテレビ東京によるSASの説明CMです。もともと「ASS(アドバンス スポット セールス)」という名で存在していたのですが、日本テレビを皮切りにフジテレビ、テレビ東京、TBSの民放3局が参加したことで2020年より盛り上がったというわけです。
運用型テレビCMのメリット
・金額が安い(1本単位から購入可能)
・ターゲットの細かい設定が可能(時間、番組などを選べる)
・CMの放送タイミングを把握しやすい
・局をまたいでテレビCMを出すことも可能
運用型テレビCMにはツールが必要
ここで大事なのがインターネット広告と同じようにテレビCMの効果測定ツール、運用ツールが必要ということです。
タクシー広告で『ノバセル』や『テレシー』といった会社のCMを見たことはないでしょうか?これらの会社こそが運用型テレビCMの制作・放映・効果分析を行うツールにあたります。
テレシーのCMはチャンネル登録者38人とほとんど登録されていないにもかかわらずCMは約16万回再生を記録しています。登場する福岡みなみさんがかわいいということも話題になったようです。
従来のテレビCMと映像にどういった違いがあるの?
これまでテレビCMはアンケートや好感度調査といったアナログな手法によって評価されてきました。そのために認知型CMのように抽象的でインパクトのある映像が好まれてきました。
しかし、運用型ツールを使えばどんな属性の人が見てくれたのか、売り上げにつながったのかがわかるようになります。また、Webと連動したり、発売に合わせてその商品のCMを流したりすることでどう売り上げにつながったのかを調べることができます。
つまり、商品の具体的な中身を訴求するCMや、使い方について詳しく説明をするようなCMの可能性が開けたといえます。
こちらは実際に運用型テレビCMに力を入れている好例だといわれているスパイダープラスです。16秒間のCMはアプリの説明をいかにわかりやすくするか、が焦点になっています。この運用型テレビCMによってテレビもインターネットも同じ指標で目標が立てられるようになり、広告業界が統一されたと考えてもいいかもしれません。
つまりインターネット広告では当たり前だったKPI(指標)を立てやすくなりましたし、PDCAサイクルを回しやすくなりました。アナログだった広告業界のデジタル化、DXの手が入った瞬間ともいえるでしょう。