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公共のサービスでも映像が大活躍!有効活用方法がコレ

公共のサービスでも映像が大活躍!有効活用方法がコレ

街に出るとモニターを使った動画広告やニュースをたくさん目にします。

柱やタクシーの中、ドラッグストアのちょっとしたスペースにまでモニターが置かれ映像は有効活用されています。かつては紙のポスターやティッシュ内広告だったもの、パッケージに描かれたものがどんどん映像に置き換わっていますよね。

民間企業のこうした取り組みに対して、公共の場はどうでしょうか? あまり映像を有効活用している印象はないかもしれません。ところが、近年、公共のサービスこそ映像の有効活用が行われています。それも映像ギャラリーという啓もうビデオや、YouTubeでのPRを超えた最先端の取り組みです。今回は3例をご紹介いたします。

消防局×ライブ配信

宇都宮市消防局が今月1日発表したのは「Live(ライブ)119」です。4月から本格活用をするといわれています。

それまで119番といえば、現在の状況を電話で説明しなければなりませんでした。しかし、パニック状態や健康状態が思わしくない非常事態で正確に状況を伝えられるのかという課題がありました。これは、110番などのダイアルサービス全般的に言えることでもあります。

「ライブ119」では通報者にSMSを通じてリンクを送信。URLにとんで映像をリアルタイムに中継してもらうものです。動画があれば、現場に到着するまでに簡単な対処法を伝えたり、あらかじめ準備して現場で取り組みができます。

119番をしてから救急車が到着するまでに平均6分35秒(東京市内)かかるそうです。その6分が命を救うのではないかとみられています。

なぜ今までなかったのか不思議なぐらいですね。こちらは株式会社ドーンというところのシステムを利用しているそうです。

建設×リモートワーク

建設業界で国(国土交通省や厚生労働省)をあげて取り組んでいる仕事があります。それは「遠隔現場」と呼ばれるリモートワークです。なんとデスクワークではなく、建設作業をウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用し、リモートワーク化してしまおうというのです。

実際にネットワークカメラを販売しているキャノンによると、作業員がウェアラブルカメラを使うことで各個人の状況を把握、建設現場にネットワークカメラを設置することで全体を把握できるようです。

作業員を送り込まなくて済むとまではいきませんが、発注者はカメラを通じて材料がそろっているかの確認や受注者とのコミュニケーションが計れるといいます。

一般社団法人日本建設業連合会は「移動の削減」と「省力化」を遠隔現場のメリットとしてあげています。

一瞬、建設現場でそのようなことができるのか不安になった方もいると思います。しかし、宇宙に行くロケットや航空業界では地上の管制官と現場のやり取りがしばしばみられますよね。建設現場も徐々に管制官と遠隔でやり取りするシーンが多くなるのではないでしょうか?

公共建造物×プロジェクションマッピング

プロジェクションマッピングはすでに浸透が進んでいる技術です。お台場のヴィーナスフォートのような施設だけでなく、レストランで食に取り入れられたり活用事例が多く報告されています。

地方公共団体・地方自治体は建物をプロジェクションマッピングに活用して地域創生・活性化を目指そうという動きを見せています。特に地方では広い土地を活かして公共な施設が豪華であることが見られます。そこに地域の特産品やイベントをプロジェクションマッピングで映し出して興味を持ってもらおうという取り組みです。

岐阜県が2020年にPRにプロジェクションマッピングを使用した事例です。まちのWEB博と題されたイベントでは「岐阜市のまちに対するイメージと直結する動画やVR、プロジェクションマッピングを使って、岐阜市に思い入れを持って頂く。」と公式サイトに記載されています。

確かに長良川の鵜飼が美しい夕日を背景にした建物に映し出されるのは圧巻の一言。シンプルですが、PR効果としてはとても高いといえるでしょう。

モニターと違い四角い画面という制限がないこと、景色や自然も含めた優れた景観を活かしやすいことがプロジェクションマッピングの最大の特徴です。すでに地域活性化の手段として5、6年前から全国で採用されてきています。

東京でも2020年に天王洲地区が東京初のプロジェクションマッピング活用地区に指定されるなど都市部での活用も今後模索されています。

まとめ

DX、IoTといった言葉はよく聞きますが、その実どう使えばいいのか、どのような未来が待っているのかは想像しにくいものです。しかし、今回紹介した例は身近なものの組み合わせとも言え、普及が進んでいるものもあります。一方でDXやIoTの可能性はまだまだ“1丁目”を超えたにすぎません。映像にどんな可能性があるのか、これからもZOORELは見守り続けます。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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