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60秒以上の中長編のドラマ系CM5選〜ザ・プレミアム・モルツ「上京エール」ほか〜
SNSや動画プラットフォームをはじめ企業採用活動、Web広告、観光PRといったあらゆる場面で映像コンテンツが活用されている昨今。
昭和の時代から脈々と受け継がれてきたコマーシャルの世界でも、ショート動画やYouTuberによるコンテンツ動画などの影響を受け、新たなアプローチが数多く見られるようになっています。
そこで今回は、60秒以上の中・長編サイズのテレビ・WEB CMの中から、ドラマ性の高いプロモーションを制作する上でお手本にしたい最新動画を5つピックアップしてお届けします。
① アイリスオーヤマWEB CM「要正直/巨匠のネーミング 」シリーズ
1つ目にご紹介するのは、WEB限定ながら吉沢亮さんが出演されていることから大きな話題を読んでいるアイリスオーヤマの最新CM「要正直/巨匠のネーミング」シリーズです。
「airwill」というドラム式洗濯機のプロモーションを目的として制作された本作は、CMプランナーが名付けの極意を学びにネーミング界の巨匠の元を訪ねるというユニークな内容になっています。
思わずクスッとしてしまう人名のセンス、テンポの良い会話、間と沈黙の絶妙な使い方は、さながら良質なコントを見ているよう。
エンターテイメント性の高いCMでありながら、“アイデアの幅”と“実現のスピード”というアイリスオーヤマのブランドイメージを確立させる企業プロモーションとしての役割も果たしています。
② 音楽で恋愛ドラマを感動演出!SoftBank「HeartBuds」ショートムービー『また、つながる』
子供の頃の出会いから社会人になって間柄が変化した2人の心の移ろいを繊細に表現した作品が、SoftBankのハート形ワイヤレスイヤホン「HeartBuds」の発売記念として制作されたCM『また、つながる』です。
本作でぜひ参考にしたいのは、人の感情を捉える効果的な音楽の使用方法です。
初めて視聴した時、恋愛エピソードともリンクした歌詞の内容とその楽曲が挿入されるタイミングの完璧さに思わず鳥肌が立ちました。
4分38秒という恋愛ドラマを描くには決して長いとは言えない時間の中で、現在と過去をクロスさせながら、恋人たちが積み重ねた歳月の尊さを説得力たっぷりに描き切ったシナリオ構成も見事です。
物語にさりげなく登場する商品の使われ方も素晴らしいものがあります。
③ 見るたびに恋心が募る。ドラマ「上京エール」|ザ・プレミアム・モルツ 〈香る〉エール
1分あまりのショートエピソードを連作ドラマ形式で公開することで好評を得ているのが、ザ・プレミアム・モルツ香るエールのCM「上京エール」です。
タイトルに記されているように、“上京”がテーマの本作。田舎の駅のプラットフォームで旅立ちを告げる彼女を見送る彼氏の想いを描いた第一話からドラマの幕が開けます。クローズアップ撮影を上手に活用することで、必要のないセリフを削ぎ落とし、2人の感情や関係性をワンカットであますことなく伝えています。
2人のその後が描かれた第4話(最終回)は、感動的な再会のシーンからスタート。
ザ・プレミア・モルツも物語の自然な流れの中で使用されており、恋愛ドラマCMとして秀逸であるだけでなく、主張しすぎない商品プロモーションとしても非常に参考になる1本です。
なにより、2人の絆が回を追うごとに深まっていく様子を見届けているうちに、きっと長編ドラマを見たときの感動と同じような心の動きを感じ取ることができるはず。ぜひ掲載しきれなかった回も含め、全編を続けて視聴してみて下さいね。
④ 寸劇で企業サービスの認知度アップ!「SCOOP!JCB タッチ決済カフェ取材」
続いてご紹介するのは、二宮和也さんと川口春奈さんが軽快な推理劇を披露するJCBのこちらのCMです。
本作の注目ポイントは、新サービスのアピールを全面に押し出しながらも、しっかりとエンターテイメント性の高い寸劇に纏めていること。
ドラマ仕立てのCMでは、自社商品・サービスのプロモーションや企業・ブランドのイメージづくりと、ストーリー性の高いシナリオをどのように両立させるかが、制作上の大きな課題として挙げられます。
“タッチ決済“を視聴者の潜在意識に深く刷り込み、認知度アップに成功している本作は、そのバランスを最適な形で実現させたモデルケースの1つと言えるでしょう。
⑤ エモすぎて飛ばせないと話題。関西停電情報アプリWEB MOVIE「もう大丈夫」篇
「インストリーム広告なのに泣けすぎて飛ばせない」とYouTubeで大きな反響を呼んだ感動作を本記事の最後にお届けします。
関西電力送配電株式会社が制作した本作「もう大丈夫」篇は、関西停電情報アプリのWEB MOVIEとして公開されたものです。
アプリ導入のメリットをこれほどエモーショナルな形で描き切ったCMもなかなかないのではないでしょうか。
YouTube視聴の再生前に流れることの多い動画にも関わらず、そのクオリティの高さからスキップできずにフルで見る人が続出したというのも頷けます。
愛犬との深い絆を情感たっぷりに描いたその演出力の高さは見事の一言。ぜひ参考にしたいところです。
まとめ
以上、5つのドラマ仕立てのCMを紹介いたしました。
ストーリー性のあるCMは企業やブランドのイメージ作りに一役買うことができます。一方で、盛り上がりが後半にくるためWEBでも流される昨今では、スキップされずに最後まで見てもらう工夫が必要になっています。今回紹介したCMは、スピード感や導入部の没入感をあげることで視聴者の心をつかむことに成功しています。
引き続きドラマ仕立ての動画で面白いものがあれば紹介していきます。お楽しみに。
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