SPECIAL
新卒未経験でクリエイターの道へ。映像ディレクターになるまでを振り返る
【入社エントリー】
こんにちは。エレファントストーン ディレクターの小笠原です。
私は新卒未経験で入社しディレクターとして日々業務を行っているのですが、早いことにもう1年と半年が経ちました。
最近はお昼時に会社の前でスーツを着た不安そうな23卒の就活生に声をかけるなんてこともあります。(エレファントストーンの入り口ってちょっとわかりづらいですよね……。)
そんな時にふと、悩みに悩んでいた2年前の自分を思い出すこともあります。「未経験でクリエイティブな職に就く」ことに悩んでいた自分です。
自分と同じように悩んでいる学生さんは少なくないはずですので、今回はそんな方々の進路決定の一助となるような、自分の経験をお伝えできればと思います。
自分の就活のこと
私は都内の私立大学の文学部で4年間を過ごしました。特に芸術系の学校に通っていたわけでもありませんし、少し英語が得意だからという理由で英文学を専攻していました。いわゆるやりたいことの決まっていないごく普通の大学生というところでしょうか。
ただ写真には少し興味があったので、友人が一眼レフカメラを買ったのが羨ましくなり、自分もエントリーモデルのカメラを購入しました。それ以来、普段からカメラを持ち歩いて散策したり、友人を撮影したり、軽音サークルの広報活動で映像を撮ったりするようになりました。
そんな中で、サークルのライブ映像をみた友人から「ライブ2回分楽しめるわ!ありがとう!」といった言葉をもらい、クリエイティブを通じて他人から感謝されることを知りました。
ありきたりな流れではありますが、大学4年間を通してもそれ以前の人生を振り返っても、この体験に勝る「原体験」はありませんでした。私の場合、ここがクリエイターへの道の始まりです。
yansuKIMさんの記事との出会い
とはいえ、当時の自分にとって、クリエイターへの道の途中にある、知らず知らずのうちに作り上げていた「私立文系未経験」という壁の存在は大きかったです。「この4年間映像を勉強してきた人たちとの差はそう埋まらない」「面接官には馬鹿にされているんだろうな……。」というようなネガティブの波に飲み込まれそうになる日々が続きました。
一ヶ月ほど就職活動もせずにクリエイターへの道を諦めかけていた時、一つのnote記事に出会いました。yansuKIMさんの記事です。yansuKIMさんはどうやら自分と同じ立場の未経験から制作会社に入社し、写真のカメラマンになったようで、その軌跡をnoteに残していました。
その記事がこちらです。>>>僕はこうしてカメラマンになった。|yansuKIM|note
そこには未経験からクリエイターになるために、ネットで調べたり、専門学校に行っている友達に聞いたり、カメラマン事務所にいきなり質問しに行ったりするなどの努力の数々が書かれていました。
もちろん情報収集は必要ですし、この方と同じような行動ができればより良い結果につながる可能性は高まるでしょう。しかしここで私が伝えたいことは、「ひたすらに情報を集めて努力をしろ!」という話ではありません。「自分の決めたクリエイターという道を疑わないこと」です。
この方の軌跡の中にはネガティブな発言は一言もありませんでした。クリエイターとして働いている未来の自分を想像してワクワクしながら、ゴールから逆算して今やるべきことをやる。
その方がゴールへの道を仮説立てて進んでいく一方で、当時の私は自分を疑いまくりの停滞状態。面接に行っても周りの就活生はみんな芸大出身で各々のポートフォリオを自慢げに説明している中、私は撮って出しのライブ映像を引っ提げて面接に臨んでいたので無理もないですが……。
この記事を読んでからのクリエイターを目指すための軌道修正がエレファントストーンへの入社につながったと思っています。
クリエイター職に就くために必要なこと
「アートとクリエイティブの違いって何ですか?」
これは私がエレファントストーンの面接で聞かれた質問です(エレファントストーンへのエントリーを考えてる方、面接で聞かれるかもです……!)。
回答は色々あると思いますが、その時の面接官の回答は「アートは自己表現、クリエイティブは課題解決」でした。自分の回答はよく覚えていないのですが、エレファントストーン側の回答はよく覚えているので、当時の自分にとってそれが納得のいく答えだったのだと思います。
一般的にクリエイターという言葉は幅広い意味を持ちますが、仕事としてのクリエイターは「課題解決をすること」が大前提です。仕事なので当たり前ではあるのですが、逆にその能力に見込みがあれば相手が芸大生であろうと同じ土俵で戦えるはずです。
私はディレクター志望だったのですが、エレファントストーンに入社する上で、撮影や編集といった映像制作スキルを求められる比率はそこまで高くないといえます。一年半ディレクターとして働いてきて実感していますが、小手先のスキルよりも、これまでの人生で体験してきたものの幅広さやそこから生まれる発想力の方が遥かに重要です。
スキルに関しては他人の力を借りることができます。それこそ社内のエディターにお願いしたり、外部のクリエイターにお願いすることもできます。
しかし、一つの映像を作り上げる際のオリジナリティにはそのディレクターの「人としての奥深さ」みたいなものが反映されていきます。大学4年間で、あるいはそれまでの人生でいかにそこの「伸び代」を作ってきたかを面接で伝えることが重要になってくると思います。
実際、私もどんな想いで今この面接の場にいるのか、そこまでの経緯を熱を込めて話し、編集ソフトなどのスキルはそこまでないと正直に伝えていました。オリジナリティの話でいうと私の場合、「昔から音楽が好きで大学ではひたすら楽器に打ち込んでいたこと」を話したことが、ありがたいことに音楽関係の案件に携わるきっかけになっています。
今思えば、ライブがあるごとに自分の好きなメンバーを集めて演奏していた環境は、案件ごとに適切なメンバーを集めて映像を作り上げていく今の環境に似たものを感じます。
持っているスキルは、クリエイターとしてあくまで+αの要素です。弊社でいうエディターのような映像編集の専門スキルを使って仕事をする職種の場合であれば、スキルが評価される比率は上がるかもしれません。
しかし、もし私自身が専門性を高めた職種を志望しているのであれば、その時点で既に自分の手はスキル獲得に動き出していたはずでしょう。編集者としての道を進みたいという想いがあるのであれば、少なくとも「エディター志望ですがエディターに必要なスキルは何も持っておりません!」とはならないと思います。
「自分の決めたクリエイターという道を疑わないこと」が自分にとって機転となったのはそのあたりが関係していると思います。「周りと比べてここのスキルがまるでないんです…。」なんて気持ちで面接に望んでも、自己PRはできませんし、面接官もどう評価したらいいかよくわからないはずです。
「訪問販売がいちいち商品の欠点を紹介しに訪問しにくるわけがない」という話を就活中よく耳にしていましたし、その意味が今ではよくわかります。
じゃあクリエイターを目指すためにどうすればいいのか
じゃあ具体的にどういう努力をすればいいのか?という話になりますが、それはあなた次第です。
つまり「自己分析を徹底する」ですね。急に見放したような言い方をしますが、あなたの人生のことを私は知りませんし、面接官も同様にそうでしょう。
私の場合、クリエイターを本気で目指すために「なぜこの道を選んだのか」に関してはどんな質問が来てもすぐに説明できる状態にしていました。
具体的には、今までの人生で印象深かった出来事を大量に書き出して、それを抽象化することでその道を選ぶ過程を固めるといった具合です。A4用紙を60枚ほど使って大量に書き出したのが懐かしいです。
つまり、どんな角度から質問がきて深掘りされても、その先には何かの体験があって、それがその人の人生の幅広さのアピール、クリエイターとしての強みにつながっていくのだと思います。
まとめ
なんだか最後の方は偉そうな感じになってしまいましたが、自分もこういった先人の体験記みたいなものに救われた一面があるので、どなたかの人生の機転になれれば幸いです。もちろんエレファントストーンへの入社を考えている未経験のあなたも自信を持って面接に臨んでみてください。エレファントストーンには未経験だからこそ輝ける環境があります。
映像に関しては入社後に学ぼうと思えばいくらでも学べます。エレファントストーンに蓄積されてきた映像制作のノウハウは情報として閲覧できますし、人から教えてもらったり、社内でワークショップが開かれたりすることもあります。
映像制作未経験ということは、その分違う分野の経験を積んできたということではないでしょうか。私の同期には未経験ディレクターの方が多く、皆それぞれの「個」を生かして映像を生み出しています!1人でも多くの未経験クリエイター就活生が自分の道を見つけて突き進んでいけるように願っています。
映像制作のエレファントストーンが運営する本メディアZOORELは、映像やクリエイティブにまつわるトレンドやノウハウを発信しています。最新情報は以下のメールマガジンにて更新中。お気軽にご登録ください!