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2月16日まで開催。「渋谷インド映画祭」の魅力に迫る
旅行に関する規制も緩やかなものになり、観光を楽しむ外国人ツーリストの姿を街中で目にすることも増えてきました。
「仕事から離れて長期休暇を取ることが難しい」という方も多くいらっしゃると思いますが、世界各国の芸術・文化に触れて心の旅を楽しむことで、いつもの休日を特別な時間へ変えることが出来ます。
そこで今回は、2023年2月3日から渋谷で開催される「渋谷インド映画祭」についてご紹介したいと思います!
渋谷インド映画祭とは
「渋谷インド映画祭」は、2023年2月3日〜2月16日にヒューマントラストシネマ渋谷で開催されます。
アメリカのハリウッドに対抗して「ボリウッド」と呼ばれるインド映画を筆頭に、その長い歴史と言語的な多様性、急激な成長力と裾野の広さを特徴としています。
インド映画は、100年以上の歴史に加え、主要なものだけでも10を超える言語別映画界があり、1年あたりの長編劇映画製作本数も2010年代の10年間を通して1200本台から2400本台へと倍増する勢いで成長しています。
日本の劇場で一般上映されたインド映画の総数は70年間で130本ほどであり、わが国に伝わっているのは豊かな映画資源のほんの一部にすぎません。
配給会社スペースボックスがこれまでに劇場公開した6本の名作に加え、最新のタミル語作品6本を英語字幕付きで上映される「渋谷インド映画祭」は、見逃し作から最新作までインド映画の深みにハマる格好の機会です。
渋谷インド映画祭 参加方法
■開催期間
2023年2月3日(金)〜2月16日(木)
■料金
通常料金(各種割引・サービスデー適用可)
※特別興行につき、株主優待券、各種招待券・鑑賞券はご利用いただけません。
※全席指定、入替制
■チケット購入方法
【窓口】
上映日の2日前から、本編開始もしくは満席になるまでの販売。
【インターネット(WEB)】
上映日の2日前から本編開始の20分前まで販売。決済はクレジットカードのみ。
渋谷インド映画祭 見どころ/オススメ作品
ここからは、筆者視点で見た「渋谷インド映画祭」の見どころと、見どころに合わせたオススメ作品を紹介していきます。
見どころ① 英語字幕で観るタミル語最新作
「渋谷インド映画祭」では、2022年に製作された最新のタミル語作品6本を英語字幕付きで上映する画期的な試みが行われています。
非英語圏も含む世界の大都市で近年盛んに行われている、インド映画最新の英語字幕での鑑賞を楽しむことができます。(日本語字幕はありません)
以下におすすめ作品をご紹介します。
『Cobra(コブラ)』
世界を股にかける凄腕殺し屋の心の闇に迫ったサイコスリラー作品です。『まばたかない瞳 バンガロール殺人事件』のR・アジャイ・ニャーナムットゥ監督の最新作で、インターポールの捜査官と幼年期のトラウマを抱えた孤独な殺し屋の苛烈な駆け引きが見どころの注目作です。
インド映画でサイコロジカルなスリラー作品というのも珍しいですよね、予告編からもスケールの大きさと映像センスの良さがひしひしと伝わってきて、めちゃくちゃカッコ良いです!
『Kaathuvaakula Rendu Kaadhal(2つの愛が進行中)』
摩訶不思議な三角関係を紡ぐシュールなラブロマンス作品です。昼はタクシー運転手で夜はクラブの用心棒。一見冴えなそうな主人公が2人から求婚されるという設定は、なんだか日本のアニメや漫画を彷彿させます。豪華なキャスティングがインド本国で話題になり、『タイタニック』をパロディーにしたカットなど独特の映像センスも見どころになっています。
見どころ② サブスクで観れない過去の名作や話題の最新作
「渋谷インド映画祭」では、2020年以降に日本で劇場公開した作品の中から特に反響の大きな作品を6本ピックアップして「アンコール上映」を実施します。
日本語字幕で楽しめる〈アンコール上映作品〉のラインナップは、まだサブスクリプションサービスで配信されていないものばかり。
インド映画の知られざる名作や話題の最新作をまとめて視聴することが可能です。
『グレート・インディアン・キッチン』
ケララ州の公用語マラヤーラム語で作られた本作は、インド総人口の3%というごく少数のマラヤーラム話者をターゲットに公開されたものの、視聴した女性の間で大きな共感の輪が広がり、瞬く間にインド全土を揺さぶる問題作に。製作から1年あまりが経過した今もなお、インド社会に大きな衝撃を与え続けています。
ありふれた主婦の日常を通して、インド社会に根強く残る家父長制や女性蔑視の問題を鋭くえぐり出し、インド国内では大きな議論を巻き起こした近年最大の話題作。観れる機会が限られている作品なので、ぜひ、このチャンスをお見逃しなく!
『マスター/先生が来る!』
タミル語映画界の超人気俳優であるヴィジャイ(『ムトゥ 踊るマハラジャ』『ロボット』などに出演)とヴィジャイ・セードゥパティが共演。2021年のタミル語映画界の最大の話題作にして、全土でも大ヒットした作品です。
孤児たちの更生をかけて、地元を恐怖政治で支配するギャング集団に激アツ教師が命をかけて立ち向かむシンプルで過激なヒューマンストーリー。
予告編でも、キレキレのアクションに踊り・歌唱とインド映画界のスーパ^スター・ヴィジャイの圧巻の演技から目が離せません。カリスマ性抜群で超人的な身体能力を持つ伊達男なのに有名大学の教授という設定がもう面白すぎます。
音楽やキャラクター造形など、本作は過去の名作のオマージュに溢れており、鑑賞をきっかけに広くて深いインド映画の世界を深掘りしてみるのもオススメです!
まとめ
今回は、2023年の2月3日(金)から2月16日(木)にかけて開催される渋谷インド映画祭をご紹介しました。
過去の名作から話題の最新作に加え、インド本国で上映されたばかりのタミル語による新作映画を英語字幕付きで上映する実験的な試みも行っている本フェスティバルは、インド映画の深淵を覗くのにぴったりの映画祭です。
未知らぬ世界へ心を誘ってくれる映像作品やインスピレーションが刺激されるような映画祭・映像祭を見つけたら、今後も厳選してご紹介していくつもりです。どうぞお楽しみに!