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官僚系YouTubeチャンネルのパイオニア!農林水産省「BUZZMAFF」の進化

官僚系YouTubeチャンネルのパイオニア!農林水産省「BUZZMAFF」の進化

こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。地方自治体や中央省庁等、少しお堅いイメージのある機関でも広報として映像を活用した施策を積極的に行うようになった昨今。中でも農林水産省は、そうした流れをつくり出したパイオニアとも言える存在です。

▼2020年に本メディアZOORELでも紹介させていただいています。
世界初の「官僚系YouTuber」が誕生!?政府、省庁、自治体の最新YouTube事情

あれから数年経ちましたが「お役所」の仕事ながらYouTube映像のトレンドを取り入れ、今でもパイオニアとしての矜持を発揮しています。そこで今回は、霞ヶ関発の官僚系YouTubeチャンネル「BUZZMAFF ばずまふ(農林水産省)」の取り組みを改めてご紹介します!

「BUZZMAFF ばずまふ(農林水産省)」とは?

改めて「BUZZMAFF ばずまふ(農林水産省)」(以下、BUZZMAFF)は、2019年11月にスタートした農林水産省の公式YouTubeチャンネルです。農林水産省の略である「MAFF」とSNS等で受けるを意味する「BUZZ(バズ)」を組み合わせたシンプルな名前はインパクトがありますよね。

職員自らが出演してYouTuberになるなど、担当者ならではのスキルや個性を活かして農林水産物の良さや農林水産業、農山漁村の魅力を発信。2024年2月現在は、登録者数17.4万人を超える人気チャンネルとなっています。従来のイメージを覆し、その後の中央省庁のプロモーションの方向性を決定付けたとも言える映像活用プロジェクトです。

事例紹介

最新の事例を紹介していきます。

①地方の食の魅力を徹底紹介

BUZZMAFFは、全国各地に広がる食文化の素晴らしさを多くの人に知ってもらうためのプロジェクトです。チャンネルでは、地方グルメや農山漁村の魅力を様々な角度から掘り下げたコンテンツを多数手がけています。

北陸農政局(新潟・富山・石川・福井の4県を管轄)の有志の方が北陸の魅力を発信する「穂Click!」シリーズでは、北陸4県の食の魅力を地元在住の職員が和気藹々とPRしています。今年の8月に公開された上記映像では、「盆踊りと農林水産業の関係」に徹底フォーカス。海外からの評価も高い伝統文化や伝統工芸品を深掘りして伝える農林水産省の伝統工芸部が、北陸の伝統行事「越中おわら風の盆」の詳細を分かりやすく解説しています。

こちらは北海道の農林水産業や食の魅力を全世界に向けて発信する「なまらでっかい道」シリーズ。2023年夏に制作されたこちらは、丘のまちと称される北海道美瑛町の美食と絶景をテレビ取材風のスタイルで映像化。地方自治体が手がけるPR映像に共通した要素が多く見られ、地方の知られざる魅力に迫っています。

②職員の魅力にフォーカス

農林水産省の職員自らがコンテンツを企画し、出演しているBUZZMAFFでは人の魅力にフォーカスした映像を数多く制作しています。「国家公務員」というとどこかベールに覆われているイメージがあり、その実態に強く興味を惹かれる方も多いのではないでしょうか。

上記では、繁忙期における水産庁(林野庁とともに農林水産省の外局の一つ)のリアルな職場風景をユーモラスに映像化しています。この他にもチャンネルでは、農林水産省が一体どのようなことを行なっているのか、その職務や仕事の詳細がよく分かるコンテンツを定期的に公開しています。

こちらの動画では、局長や課長、課長補佐官など様々な役職に就く職員たちが出演。職員一人ひとりのキャラクターが前面に出た内容になっているため、視聴しているうちに自然と農林水産省に対して親近感が生まれます。

先日公開された最新映像では、日本初の国家公務員系YouTuberとしてチャンネルを牽引してきた白石さんが自身の異動を発表。BUZZMAFFでの活動を休止することを、動画を通して視聴者へ誠実に報告しています。コメント欄に絶えない感謝と激励の言葉、2週間余りで20万回を超える異例の再生回数からも白石さんの人望と人気の高さが伺えます。

③ショート動画でイメージを柔らかく

最近のBUZZMAFFでは、2020年から進化した映像視聴の傾向にも対応。隙間時間でのスマホ視聴やながら視聴に最適化したショート動画の公開も頻繁に行っています。

新人職員のおうちご飯や、仕事の理想と現実のギャップ、などバラエティに富んだコンテンツを楽しむことが出来るため、スタート当初からチャンネル内でも屈指の人気を獲得しています。一般的な傾向と同様に、BUZZMAFFのショート動画でも被写体との距離が近く、より職員への親近感が湧く内容になっています。

刺身を食べたときの水産庁職員と一般職員のリアクションの違いを紹介したこちらの動画は、365万回を超える再生回数をマーク。ショート系のコンテンツは、どれもクスッと笑えるエンタメ性の高い内容になっていおり、農林水産省に対する堅いイメージが180度変わること間違いなしです。週に2、3本程度で新作が公開されているので、ぜひ他の動画もチェックしてみてください。

④仕掛け満載!アテンションを高める企画もの

BUZZMAFFでは、視聴者があっと驚く企画を多数制作。意外性のあるコンテンツを定期的に公開することで、アテンションを継続して集めることに成功しています。

2023年7月にアップされた上記動画は、内容とタイトルのギャップの大きさで好評を博しています。防衛省幹部がインタビューで安全保障について解説する真面目なコンテンツに「防衛省の偉い人はやっぱり怖いのか」というタイトルを付けるセンスが秀逸で、ぜひ真似したいところです。

ゆるい編集と巧みな構成も素晴らしく、40分を超える長尺動画にも関わらず公開2ヶ月で10万回近い再生回数をマークしています。

こちらの映像では環境省とのコラボ企画を実施。協同で取り組んでいる使用済みプラスチック問題の解決に向けた取り組みにフォーカスしているのですが、その紹介方法がとても秀逸な1本です。アンタッチャブルな印象の強い大臣のイラスト化というまさかのアイデアで、お堅いイメージのある案件を柔らかく視聴者に伝えることに成功しています。

2023年10月に公開されたこちらの映像では、「入国検査、全力で走れば突破できる?」という限界ギリギリの攻めた企画を展開。海外からの家畜伝染病を水際で食い止める動物検疫について紹介した前回動画のオマケとして制作された一本ですが、想像の斜めをいくアイデアで大きな評判を呼んでいます。

こうした企画系映像は、BUZZMAFFの多彩なコンテンツの中でもとりわけ農林水産省の仕事を身近に感じさせてくれるものが多くなっています。

まとめ

省庁、お役所の固いイメージを払拭するだけでなく、私たちが知らない農林水産物の良さや農林水産業、農山漁村の魅力を分かりやすく届けてくれるBUZZMAFF。

企業や自治体のブランドイメージの刷新やアテンションの最大化を考える上で、とても参考になるプロモーションが多数公開されていて、今後の発展にも注目したいです。

 

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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