SPECIAL
いつかタイで映像づくりをしたい。海外拠点を実現するために小さなきっかけも逃さなかった【社長インタビュー】
こんにちは、エレファントストーンの大江です!
新年度がはじまり、春の暖かさを感じる日々ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。さて今回は、連載している社員インタビューシリーズの特別企画と題して、代表取締役CEO鶴目にインタビューしました。
当メディアを運営する映像制作会社のエレファントストーンは、2023年10月24日に海外拠点としてタイに「ElephantStone (Thailand) Co., Ltd. 」(以下、EST)を設立いたしました。鶴目の構想からスタートした海外拠点がどのような過程を経て実現したのかをご紹介します。
【代表取締役CEO / 鶴目 和孝 プロフィール】
父親の仕事の都合で少年期をタイのバンコクで過ごす。大学を卒業後、広告制作業に携わったのちに映像制作の世界へ。2007年から川崎フロンターレの割とガチめのサポーター。年子の男の子2人の父。
社員旅行をきっかけに感じたタイ拠点での映像制作の可能性
ーー2023年10月24日に海外拠点としてタイに「ElephantStone (Thailand) Co., Ltd. 」(以下、EST)*を設立しましたが、どういう目的で設立されたのでしょうか。
鶴目「映像制作の市場やお客様のニーズが変化する中で、『予算や規模感、制作フローに関わらず、どんな状況でもお客様に寄り添っていきたい』という想いから日本国内だけで制作することに固執せずに、海外での映像制作に目を向けました。
実際に、2021年からはタイの制作会社とパートナー契約を結び、映像制作を開始しました。このタイの制作会社との制作体制をより強固にしつつも、タイでスタッフを招き入れエレファントストーンならではの映像フローを確立し、体現するためタイに拠点をおきたいと思ったのが大きな目的です」
ーー2019年のタイへの社員旅行をきっかけに、タイ拠点に向けて動き出したと伺いました。どのようなきっかけだったのでしょうか。
鶴目「元々私が中学生の時、タイに住んでいてタイが好きだったというのもあり、恩返しではないけれど2019年より前からタイで仕事をしたいなと漠然と思っていたんです。
ただ、会社の規模や言語の壁、現地のクリエイターとの繋がりがない中で、まだ実現するには時期尚早だと考えていました。そんな中、2019年の社員旅行が一つの変わり目になりましたね。タイは、東京より多いのではと思うくらいに街中のいたるところにデジタルサイネージの看板があり、そのクオリティも高いことに驚きました。
『もしかしたらタイでも映像制作できるかもしれない』と、これまで抱いていた夢や願望の可能性が0ではないと感じました。その時、前職で海外のビジネス展開・進出の仕事もしていた宍戸と話が盛り上がり、本格的にタイでの映像づくりを考えはじめたのがスタートでした」
一度立ち止まったところから、タイ拠点設立までのいくつもの奇跡
ーー社員旅行から帰国後、まずはどのように動き出したのでしょうか。
鶴目「タイでの映像づくりをどのように実現できるのか探ることにしました。まずは海外で映像制作をしている知人に話を聞きに行くなど情報収集をしていきましたね。
想像したり、妄想したりすることは特にお金がかかることではないので、具体的な計画を立てるというよりは色々な可能性を探りつつ、どう進めていくか考えていこうと思いました。
実際に、そういった繋がりの中から知り合った制作会社を5〜6社紹介してもらい、英語が話せるメンバーと一緒にサンプルの映像の制作を依頼して、クオリティや言語、映像表現の違いを確認することもありましたね。
でも当時はまだ、タイでの映像制作を実現するには言語や表現の面でハードルを感じていました。そんな矢先に感染症拡大により、まずは目の前で起きてる問題にフォーカスしないといけない状態になったので、一旦ストップしました」
ーーちょうどそのタイミングだったのですね…!一旦止まってしまったところから、タイ拠点の設立に向けて再始動したのはいつ頃だったのでしょうか。
鶴目「2021年の5月に、会社が出していたディレクター職の求人に日本語を話せる日タイハーフの辰巳くんから応募がきたんですよね。
『こんな偶然があるのか!面白そうだから話を聞いてみたい』と思い、一度会うことにしました。話をする中で、彼のビジョンや熱意を感じ、募集していたディレクターのポジションではなく、新規プロジェクトの立ち上げメンバーとしてエレファントストーンで働いてもらうことになりました。
そこから辰巳くんがFacebookや知り合いを通じて、タイで映像制作をしている会社やクリエイターを自ら開拓したり、知人から紹介したりしてもらうことで、パートナー企業が増えていき、少しずつ委託という形でCGやアニメーションの依頼をするようになっていったんです」
ーーそんな奇跡が起こったんですね!日本とタイの架け橋となる辰巳さんが入社してから、タイのクリエイターに制作を依頼する需要は増えていったのでしょうか。
鶴目「その時期がまだ対面でも営業活動が制限されていることもあり、Web広告やSNS広告の需要が高まり、お客様から限られた予算や短い納期でのご相談が増えていきました。
『どんなお客様のニーズに対しても寄り添った映像制作がしたい。』そんな想いから、比較的安価かつクオリティも担保できるタイのパートナーとの連携するプロジェクトも増えていきました。しかしニーズが高まる一方で、タイのクリエイターと社内をつないでいた辰巳くんだけではキャパシティに限界があり、日本とタイの架け橋となれるメンバーを求めている状況でした。
それが2022年頃だったのですが、たまたまパートナー契約を結んでいる川崎フロンターレさんがタイでのマーケティング活動の幅を広げているという話を聞いていて、『ぜひ、エレファントストーンで映像つくらせてください』としきりにアプローチしたんですよ。そうしたら、タイに行って選手紹介の映像をつくる機会をいただきました。
せっかくタイに来たのだからと、現地ではパートナーの一人だった日本語を話せるタナポンさんとの面談もしました。結果的に私たちのビジョンに共感いただいて、ジョインしてもらえることになりましたね」
【実際に制作した映像】
【取り組み記事】
大型イベント「抱きしめタイ!」限定の選手紹介映像が面白すぎる! 制作秘話をたっぷりと! – スポーツナビ
ーーそういう経緯でタナポンさんがジョインしたんですね!そこから本格的にEST設立に向けてどのように進めていったのでしょうか。
鶴目「タイのパートナーとの連携を強化したタイミングで、本格的にEST設立に向けて動き出しました。そこから、エレファントストーンの中でタイへ依頼する案件の管轄、進行を担当する経営戦略室アジア事業課という部門が発足しました。メンバーは、辰巳くんとタナポンさんをはじめ、全体の統括やクオリティチェックを行う横山さん、坂内さんを加えた計4人体制です。
他にも現地のオフィスの内見に行ったり、ESTメンバーを募集してタイのクリエイター3人を採用したり、本格的にEST設立に向けて加速しました。そして、2023年10月24日に【ElephantStone (Thailand) Co., Ltd. 】を設立することができました」
構想したものをカタチにしていく。運を引き寄せる理由は、日々の小さなことから。
ーーここまでのお話の中で、奇遇なエピソードがいくつかある印象です!
鶴目「シンプルに運がいいですよね(笑)。周りの友達や家族からもよく言われますし、我ながら強運の持ち主だなと思います。
ただある時、自分を含め強運と言われる人の共通点を考えた時に、ただ口を開けてチャンスがくるのを待っているのではなく、意識的な人、無意識な人どちらもいて僕はあまり意識してなかった方なんですが、実はなにかしら行動していたからこそ運が巡ってきているのかもしれないと考えました」
ーー日頃から、ご自身でどんなことを意識されているのでしょうか。
鶴目「これも意識はしていなかったんですが、『“自分の好きを周りに知ってもらうこと”って大事だよな』と思っています。
積極的にアピールをするのが得意なタイプではないけど、自分の顔にタイが好き、タイで仕事がしたいと書いてあるわけでもないので、チャンスが来たなと思ったら思い切って出すようにはしています。そういう意味では、会社のメンバー紹介に100の質問を掲載しているのも、パソコンの裏側に好きなアーティストやブランドのシールを貼っているのもふざけているのではなく、実はそうした意図があってやっていることです。
もちろん知ってもらうだけではなく、相手を知る、色々な情報にアンテナを張ることも常日頃から意識していますね。他にも、一瞬怯んでしまいそうな状況でも、恥を恐れずに行動に踏み出す勇気や、チャンスがきた時に相手が何を求めているのか研ぎ澄ますことも大切だと思っています。
自分で言うのも恥ずかしいですが、タイへ社員旅行に行った際の街中にサイネージ広告が多いと気づく着眼点や、タイ拠点設立にあたっての情報収集のために、自らどんどん連絡をして話を聞きに行く行動力が、チャンスにもつながってきました。
辰巳くんから応募がきた時も、まだタイプロジェクトや採用を考えられていなかったタイミングだったけれども『あれ?これってもしかしたら』というシュミレーションを重ねて腹を括れたからこそ、動けた気がしています。そういった日々のちょっとした意識や行動の積み重ねが、運がいい理由になっているんだと思います」
ーーそういった日々の意識や行動力がEST設立へ一歩ずつ実現につながっていったんですね、勉強になります。
日本と連携したグローバルな映像制作の可能性を見据えて
ーー現在、日本に拠点をおくエレファントストーンとタイに拠点をおくESTはどのような関係性なのでしょうか。また、今後ESTをどのような会社にしていきたいと考えていますか。
鶴目「エレファントストーンもESTもあくまでエレファントストーンホールディングスの子会社で、並列の関係です。現段階でESTは、エレファントストーンが依頼をするCGやアニメーションの制作をメインに担っていますが、まずはそこで実績や信頼を積み重ねていくことが必要だと考えています。
そこから少しずつタイに拠点のある日系企業や、タイ国内あるいは外資系の企業からも依頼を受けて、グローバルな映像制作を目指していきたいですね。ありがたいことにすでにタイの日系企業からご相談を複数いただいている状況で、改めてタイというマーケットのポテンシャルを感じています。
『いずれは日本のエレファントストーンより大きくなる』というのが、ESTメンバーやアジア事業課のメンバーのモチベーションにもなっているので、今後は日本のエレファントストーンとある種ライバル関係として、切磋琢磨できる関係になっていけたらいいなと思っています」
まとめ
今回のインタビューでは、ESTの設立がどのようにして実現したのかを、鶴目さんの想いや普段の心がけを紐解きながらお伝えできたと思います。
・・・
現在、エレファントストーンでは一緒に働く仲間を募集しております!詳しい募集内容につきましては、こちらからご確認ください。少しでもご興味ある方は、お気軽にご連絡ください!
映像制作のエレファントストーンが運営する本メディアZOORELは、映像やクリエイティブにまつわるトレンドやノウハウを発信しています。最新情報は以下のメールマガジンにて更新中。お気軽にご登録ください!