SPECIAL
アニメと実写の融合がトレンドに!?二つの表現を掛け合わせた最新CMに注目
画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000004794.html
こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。先日公開された映画『ルックバック』が大きな反響を呼んでいます。テレビシリーズや劇場映画のイメージの強いアニメーションですが、そのユースケースは歳月とともに大きく拡大。
近年では、宣伝広告や企業ブランディングといった映像プロモーションの世界でも一般的な手法として活用されるようになっています。そこで本記事では、「アニメーションと実写の融合」をテーマに、アニメーションを取り入れたプロモーションの最新事例をご紹介します。
アニメと実写の融合。トレンドの背景は?
①ソフトウェアによる技術革新
ここ数年、アニメーションと実写を融合させたタイプの映像が増えています。なぜ、このようなトレンドが生まれているのか、その最大の理由には映像編集ソフトや映像合成ソフトの大きな進化が挙げられます。
かつては大手のスタジオ以外での実現が不可能だった高度な合成映像や3DCG制作も、現在ではパソコン1台あれば制作可能になってきています。
②エポックメイキングだった渋谷のPR作品
また、こうした取り組みのパイオニア的存在としてご紹介したいのが、映画『君の名は。』の演出で知られる四宮義俊監督です。
こちらの映像は2018年に渋谷スクランブル交差点で上映された60秒の体験型オリジナルショートアニメーション「トキノ交差」です。渋谷を訪れる人々、さらに外国人などの観光客に日本のアニメーション技術を感じてもらうべく制作された本作は、スクランブル交差点の四面ビジョンに展開。
アニメーションと実写がシームレスに接続され、渋谷の太古から現在までの1万年の歴史が色鮮やかにフラッシュバックしていきます。
また、同監督が大塚製薬のインドネシアでのPR映像として制作したこちら(2019年)は、インドネシアのテレビやWebサイトで展開し、1,600万再生を超える大人気コンテンツに。日本画家としての顔も持つ篠宮監督の世界観が見事に表現されており、観る者をリアルと幻想の狭間へと誘います。
水彩画風の芸術的な映像表現と実写によるバイオリン演奏が美しいハーモニーを奏でるエモーショナルな1本。また、下記でもご紹介しますが、ポカリスエットの宣伝広告ではこの他にも初音ミクとコラボするなど、アニメーションに更なるユニークさを加えて広告を展開しています。
実写×アニメーションの映像事例
1. ポカリスエット
ポカリスエットは、ピクセルアートと実写を掛け合わせた広告ビジュアルを制作しています。目指したのは、ポカリブランドを今の若者の日常に置き直すこと。「潜在能力は君の中。」をキーワードに、Z世代へ向けてストレートな想いを伝えています。
数々のK-POPアーティストの撮影を担当する世界的フォトグラファー、ソン・シヨンさんと、SNSで話題のピクセルアーティストのモトクロス斉藤さんを起用し、第一弾として春に公開されたのはグラフィックとWeb映像。
若者世代に大きな影響力を持つクリエイターの力を結集し、「君が本来持つ力を発揮して進んでいこう」というポジティブなメッセージを届けています。映像は、いつも隣にいる仲間からの言葉のように感じることができそうなフレッシュなものになっています。
第一弾作品にあわせて同時公開されたショート動画も。通常サイズの映像とは趣が異なり、ストーリー仕立てのプロモーションとして展開しています。セリフも付されており、回を重ねるごとに少しずつ高校生二人の仲が深まっていく様子をチェックすることが出来ます。
ピクセルスタイルのアニメーションで描かれた“何気ない学生の日常”と、実写で表現された“学生の生命力が発露する瞬間”。ポカリスエットが展開するコンテンツは、どれもグラフィックの異なる世界がシームレスに繋がる瞬間が鮮やかで意外性抜群。今後の展開にも目が離せません。
2. Amazon Prime Video
俳優の大泉洋さんが出演していることで話題の、動画配信サービスAmazon Prime VideoのTVCMシリーズ。4月から公開されている最新プロモーションでは、エヴァンゲリオンシリーズを手がけた貞本義行さんとの意外なコラボレーションが実現し大きな反響を呼んでいます。
本作の1番の見どころは、大泉洋さんと、定本さんがキャラクターデザインを担当した新キャラクターとの掛け合いです。
映像コンテンツ視聴という共通の趣味を持つ二人(大泉さんとキャラクター)が、それぞれ気に入ったコンテンツを紹介しあっていく様子を見ていると、実写とアニメの境界線が消失した近未来の風景を眺めているような気分に。
現実世界と架空の世界の融合という点では先に紹介したポカリスエットのCMとも共通しており、「キャラクターの実在感」が今後のプロモーションにおけるアニメーション活用のキーポイントになるかもしれません。
3. ミライト・ワン
通信インフラをはじめとした様々な社会インフラの構築・維持を通じて、地域の街づくり・里づくり、企業DX・GXに貢献する事業を行っているミライト・ワングループ。その最新CMでは、企業の掲げるビジョンやその独自性、社会的意義などを伝えていくことを主軸にしたプロモーションを行っています。
今年2月に公開された『Do!! の先に、ワクワクする未来はある。 編』では、アニメーションを活用することでインパクトのあるプロモーションを実施。「Do!!」のキーフレーズが、漫画の吹き出しのように実写映像に重なる演出がユニークですよね。
アニメーションと実写をクロスさせることで、生真面目な印象になりがちな企業プロモーションをエンタメ性あふれるコンテンツにシフトさせることに成功しています。
まとめ
このようにアニメーションと実写を組み合わせたコンテンツはどんどん増えてきています。アニメーションを用いることは思い描く世界観の表現のしやすさに繋がるため、このトレンドは今後も続いていくと思われます。
映像制作のエレファントストーンが運営する本メディアZOORELは、映像やクリエイティブにまつわるトレンドやノウハウを発信しています。最新情報は以下のメールマガジンにて更新中。お気軽にご登録ください!