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アメリカ育ちのクリエイターが解説!外国人が惹かれる日本映画の光景

アメリカ育ちのクリエイターが解説!外国人が惹かれる日本映画の光景

こんにちは。アメリカ育ちのクリエイター横山です。

小さい頃からアメリカにいたものの、小学校・中学校はシカゴの日本人学校に通っていたため、高校からミネソタの現地の学校へ通い少し苦労しました。
アメリカ人から日本についてどんなところなのかとか聞かれても、僕はアメリカ育ちなので何も答えられませんでした。

そんな僕も次第に日本に興味を持つようになり、日本に対して強い憧れを感じるようになりました。映画やアニメで見る日本の文化や慣習は非常に興味深く、きっと世の外国人たちも同じように思っていると思います。

ということで、今回は外国人が惹かれる日本の光景を紹介したいと思います。

今回は特別ゲストがいるので、その方にもコメントしていただきました!

タッツー(竜口)コメント
こんにちは、日本生まれ日本育ちのディレクター竜口です。
アメリカ育ちなんて、僕にとっては羨ましいかぎりなのですが、無いものねだりなのかもしれませんね。
今回は、日本人代表としてコメントしていきたいと思います。

土手

まずは土手。日本の映画やアニメって、土手でイベントがおきますよね。
友達と語り合ったり、喧嘩が始まったり。野球をしたり七草を集めたり生徒が集まったり。
さまざまなイベントが起きる、フラグスポットのようです。

あの日本を代表する映画『男はつらいよ(1968)』のOPは江戸川の土手から始まります。

ちなみに僕は男はつらいよが好きすぎて、実際に土手を見に行きました。デートで。

他にも、『3年B組金八先生』も有名のようですね。
僕はパロディでしか見たことないのですが、金八先生のOPといえば荒川の土手。

とにかく土手を見に行くのは憧れでした。
アニメの舞台としても登場するので多くの外国人が聖地として認識しているのではないでしょうか。

タッツーコメント
土手への憧れは実は自分もありました。
というのも、自分は九州の田舎の出身で、荒川の土手のようなザ・土手を子供の頃は見たことがなかったからです。もちろん地方にもある景色だとは思いますが、特に東京に多い風景のような気がします。
あと、映像的には抜けがいいんでしょうね。空と川と原っぱだけで、余計な物が映らないので、それこそオープニングとかで使いたくなるロケーションなのかなと思います。撮影もしやすいですしね。
自分がパッと思いつく土手シーンは、アニメ『時をかける少女』のラストシーンですかね。「未来で待ってる」っていうセリフのところ。あれがたしか夕景の土手で、土手史上一番良いシーンで使われている気がします。

上履き

以前タッツーの記事で廊下のロッカーについて記述がありましたが、海外の人からみて日本の学校に関して気になる点があります。上履きです。

『学校の階段(1995)』の古い校舎にも下駄箱があるので、古くから日本の生徒は校舎に入る時は上履きに履き替えていたのでしょう。

下駄箱にラブレターを入れたり上履きの中に画鋲が入っていたりする描写をよく見ます。
学校へ来て靴を履き替える。違う文化だからって納得しかけましたが、学校用の靴を用意するなんて贅沢だなと思ってました。しかもトイレにいけばトイレ用スリッパに履き替える。聞くところによると体育館に行けば体育用の靴に履き替える。日本人はすごく綺麗好きです。

アメリカには靴を磨くマットが玄関にあります。そこでずりずりと靴の裏についた土を落とします。靴の横についた土はそのままです。

タッツーコメント
学校の怪談、懐かしいですね。
『学校の階段3(1997)』のラストで主人公の男の子に前田亜希がほっぺにキスするシーンがあるんですけど、当時6歳だった僕が初めて異性を意識した瞬間でした。

上履きというのは、言われてみれば確かに独特なアイテムだと思います。
形状や見た目も、唯一無二というか、学生時代を過ぎてしまえばほとんど関わることのない物ですね。
新品の上履き=ダサい、という認識があった気がします。綺麗な上履きよりも、若干汚したり、いい感じの落書きをしたりと、みな同じものを履かなければならないので、それぞれ創意工夫を凝らしていました。

制服

アメリカに制服がないわけではないですが、基本私服です。制服があるのはプライベートスクールだったり宗教強めの学校だったりで結構珍しいです。

制服で不思議なのが、みんな毎日着てることです。
『ビー・バップ・ハイスクール(1985)』ってご存じですか?

漫画が原作で不良が主人公でおなじみのビー・バップ・ハイスクールです。不良の歩き方、髪のセットの仕方まで丁寧に教えてくれます。
そんな彼らですが、毎日外で喧嘩しても毎日同じ制服です。学ランというものにも興味あります。
真っ黒な生地に金のボタン。かっこいいです。
でもどうやって毎日制服をきているのでしょうか?毎日洗濯して乾燥は難しいと思うので、何着かスペアを持っているのでしょうね。

制服が可愛いから高校を決めるなんていうセリフも聞いたことがあります。日本の学校は楽しいですね。

タッツーコメント
学ランにはスペアはありません。
基本的には秋〜冬にかけて着るものなので、そのシーズンの役目を果たせばクリーニングに出してまた来年、というのが通常だと思います。
身長が伸びるのに合わせて、新調するタイミングもあります。
学ランってよく作られていて、そういうハードな着方を想定して丈夫に作られているんでしょうね。

基本的に制服の着方は、どの学校にも校則があります。
ヤンキーと呼ばれるような人たちは、そこに反抗して短ランやボンタン、刺繍などいろいろとおしゃれをしています。
そういったヤンキーほどではない真面目寄りの人たちは、第一ボタンを開ける、学ランの中にパーカーを着るなど、ささやかな抵抗にとどめていました。

学校の屋上

学校の屋上、行ってみたいですね。アメリカの学校は基本的に屋上はないです。たぶん安全性の問題でしょう。

日本の屋上は綺麗ですよね。映画では非常に綺麗なシーンが印象的です。空が青くて、雲が真っ白で。それに加えて白いシャツが眩しい。

たいていアニメや漫画では、屋上には一人か二人しかいないことが多い印象です。
『青い春(2002)』ではやんちゃな生徒たちが危険な遊びをしていますね。あんまり良い雰囲気の場所ではないのでしょうか?

学校の屋上、天気の良い日に行ってみたいですね。

タッツーコメント
日本で学生生活を送っていない方は結構勘違いしやすいかもしれませんが、日本でも大抵の学校は屋上への侵入が禁止になっています。鍵がかかってますね。
まぁ学校側からしてみれば、危険はあれどメリットは何もないですからね。
ごくたまに記念写真の撮影などのイベントで、屋上に上がることがありますが、その時はみなテンション高めになります。
ロケーションとして頻出なのは、土手と同じ理由で、撮影がしやすいからだと思います。

まとめ

いかがでしたか?
日本で育った人にとっては当然のことで外から見たら魅力的に見えたりするものです。

今回は学校ネタが多かったですね。やはり日本独特の学校文化には憧れがあります。タッツーの記事でも学校編があったように外国の学校には憧れるものなのかもしれません。多くの学校を舞台、もしくは主人公を生徒とした映画が多いのは、海外のジュブナイル映画に感じる魅力の一つのように感じます。

ちなみに、選挙で投票に行く時は近くの小学校の中に入れるので、かなりワクワクします。

この記事を書いた人

横山勇樹
エレファントストーンのエディター。通称「よこティー」

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