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映像制作会社の経理担当者が語る!
「インボイス制度」のあるある課題と対策
こんにちは。エレファントストーンで経理を担当している関口です!
前職では新卒から歯科医療機器メーカーの経理職として、経理全般と労務管理を担当し、2024年にエレファントストーンへ入社しました。
令和5年(2023年)10月1日に導入されたインボイス制度。今回はこの制度に焦点を当て、経理担当者が抱える「請求書の確認事項が多すぎる!」というお悩みや、発注部門からの「経理部門に請求書を差し返されたが、どこに不備があるのかわからない……!」など現場のお困りの声も交えながら、あるある課題とその対処法のヒントをお届けできればと思います。
請求書を発行する側も受領する側も、まだ苦戦中のインボイス制度
最初に言わせてください。「インボイス制度」と聞くだけで、頭が痛くなる思いをするのは私だけでしょうか?
制度の導入から1年以上が経過しましたが、正直なところ、私は経理担当者としてまだまだ対応に苦戦する毎日です。映像制作会社であるエレファントストーンでは、多くのフリーランスのパートナー様と協力しています。インボイス制度は経理担当者だけでなく、フリーランスのパートナー様にとっても頭を悩ませる制度ですよね。
フリーランスの方々の中で、経理に精通している請求書発行のプロだと胸を張れる方は恐らく多くないのではないでしょうか。インボイス制度では、適格請求書を発行する際に消費税額や適用税率、適格請求書登録番号など、多くの必須記載項目を明記する必要があります。これらに対応するために請求書のフォーマットや保存方法に関する知識が求められるため、得意分野でなければなおさらご苦労も多いかと思います。
また必須記載項目が多いと請求書を発行する側だけでなく、受領する側もご苦労が多いかと思います。経理担当者として正確な知識で必要項目を注意深くチェックしなければならず、請求書の記載ミスが発生すると、再発行や修正に時間を取られてしまい、悩みの種になっている方もいらっしゃるだろうと想像します。
かくいう私も、まさにその1人です!
経理担当者と現場担当者の間に生じやすい、コミュニケーションギャップ
請求書を実際に受領し、パートナー様に連絡・対応をするのが経理担当者ではなく現場担当者という企業は多いのではないでしょうか。しかし、現場担当者が経理に明るいわけではなく、問い合わせがきてもその内容が分からないことはしばしばあります。
(最初から完璧な理解や連絡対応はしにくいと思いますので、無理もありません)
例えば、取引先から受け取った請求書に不備があった場合、経理担当者はその不備の内容を現場担当者に伝えます。しかし、現場担当者がその不備の内容をしっかりと理解ができていないと、「どこに不備があるのかわからない」といった事態が発生しますよね。
(もう一度言いますが、本当に無理もないと理解しております)
ただ、このような事態が多く発生すると、経理担当者は何度も同じ説明を繰り返さなければならず……やり取りが重なり時には億劫になってしまい、「もうこのまま請求書を受け取ってしまいたい!」と思うことも。
もちろん思うだけで、責任を持ってしっかり対応していますのでご安心ください!
このような社内でのコミュニケーションのギャップを埋めるために、経理担当者は現場担当者に対して分かりやすく説明する努力が必要です。そして、現場担当者も経理の基本的な知識を身につけることを求められます。
エレファントストーンの社内でも、会社に合うかたちでどうこの制度を浸透させていくかを考え、定期的に全社会議の場で説明会の実施をしたり、マニュアルを整備したりしております。まだまだ改善できそうな部分はあるので、私自身もアプローチ方法を変えながら、より良い業務環境を築いていきたいと思っています。
請求書の記載ミスを防ぐためのエレファントストーンなりの取り組み
恐らく弊社と同じように、多くの企業がインボイス制度について説明会を実施したり、マニュアルを整備しているのではないでしょうか。
エレファントストーンでこうした取り組みを行う中で感じるのは、そんなに興味がないこと、複雑で専門的なことって、誰しもなかなか理解を深めるのが難しいということです。
インボイス制度に関する知識は、日々の業務に直結する重要なテーマですが、関心が薄いとどうしても後回しになってしまいがちです。請求書受領システムのOCR(※印刷された文字や手書きの文字をスキャンし、デジタルデータに変換する技術)は便利ですが、複雑なチェック全てをクリアできるものではありません。やはり、インボイス制度に精通する人による、人力でのチェックが必要です。
この課題に対処するために、エレファントストーンでは請求書の記載ミスを未然に防ぐための定型の請求書サンプルを作成しました。必要な情報が明確に記載されており、誰でも簡単に理解できるように工夫しています。
こちらがイメージです。
このサンプルをフリーランス含むパートナー様に共有することで、ミスを減らすことを目指しています。請求書に必要な「取引先名」「請求金額」「請求日」「支払期限」などの基本情報以外のインボイス制度のポイントを押さえたサンプルを活用することで、作成の負担は軽減されるかもしれません。
ぜひ、この記事を読んでいる皆さんも、エレファントストーンの請求書サンプルを参考にしてみてください。業務の効率化やミスの防止に役立つヒントが見つかるかもしれません。
今後も一緒に乗り越えていきましょう
ここまでご覧いただきましてありがとうございます!
経理担当者目線でのインボイス制度についてお伝えしました。私のようにインボイス制度に頭を悩ませている経理担当者の方や、対応に四苦八苦しているフリーランスの皆様に共感していただけると嬉しいです。ぜひ、これらの取り組みを参考にしてインボイス制度への理解を深め、業務をスムーズに進めていただければと思います。今後も共に成長し、より良い業務環境を築いていきましょう!