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自己啓発にまつわる最長1年の休暇を取得できる制度「リプライド休暇」を策定しました!
こんにちは!エレファントストーンです。
この度、エレファントストーンでは、自己啓発にまつわる長期休暇を取得できる制度「リプライド(Re:PRIDE)休暇」を策定しました。
エレファントストーンは、映像制作を通してお客様の誇りを創るプライディングカンパニーです。お客様の誇りを見つけて醸成することはもちろん、社員メンバーの誇りも醸成していかなければなりません。
「仕事以外の場で新しい知識や技術を身につけたい」「諦めた夢を叶えたい」
リプライド休暇を活用して自分の想いを叶えることで、エレファントストーンの仕事を通してもっと誇りを提供できるようになり、それが自分の誇りになる。そんな想いを込めた制度です。
この制度策定は、一人のメンバーの「映画をつくりたい」という想いからスタートしていきました。今回はその背景を、制度策定に携わったメンバーへのインタビューを通して紹介していきます。
プロジェクトメンバー

【目次】
- 映画をつくりたい。でもエレファントはやめたくない【竜口・鶴目インタビュー】
- エレファントストーンらしく、社内にポジティブな影響を与える制度をつくる【宍戸・渡邉インタビュー】
- 誇りの醸成を応援する「リプライド休暇」とは?
- 本人だけでなく、周囲にもポジティブな影響を与えたい【鶴目インタビュー】
- 制度を通じて、会社と個人の可能性を広げていく【全員インタビュー】
- 編集後記
映画をつくりたい。でも、エレファントストーンはやめたくない
まず、本制度づくりのきっかけとなった竜口さんと代表鶴目さんに、当時のことをお伺いしていきます!
──元々映画の専門学校に通われていた竜口さん。そこからエレファントストーンに入社した経緯を教えてください!
竜口:大学を卒業して映画美学校に入り、夢だった映画づくりに没頭していました。ありがたいことに評価もいただき、それなりの手応えは感じていたんです。ただ、当時美学校の講師陣って化け物級に凄い人たちで(笑)そういう人たちを目の当たりにして「自分が映画をつくる必要は無いな」と諦めの気持ちが強くなっていきました。
そこから、縁があって2017年にエレファントストーンに入社。初めてのクライアントワークでお客さんと向き合いながら制作して、徐々にスキルが身につくことの喜びや面白さ、お客さんや社内メンバーと働くことの楽しさを実感していましたね。
──そこから「また映画をつくりたい」と思うようになったのは、何かきっかけがあったのですか?
竜口:2023年頃にある映画を見たことをきっかけに、「映画をつくりたい」という衝動にかられるようになって。正直その時は「なぜ映画を撮りたいのか?」理由はわからなかったんですが。今思えば、仕事は充実しているけど「映画を諦めてしまったんだ」という想いがくすぶっていたのかもしれません。
それに、忙しい日々の中で効率的な動きやマルチタスクが必要になってくる。その必要性は理解して順応していたけど、心のどこかで「一度、効率とかけ離れた制作がしたい」と感じていたんだと思います。
──なるほど、そんな心境の変化があったんですね。そこから、どう行動に移していったのでしょうか?
竜口:最初は「よし、休日で映画つくろう」と思って動いてみたんですが、シンプルに無理でした。エレファントって休日に演劇やスケボーなど他の活動をバリバリやってるメンバーがいるじゃないですか。自分もそういう動きをとろうと思って頑張ってみたんですが、仕事とプライベートをうまく切り分けられなくて、僕にはできなかったんです。
両立できる人の凄さを感じた一方で、自分にはできないことがわかった時に「映画をつくるには仕事辞めるしかないのか?」「でも仕事は楽しいし、やめたいわけではない」「でもそれじゃあ映画が撮れない」そんな葛藤があって。
一人でぐるぐると考えているうちに、「1年だけ休むのってありなのか?」という考えに至ったんです。そこから、当時上長だった嶺さんに相談し、その後鶴目さんとも二人で話して、休職する方向で進んでいきました。
──当時リーダーという役職だった竜口さんが1年休むのは、ご自身にとっても大きな決断だったと思います。上司である嶺さんや鶴目さんに相談した時の反応はどうでしたか?
竜口:嶺さんも鶴目さんもおそらく「まじか」と思ったんじゃないかな(笑)
当時僕はリーダーという役職で部下もいて、プレイヤーとしても動いていたので、そういう立ち位置のメンバーが1年休むって、簡単なことではないと理解はしていました。マネージャーになった今考えると、そりゃそうだよなって思うんです。
でも、二人とも相談したら僕の考えとかやりたいことを理解してくれて。鶴目さんに相談した時は、“どう休むか”を話したこと覚えています。「たっつー(竜口)個人のものにせず、他のメンバーや会社にとってもポジティブなものにしてよ」っていう話をしました。
──鶴目さん視点で当時のことを振り返るといかがですか?
鶴目:最初にたっつー(竜口)から相談を受けたときに、「映画をつくりたい」と同じように「エレファントをやめたいわけではない」とも言ってたんですよね。これが「映画の道に進みたい」って意思だったら、違う形を考えていたのかなと思うんですが。シンプルに1年休んで戻ってきたら良いじゃんって話したのを覚えています。
──竜口さんが1年休むって、50名規模のエレファントにとっては決して小さいことではないと思います。その中で竜口さんの背中を押したのってすごいですよね。
鶴目:たっつーの想いを応援する気持ちが大前提にあって。ただ、当時も今もたっつーはうちのトッププレイヤー的な存在なので、そういうメンバーが不在になっても回していける組織にしないといけないという必要性は感じていました。
一人が休めば、仕事を引き継いだり関わりがあったメンバーと離れたり、少なからず他のメンバーにも影響が出てしまうので。そういった面で、たっつーなら大丈夫という信頼はもちろんありました。とはいえ“竜口だけが特別に取得できた休み”にもしたくなかった。
だから、みんなにとってポジティブなものにしてほしいってオーダーをしたんだと思います。
竜口:僕にはその発想がなかったので、話を聞いて確かにそうだと思いました。何かしらの形にすることで、今後同じような想いを持ったメンバーも休むという選択肢が取れるようになるならと思い、経営戦略室のメンバーと一緒に休職に向けたプロジェクトが本格的にスタートしてきました。

エレファントストーンらしく、社内にポジティブな影響を与える制度をつくる
ここからは、実際に制度の策定に向けてプロジェクトの推進を担当した経営戦略室のメンバーにインタビューしていきます!
・宍戸 芙沙恵/取締役CHRO
・渡邉 栞/コーポレートデザイン課
──竜口さんの休暇取得に向けてプロジェクトチームとして動き出しましたが、プロジェクト発足当初どんなことを考えていましたか?
宍戸:せっかく竜口さんが長期休暇に入るのであれば、竜口さんの想いや会社として応援する気持ちをうまく社内外の皆さんにも届けていきたいと思っていました。
もちろん、休むにあたって“休暇制度”は必要になりますが、ただ制度をつくることを目的としていたわけではなく、「今回のような取り組みをどう形にしていくのが良いのか、ゼロベースで考えよう!」という想いでプロジェクトがスタートしました。
渡邉:プロジェクトを進めるにあたり、まずは色々な企業の休暇にまつわる取り組みをリサーチしていきました。一言に休暇と言っても、リフレッシュや自己啓発など目的が会社によって様々で。一般的なものを応用するのではなくて、エレファントストーンの組織やカルチャーにあったものにしたいなと思っていました。
──自分たちの背景にあったものを考えるためにも、「1回メンバーの声を集めよう」と社内メンバーを集めたワークショップを実施しましたよね。ワークショップでは、どのようなメンバーと何を議論したんでしょうか?
渡邉:年次やグレード、新卒中途問わず、色々な背景を持ったメンバーに参加してもらいました。竜口さんファシリテーションのもと、「まとまった休みがほしいのってどんなときか?」「どのくらいの期間休みが欲しいか?」などの意見を出していきましたね。

ワークショップに参加したメンバーからの意見
──メンバーの意見を聞く中で、特に印象的だったことはありますか?
渡邉:想像以上にいろんな意見があがってきたのが印象的でした。ワーキングホリデーや自主制作、家族の介護や育児、リフレッシュなど、共通するものもあれば、そのメンバーならではの想いもあって、それがとても記憶に残っています!
宍戸:若手メンバーから挙がった「長期的な休暇をとった場合、収入がなくなるという懸念もある」という意見がとても印象的でした。確かにそうだよなって。
例えば、大学院に行きたいと思ったら、学費だけでなく休職中の生活費も工面する必要がありますよね。
経済状況はメンバーによって様々だと思いますが、自己実現にも金銭的な事情や制約が発生する可能性を考えると、休むだけではなく勤務日数/時間を減らすといった、働き方の調整ができることも必要不可欠だと強く感じました。
──確かに、“休む”ということを現実的に考えると、金銭的な問題は発生しますよね。ワークショップを実施後、プロジェクトメンバーで制度化に向けて議論を重ねていきましたね。その中で大事にしていたことやこだわったことはありますか?
渡邉:議論する中で強く感じたのが、“休むこと”を目的にするのではなく、その目的を達成することで本人にとっても会社にとってもポジティブな影響があるものではないと、制度としてうまく成り立たないということです。
そのメンバーが休暇という手段をとることによって、本人だけでなく他のメンバーやエレファントストーンにとってもポジティブになれることが、制度にするのであれば必要不可欠になるなって。
宍戸:ライフイベントやリフレッシュなど、ワークショプであがった様々な理由での休暇取得についても議論しましたが、目的が全く異なるため、一つの制度に含めるのは難しいと感じて。今後必要になる可能性はありますが、まずは自己実現に関する制度にまとめていきました。
渡邉:規定に落とし込む際は、文言にもかなりこだわりました。プロジェクトチームで固めた内容を、法律にのっとりながら、社内メンバーにわかりやすく誤解のないように文章として表現するのが想像以上に難しくて。何度も社労士さんとやりとりしながら、規定として形にしていきました。

誇りの醸成を応援する「リプライド休暇」とは?
エレファントストーンは「プライディングカンパニー」を名乗っています。
お客様の誇りを見つけて醸成することはもちろん、エレファントストーンの社員それぞれの誇りも醸成していかなければなりません。
その誇りは、エレファントストーンでの仕事を通して生まれていきます。
ただ、そのための準備が必要な人もいるかもしれません。
新しい技術を身につけたい、諦めた夢を叶えたい、もっと広い世界を体験したい、など。
この制度は、そういった想いを抱える社員を応援します。
リプライド=これからもエレファントストーンで誇りを持って働くことができるように。
リプライド休暇の詳細

本人だけでなく、周囲にもポジティブな影響を与えたい
ここからは、制度策定を経て改めて鶴目さんにお話を伺います!
──プロジェクトメンバーで制度を検討した上で、竜口さんから鶴目さんにご提案という流れでしたよね。実際に制度の内容について提案を受けた際に、経営観点でどのようなことを考えられたのでしょうか?
鶴目:元々たっつーにお願いした“他のメンバーや社内にとってもポジティブな影響を与えられるものかどうか”という観点で見ていました。休暇中も、社内外への広報やブランディングを通して接点を持つ可能性を入れていたり、他のメンバーへの影響まで考えられた制度になったと思います。
また、経営観点だと、お金が関わる面は考えることが多かったですね。
今回の制度では、休暇期間も会社負担の社会保険料が少なからず発生します。全体で見たら大きい金額ではないんですが、社内メンバーが得た利益をどう活用するのかという話ではあると思っていて。その平等性という観点で考えましたね。
──復職を前提とする制度ではありますが、休暇を取得することで新しい選択肢を取りやすくなることもあるのかなと個人的には思っていて。そこについて何か懸念を感じることはありますか?
鶴目:そうですね、もちろん何かを経験することによって、「やっぱりエレファントから離れてこういうことに挑戦したい」と思うことってあると思うんです。可能性の話ですけど。
エレファントストーンの鶴目としては、もちろん戻ってきて欲しいし、戻ってきてくれることを楽しみにしてはいます。でも、それって休暇を取得したからといって起きる可能性ではないなと。仕事をしていても、日々の業務の中で違うことに挑戦したくなったり、新しい環境に行きたくなったりするのが人間だと思うので。なので、そこに関しては一定もちろん懸念はありますが、それよりも本人の想いを優先したいなと判断しました。
──プライディングカンパニーとして、仕事を通して誇りをつくることと、仕事以外で誇りを育てたり準備したりすることの違いや、その両方を大切にする理由を教えてください。
鶴目:仕事と生活って相反するものではないと思っていて。以前アリババ創業者のジャック・マーがプライベートを水、仕事をお酒に例えていて、それがすごくしっくりきたんですよね。水が良くないと良いお酒ができないように、プライベートが良い状態だからこそ良い仕事ができるし、仕事が良い状態だとプライベートにも影響が出るし。そういう循環があると思います。
切り離されたものではなくて、誇りをつくるためにはプライベートと仕事、その両方が大事だなって。
──リプライド休暇は、条件はありますが、エレファントストーンで働く全員が取得できるものです。今後、この制度にどんなことを期待しますか?
鶴目:この制度を使うことによって、休みを取得した本人にとっても、周りに対してもポジティブな影響が起きてくれたらと思っています。休暇を経た本人がどういう姿で戻ってくるのかがとても楽しみですし、戻ってくることで社内にどんな影響が出てくるかもすごく楽しみです。
制度を通じて、会社と個人の可能性を広げていく
──最後に、制度をつくりながら感じたことや、今度どのようにこの制度が使われていって欲しいか、プロジェクトに関わった皆さんの想いを聞かせてください。
竜口:映画を撮りたいっていう自分の想いだけで最初動き出しましたが、ワークショップで他のメンバーの話を聞いて、理由ややりたいことは違えど何かをやってみたいって気持ちを持っている人ってこんなに多いんだなっていう気づきがありました。
一人目の取得者として、ある意味自分の活動が今後の土台になると思います。復職するまでに、竜口がどんな活動をしているのかは定期的に報告します。そういった活動報告から、僕の動きにポジティブな影響を受けてくれるメンバーが一人でもいたら嬉しいです。
渡邉:制度ってつくって終わりになってしまうことも結構多いと思うんです。形としてはあるけど、使われないみたいな…。50人規模の今のエレファントストーンで一人が長期間離れるって大企業に比べたら影響は大きいですし、対象者の条件もあります。それでも、会社員であることやエレファントストーンで働いていることで、夢を諦めたり退職したりといった選択をする前に、この制度を利用することが自然と視野に入る。そんな存在になってほしいです。
宍戸:「エレファントにいるから可能性が狭まった」「選択肢が少なくなった」とは思ってほしくなくて。エレファントストーンの良いところって、可能性に挑戦できるような環境があることだと感じています。だから、今回もこうして制度をつくることができました。
とは言っても、何かに挑戦するって当然エネルギーやパワーが必要だから、難易度は高いと思うんです。竜口さんみたいに自分から動ける人もいれば、もしかしたらこれまで無意識に諦めたり別の道を選んだりしてきた人もいるのかもしれない。
この制度があることで、メンバーの可能性を広げるきっかけや理由になってくれたら嬉しいです。
鶴目:今回、たっつーの想いがきっかけでこの制度ができたわけではあるけど、これって別にたっつーだから特別に許可したというわけではなくて。他のメンバーがきっかけでも、その想いを実現できるよう一緒に動いていたと思うんです。
社内メンバーにはずっと言っていますが、チームや会社の利益と自分の利益を一致させていってほしいというのが、宍戸さんが話してくれた柔軟さの根底にあります。今後もしかしたら違う理由で「1回休みたい」「地元に帰って働きたい」そんな人もいると思うんです。そうなった時に、「こんな働き方したいんですけどどうですか?」と提案できるような会社になっていきたい。
働き方に限らず、自分のやってみたいことや希望することを叶えるために、うまく会社の利益を利用してほしいんです。それを実現していくことで「うちの会社ってなんか良いな」とメンバーが感じたり、「この会社良いな」って社外の方に見ていただけたりと、個人の利益にも会社の利益にもなるような状態にしていきたいなと。この制度をつくるための動きを見て、「そうやって動いて良いんだな」と思うきっかけになっていたら嬉しいです。
編集後記
インタビューにご協力いただいたみなさま、ありがとうございました!
竜口さんの「映画をつくりたい」という想いから始まり、制度として形になったリプライド休暇。その背景には、“社員一人ひとりが、会社という船を漕ぐ”というエレファントストーンのスタンスに通じるものを感じました。
制度があるから挑戦するのではなく、「挑戦したい」という気持ちが制度をつくる。そしてそこから誇りが醸成されていく。そんな循環を、これからもエレファントストーンは大切にしていきます。
2025年10月から1年間、竜口さんはリプライド休暇に入ります。休暇中も映画制作の過程をお届けするので、お楽しみに!