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JALや富士通、LINEヤフー。大手企業で「サブチャンネル」活用が上手な3社の事例を紹介
こんにちは。ZOORELを運営する映像制作会社・エレファントストーンです。
近年、YouTubeで公式チャンネルを運営する企業は増えていますが、複数のチャンネルを持ち、サブチャンネルまで活用している企業となると、その数は一気に限られてきます。「サブチャンネル」と聞くと、企業というよりも、YouTuberやインフルエンサーのプライベートアカウントや雑談配信をイメージする方も多いのではないでしょうか。
実際、サブチャンネルを積極的に活用している企業はまだ多くありません。しかし、本チャンネルではどうしてもコンプライアンスやブランド方針を重視する必要がある一方で、サブチャンネルでは比較的自由度の高い、親しみやすいコンテンツを展開することが可能です。その結果、採用活動やブランディングにつなげるなど、高い宣伝効果を生み出している事例も見られます。
本記事では、サブチャンネルを通して活躍の場を広げている企業を、3つの事例とともに紹介します。
サブチャンネル 活躍事例紹介
1. JAL
公式YouTubeチャンネルの登録者数が約13万人であるのに対し、サブチャンネルは約34.4万人と、「公式」を上回る規模で好調に推移しているのがJALです。
公式チャンネルでは、CMやサービス説明動画を中心とした構成となっている一方、サブチャンネルでは、公式ではなかなか見られない、より「ゆるさ」を感じさせるコンテンツを展開。こうした親しみやすい発信が支持を集め、登録者数や再生回数の伸びにつながっています。
USJとのコラボレーションでは、「JALのCAはUSJのクルーとしても通用するのか?」といった、YouTuberの企画を思わせる切り口の動画も展開されています。
企業コラボでありながらもエンタメ性の高い企画内容が、サブチャンネルならではの魅力として視聴者の関心を集めています。
サブチャンネルでは、機内食工場への潜入といった、いわば社会科見学的なコンテンツも多く見られます。また、毎週金曜日更新と更新頻度・曜日をしっかりと固定している点も特徴的で、視聴者に更新日を意識づけることで、週末の楽しみとして定着している様子がうかがえます。
こうしたサブチャンネルの取り組みは、公式チャンネルにも少なからず影響を与えているように感じられます。実際、公式チャンネルでありながら、48分にも及ぶJALによる能登旅の動画など、従来よりもやや「ゆるさ」を感じさせるコンテンツが公開されるようになっています。
サブチャンネルでの反応を踏まえ、成果が見込める表現を公式チャンネルへ展開していく——そのための試金石として機能しているのかもしれません。
2. 富士通
IT大手企業である富士通は、InstagramやYouTubeに加え、YouTube上でサブチャンネルの運用も行っています。
なかでも、最初に力を入れたのはInstagramです。フォロワー数は8,000人を超え、一定の反響を得たことを受けて、同様の内容をYouTubeでもサブチャンネルとして展開し始めたと考えられます。YouTubeでは、公式チャンネルの登録者数が約1.4万人、サブチャンネルは約800人と、現時点では差がありますが、今後の伸びが期待される状況です。
また、富士通では公式チャンネルとサブチャンネルで明確に役割分担がなされています。公式チャンネルでは、CMよりもサービス説明や企業紹介を中心としたコンテンツが多く、30分以上に及ぶプレゼンテーション形式の長尺動画が数多く並んでいます。
一方、サブチャンネルでは社員に密着したコンテンツを中心に展開しており、主戦場をInstagramに置いていることもあって、縦型動画に特化した構成となっています。この方針は、YouTube上のサブチャンネルにおいても一貫しており、プラットフォームをまたいだ統一感のある運用が見られます。
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20億円規模の商談を担う営業に密着した動画や、飛び級で卒業した社員を紹介する企画など、サブチャンネルでは社内の優秀な人材や、思わず興味を引かれる人物にフォーカスしたコンテンツが展開されています。
ただし、そこはさすが富士通。単に“すごい人”を見せるだけではなく、「どんな人が、どんな環境で働いているのか」がリアルに伝わる構成になっており、視聴者に「すごい」「面白い」と感じさせながらも、自然と企業への理解が深まる内容になっています。
こうした人材を通じて、企業が本来伝えたい価値やメッセージをあくまで柔らかく発信し、“就活で選ばれる企業へ”という学生やユーザー目線に立った企業アピールを実現している点が印象的です。
3. LINEヤフー
2023年10月にヤフーとLINEが経営統合して誕生したLINEヤフーでは、統合からまだ2年に満たないタイミングながら、すでに公式YouTubeチャンネルとサブチャンネルの両方を運用しています。
LINEヤフーのYouTubeチャンネルは、公式が約5,000人、サブチャンネルが1万人以上と、JALと同様にサブチャンネルの登録者数が公式を上回る状況が続いています。
公式チャンネルでは、採用情報やオフィス紹介を中心としたコンテンツが展開されていますが、すべてが堅い内容というわけではありません。特に、「LINE」やSNSの利用に関する注意喚起など、同社ならではの社会的役割を感じさせるテーマが多く含まれている点は、他企業にはあまり見られない特徴といえるでしょう。
サブチャンネルの説明では「メインチャンネルでは語りきれないLINEヤフー社内の様子や裏側、そして生活がちょっと豊かになるかもしれないお役立ち情報をお届けします。」とコメントされています。
役立つ情報の発信にとどまらず、サブチャンネルではエンタメ性の高い企画も多く見られます。再生回数が伸びている動画としては、「卒業記念にオリジナルLINEスタンプを作ろう」といった企画や、LINE利用者である若年層を意識したタイピング選手権などが挙げられます。
こうしたコンテンツを通じて、社員一人ひとりの多様なスキルや個性を分かりやすく伝えながら、「すごい」と感じさせる体験を提供し、結果として企業としての魅力も自然に伝わる仕組みが構築されています。
まとめ
このように、公式チャンネル以上にサブチャンネルが盛り上がりを見せている企業が、実際に登場しています。今回紹介したのはいずれも大手企業ですが、大手企業であるがゆえに、公式チャンネルではコンプライアンスやブランド方針による制約が大きくなりがちです。一方で、優秀な人材や魅力的な仕事が数多く存在する中、それらをどのように伝えるかという課題も抱えています。
そうした背景を踏まえると、「自由度」や「エンタメ性」を持たせることで企業イメージを柔らかく伝えられるサブチャンネルの活用は、非常に有効な選択肢の一つといえるでしょう。今後は、企業のYouTube運用において、サブチャンネルを戦略的に活用する動きが、さらに広がっていくのではないでしょうか。