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泣ける、笑える。
さまざまな「卒業」をテーマにしたCM事例

泣ける、笑える。 さまざまな「卒業」をテーマにしたCM事例

こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社、株式会社エレファントストーンです。

3月は、ひとつの区切りとなる季節。年度が終わりを迎え、4月からの新生活に向けて、多くの人が“卒業”という大きな節目を迎えます。人生の転機となる卒業は、これまでも数多くのCMで描かれてきました。友人との別れ、新しい環境への期待と不安、そして少しの感傷——。誰もが経験してきたテーマだからこそ、強い共感を呼び起こします。

卒業を題材にしたCMは、単なる季節訴求にとどまらず、ブランドのメッセージを感情と結びつける装置としても機能しています。それでは、最新の卒業CMを見ていきましょう。

卒業をテーマにしたCM

1. じゃらん-【今日、好きになりました。】タイアップシリーズ

「宿・ホテル」予約サービスで知られるじゃらんでは、卒業旅行をテーマにしたムービーをYouTubeで公開。出演しているのは、恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』に参加していた、多田梨音さん、相塲星音さん、谷村優真さん、表すみれさんといった高校生世代のリアルインフルエンサーたち。同世代から支持を集めるキャストを起用することで、“等身大の卒業旅行”を描き出しています。

映像では、仲間と過ごすかけがえのない時間を思いきり楽しむ姿を中心に構成。笑い合い、はしゃぎ合いながら、「おばあちゃんになったら、またここに来よう」と未来を誓い合うシーンが印象的です。現在の一瞬のきらめきと、遠い未来を重ね合わせることで、卒業という節目の尊さをより際立たせています。

「想いで旅」編も同時期に公開され、卒業というテーマをより情緒的に描いた構成となっています。令和らしく複数のインフルエンサーを起用している点も特徴のひとつ。作り込まれた“演技”というより、その年代だからこそ自然ににじみ出る表情や空気感があり、等身大のリアルさが映像全体に漂います。

友人同士の距離感や何気ない笑い声、少し照れたような仕草。そうした細部の積み重ねが、「自分たちもこんな卒業旅行をしたかもしれない」と思わせる共感を生み出します。世代に近いキャストを起用することで物語への没入感を高める手法は、まさに今の時代ならではのキャスティング戦略と言えるでしょう。

2. 楽楽販売『卒業式』篇

昨年春に公開された「楽々販売」のCMは、70万回以上再生(2026年2月26日時点)を記録するなど、話題を集めました。テーマは「つらさからの卒業、おめでとう。」。本作では、日々の業務におけるアナログ作業や煩雑な管理といった“つらさ”からの卒業を描いています。

演出もユニークで、まるで本物の卒業式のような口調で語りかけながら、「楽々販売」を導入することで改善できるポイントを次々と挙げていく構成。厳かな雰囲気と業務改善というビジネステーマのギャップが印象に残る仕上がりとなっています。

学生の卒業だけでなく、「業務からの卒業」という切り口に転換することで、季節性とサービス訴求を巧みに結びつけた好例と言えるでしょう。

3. アリエール ジェルボール プロ『液体洗剤からの卒業篇』

「液体洗剤からの卒業」をテーマに展開されたCMでは、俳優の今田美桜さんを起用。白を基調にした美術セットと衣装で統一された映像は、清廉でクリーンな印象を強く打ち出しています。

演出は卒業式風。厳かな雰囲気の中で推されるのは、アリエール ジェルボールです。ジェルボールは、洗剤成分をフィルムで包んだ“ジェルボール型”の製品。従来の液体洗剤と異なり、べたつきにくく、計量の手間が不要といったメリットがあります。CMでは、液体洗剤のデメリットに触れながら、ジェルボールの利便性をわかりやすく提示。機能比較をエンターテインメントの文脈に落とし込んでいます。

さらに式の途中で“液体洗剤派”が乱入するというハプニングも発生。しかし対立するのではなく、「同じアリエール」というオチで和解する展開に。ブランド内での製品シフトを、対立構造ではなくユーモアで包み込む構成が印象的です。機能訴求を軸にしながらも、卒業式という季節性と遊び心ある演出を掛け合わせることで、重くなりがちな商品比較を軽やかに見せた好例と言えるでしょう。

まとめ

このように、「卒業」をテーマにしたCMは、新生活を目前に控えた1〜3月に数多く投下される傾向があります。誰もが一度は経験してきたイベントである「卒業式」。そして「卒業」という節目は、当事者だけでなく、その家族や友人にとっても特別な意味を持つ一大イベントです。

だからこそ、あの独特の空気感、期待と不安、感謝と別れが入り混じる瞬間を丁寧に描くことで、視聴者の記憶や体験と強く結びつきます。単なる商品訴求にとどまらず、感情を揺さぶるストーリーへと昇華させることで、多くの共感を生み出しているのです。

季節性と普遍的な体験を掛け合わせる「卒業CM」は、これからも人々の心を動かし続けていくことでしょう。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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