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ドローンなしで空撮映像が作れる『Google Earth Studio』とは何か
先日公開した記事で、サッカーチリ代表の空撮動画が「Google Earth Studio」を用いたものだと説明しました。(該当記事:サッカーのチリ代表が空撮を使った選手紹介動画を作成)
「Google Earth Studio」を活用すると、個人でもまるでドローンや衛星から撮影をしたような映像を作ることができます。今回はその詳細を紹介します。
「Google Earth Studio」は登録が必要
昨年の12月に発表された、ウェブベースのアニメーションツール。まだ発表から半年足らずしかたっていないプレビュー版であるためにサインアップが必要となります。
まずはGoogleに許諾を申請し、どのような会社で何を目的に使用するのかを記載する必要があります。
基準に沿っていれば、数日で招待メールが来ることが多いようですが、なかには1か月待ったという人もいるようです。また、WebGLが必要ですがこちらはあまり意識しなくても大丈夫でしょう。
何ができるの?
Google Earth上の衛星画像・3D画像を自由に編集することができ、世界中の風景・街並みを使った空撮映像を個人で簡単に作ることができます。
ただ、ちょっとした制限もあります。使用可能なブラウザは、Google Chromeのみ。また英語のメニューしか用意されていません。Chrome以外のブラウザではアラートが表示されてしまいます。レンダリングにGoogle Chromeを使っているためのようです。
無料で使用できるのはニュース配信、研究、教育、公益を目的とする場合に限られ、商業利用には申請が必要です。
また、単体では動画形式で保存ができません。実際にはAdobeのAfter Effectsなどで連携して使う必要があります。
初心者なんだけれど・・・
動画を編集、作成したことのない初心者でも直感的に作りやすいシステムになっています。
代表的な動画の演出方法がズーム、ポイントツーポイント、オービット、スパイラル、フライアンドオービットとテンプレート化されたクイックメニューがあるためです。あとはいくつかのスライダーを操作すれば映像ができてしまいます。
クイックメニュー以外も充実
もちろん演出は自分で考えたいという方は、1から映像を作ることもできます。カメラをドローンのように飛ばして地球を探索しながら映像を作っていきます。それらをアニメ化、レンダリングと進めることが映像を作ることができます。
アニメ化にあたり編集可能な属性には、緯度、経度、高度、パン、チルト、 カメラターゲット、視野、時刻、雲、オーシャンオーバーレイがあります。いずれも細かく指定できるので、初心者には難しいものの慣れている人には大変魅力的なオプションです。
どう便利なの?
After Effects上での作業工数を減らせる点がまず注目されます。トラックポイントを設定したり、Adobe After Effectsで使用するために3Dカメラデータをエクスポートしたりできるためです。
次に、ドローンなしで上空撮影された映像を作成できるのはかなり魅力的でしょう。実際に、事前の調査としてGoogle Earth Studioを使い動画を作っておくとか、シュミレーションできるためです。
何よりGoogle Earthは地球上のどこでも行くことができ、撮影が困難な地域やすぐに行くことができない海外の世界遺産などにも無料で行くことができてしまいます。一方で、自分の田舎であったり家の周りであったりとマクロとミクロの視点両方から映像作成のアプローチが可能というのは想像力を掻き立てます。
使いこなせれば映像クリエイターの可能性を大きく広げてくれることは間違いないでしょう。
YouTubeには、「Google Earth Studio」の基本的な使い方を解説している動画もあり、とても便利です。次は私たちが実際に作った映像をもとに編集の仕方を紹介したいですね。またお会いしましょう。
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