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フォントの種類と省略記号
【映像制作×フォント勉強会 第3回】

フォントの種類と省略記号 【映像制作×フォント勉強会 第3回】

第2回ではフォント選びのポイントとデザインについて取り上げました。今回は、フォントの種類と省略記号についてお伝えします。

フォントの種類

和文フォントと欧文フォント

大きく分けると、和文フォントは明朝とゴシック、欧文フォントはセリフ体とサンセリフ体に分けられます。

「セリフ」というのは、うろこや飾りがあるという意味です。「サンセリフ」の「サン」は「ない」という意味で、うろこや飾りがついていないものを指します。

例えば、下記のようなフォントがそれぞれ当てはまります。

和文フォント 欧文フォント
▼明朝
小塚明朝
リュウミン
あんちっく
▼セリフ
GEORGIA
TimesNewRoman
Apple Garamond
▼ゴシック
Axis
ヒラギノゴシック
メイリオ
▼サンセリフ
Arial
Helvetica
Myriad

OpenTypeとTrueTypeの違い

フォントにはOpenTypeと呼ばれるものとTrueType(TT)と呼ばれるものがありますが、これはフォントフォーマットの違いです。TrueTypeのフォントはアップル社とマイクロソフト社の共同で開発されたもので、歴史が長いフォントです。ただし、MacとWindowsで互換性がないといった不都合があります。

そんなTrueTypeフォントの弱点をカバーしたのがOpenTypeフォント。こちらはアドビシステム社とマイクロソフト社の共同で開発されました。

フォントの省略記号

  • A-OTF
    モリサワ(=日本で有名なフォントメーカー)が製造しているOpenTypeフォントです。最も使うことが多いフォントといえます。
  • BIZ
    MORISAWA BIZの略。こちらは最近入ったモリサワのフォントです。Macではほぼ見ることがありません。
  • DF・DFP
    DFやDFPと書いてあるフォントはダイナコムウェアが製造しています。これらは権利上、基本的に契約が必要なフォントなので、映像で利用する場合は特に注意が必要です。
  • FOT
    フォントワークスの略。タイプは少し柔かいものが多いのですが、非常に使いやすいフォントです。
  • HG・HGP
    HGとつくものはリコーが製造しているTrueTypeフォントです。
  • MS
    MSとつくものはマイクロソフトが製造しているOpenTypeフォントです。基本的にデザインにはあまり使用しないほうがいいでしょう。
  • W
    ウェイトの略。フォントによってウェイトの幅は異なり、一つしかないものや数段階あるもの、10段階近くあるものまでさまざまあります。
    ※太さの種類、表記は他にも多数あります。例えば、L(ライト)、R(レギュラー)、M(ミディアム)、B(ボールド)など。
  • UD
    ユニバーサルデザインの略。誰にとっても、見やすく、読みやすくなるように考慮してデザインされているフォントをユニバーサルデザインといいます。ユニバーサルデザインに対応しているかどうかについて厳密に定義されているわけではありませんが、モリサワUD書体は以下をコンセプトに開発されたといいます。

    ”文字のかたちがわかりやすい
    文章が読みやすい
    読みまちがえにくい”
    ——モリサワ UD書体

    さまざまな製品や広告が基本的には「誰でも」対象としており、ユニバーサルデザインが使用されているケースが多いです。ただし、有料だということを覚えておきましょう。

  • P
    プロポーショナルフォントの略。「MS ゴシック」と「MS Pゴシック」が存在するのを見たことがあるでしょうか。フォント名に”P”が入っているフォントは、プロポーショナルフォントと言われます。これはあくまでも和文に限ったお話ですが、もし文字ごとに同じ幅で作ってしまうと、カギカッコやローマ字のiなどは間が開いているように見えてしまいます。
    それが最適な幅に調整されているものをプロポーショナルフォント、といいます。欧文の場合はフォントごと全てこの幅が調整されているため、基本的に”P”と書いてあることはありません。

次回予告

第4回は8月14日(水)に公開予定です。フォントのライセンスとデジタルフォントの流れについてお伝えしたいと思います。

▼フォント勉強会
第1回いいフォントとは?フォントの基礎知識と管理の話
第2回フォント選びのポイントとデザイン
第4回フォントのライセンスとデジタルフォントの流れ

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ZOOREL編集部
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