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ビジネス、医療、演劇、音楽界を救う、動画・映像活用

ビジネス、医療、演劇、音楽界を救う、動画・映像活用

新型コロナウィルス終息の時期がなかなか見えず、不安と疲弊感の募る日々ではありますが、心まで弱ってしまってはいけません。

世界的な未曾有の危機の只中ではありますが、ひとつ見方を変えれば、現在わたし達は大きな歴史の転換点に立ち会っているのであり、新しい時代を作るための産みの苦しみに直面しているのだとも言えるはずです。

こんな今だからこそ、クライシスやカタストロフィーとしてではなく、ウイルス対策を足がかりに時代遅れのならわしを刷新し、さまざまな分野でイノベーションやブレイクスルーを起こすためのエポックメイキングとして、コロナ禍をポジティブに捉えてみたいと思います。

「災い転じて福をなす」ということわざが教えてくれるように、いまこそ変革のとき!なわけでして。

そこで今回は、少しでも前向きな気持ちになれるよう、ビジネスや医療、エンターテイメントの世界で新型コロナウイルス対策として行なわれている革新的な挑戦について、いくつかご紹介してみたいと思います。

 企業は「オンライン入社式・辞令交付式」を実施

感染防守の観点からオンラインで開催する企業が少なく、メディアでも何かと話題となった本年度の入社式。

電子契約サービス「NINJA SIGN」(ネーミングセンス好きです)を運営する株式会社サイトヴィジットでは、「Zoom」をツールとして使用し、参加した社員の顔が見えるビデオ会議のようなかたちで辞令交付、役員挨拶、新入社員代表挨拶、代表取締役挨拶といった入社式のプログラムをオンライン上で完結させています。

「オンラインでの入社式は前代未聞だけど、皆さんは新しい歴史の語り部でもあるのだ」という代表取締役の言葉が素晴らしいですね。

私事ですが、卒業式に風邪で参加できなかった経験があるので、式典をオンラインで行うサービスが当時もあればよかったのにと少し羨ましいです。

さすがにオンラインのみの開催は今年だけになると思いますが、現場開催とあわせてオンラインでも配信する形式が将来的にはスタンダードになっていくのではないでしょうか。なかには、VR入社式を行う企業も出てきたりとか。

辞令交付に関しても、省略化や合理化が求められている企業も少なくないので、「NINJA SIGN」のような電子契約サービスの需要は今後さらに増加していくことでしょう。

医療では「音声・映像を使用したオンライン診断が拡充」

感染者の増加にともない病床数や医師・看護師の不足が懸念される医療界では、オンライン診療に取り組むクリニック・病院の動きが加速化しています。

厚労省は、3月19日付の事務連絡で臨時特例的にオンライン診療の拡大を各医療機関に通知しており、すでに電話での音声やパソコンのビデオ映像などを使用した診療がスタートしています。

病院内でのクラスター発生や、感染の恐れから生じる受診控えに対する措置ですが、重要なのは、オンライン診療の対象となる疾患は新型コロナウイルスに留まらないという点です。

厚労者が策定したオンライン診療計画への記載がなくても、慢性疾患患者の場合はオンライン診療における医師の判断で「予測される症状変化に対応する医薬品」の処方が可能になっています。要は、病院・クリニックに直接行かなくても、持病のある人はかかりつけのお医者さんから電話やオンライン診断で薬を処方してもらえるわけです。

私の祖母も通っていた病院で利用していました。これって忙しい人にもめちゃくちゃ便利なシステムなので、既往のある人はぜひご検討ください!

演劇は「ドラマ化した舞台をYouTubeでライブ配信」

相次ぐ公演中止で大きな打撃を受けている演劇界ですが、「転ぶときも前のめり」なポジティブな姿勢で革新的な取り組みを行なう団体もあらわれています。

俳優スクールである「映画美学校アクターズ・コース」では、開演に向けてさまざまな準備を行うも新型コロナでやむなく中止になってしまった卒業公演を、連続ドラマにアレンジしてYouTubeで公開しています。

▼『シティキラーの輪』第1環

「予告もなく、終わりはくる。変わる。始まる。」というテーマを持つ本作『シティキラーの輪』は、もしかしたら、人知れず東京が消滅していたかもしれないという事実に基づいて書かれています。というのも、都市を滅ぼす破壊力をもった隕石「シティキラー」が、去年の夏に地球にニアミスしていたんです。でも、そのことに数日前まで誰も気づかなかった。あのNASAですらも。

そんないつ地球が終わるともわからないカタストロフィーの可能性を背景に、ゲストハウスに募る旅人たちのささやかな営みが綴られていて、とても面白いドラマなんですが、無料で見れちゃいます。スクールという主催者の属性からでしょうか。一話20分程なので、スキマ時間にでもぜひ視聴してみてください。

人気の公演はすぐに売り切れてしまうことも多い一方で、お金にまつわる苦労話も絶えない演劇界。

『シティキラーの輪』はあくまでも無料配信ですが、劇場公演と並行して有料のオンライン配信を行うようなかたちが定着していけば、マネタイズ化やさらならファン層の拡大にも繋がるのではないでしょうか。一ファンとして、今後のさらなら発展を願ってやみません。

音楽は「無観客ライブで投げ銭」を実施

多くのライブイベントのキャンセル・中止・延期を余儀なくされ、危機的な状況にある音楽業界。

日本最大級の音楽ラジオ放送局J-WAVEでは、「大好きな音楽を、アーティストを、ライブハウスを」という熱い思いから立ち上げられたプロジェクト“#音楽を止めるな”が4月1日からスタートしています。

イベントが宙に浮いてしまったライブハウスや、オープンが延期されているエンターテイメントレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」を活用した無観客ライブをラジオ放送で生中継するなど、さまざまなアクションが予定されている同プロジェクト。

4月2日には、YouTubeに生配信されたLimited Sazabysの無観客ライブに「Super Chat」での“投げ銭”を取り入れたイベントを行なっています。

“無観客投げ銭ライブ配信”というかたちは、今後アーティスト活動のスタンダードとして定着していくのではないでしょうか。

バンド側も開催しやすいですし、頻繁に行われるようになればライブハウス、イベントスペース、スタジオの空き時間の解消にもつながりますよね。なかなか現場に行けない遠方のファンにとっても渡りに船です。

若いアイドルを中心にギフトによって生活する“ライバー”が出現している「17LIVE」や「SHOWROOM」にバンドマンが参戦する流れも、これから加速するような気がします。

ゴリゴリのパンクロッカーやメタルバンドがライブ配信アプリでライブを生中継……なんて日が来たら、個人的には激アツです!

まとめ

今回は、コロナ禍でもポジティブにという気持ちを込めて、ビジネス・医療・演劇・音楽の世界で行われた新しい挑戦について取り上げてみました。

先行きの見えない日々が続いていますが、マンガが好きな私には、こんなときだからこそ少年漫画のヒーローたちの活躍が思い出されてなりません。

窮地に追い込まれた主人公が、閃きやアイデア、団結心で難局を乗り越えていくその姿には、今を生き抜くヒントが詰まっているように思えるのです。

今回ご紹介した取り組みの多くは、想定していたものではなく、苦肉の策として行われたものでしょう。それでも、強い意志を持って皆で力を合わせれば、古い障壁を打ち壊し、新しいシステムやカルチャーを生み出すチャンスとして、このコロナ危機を乗り越えることもできるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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