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時代は「バーチャル〇〇」?苦境に立つ業界の取り組み3選
新しい生活様式へのシフトを迫られている昨今。いま私たちに求められるのは、向かい風を追い風に変えるポジティブ思考と創意工夫なのだと感じています。
前回は飲食業界を中心に企業の新しい取り組みについてご紹介しましたが、今回は苦境に立たされる不動産業界と旅行業界、そして博物館においてなされている意欲的なチャレンジについてお届けしたいと思います。
企業という大きな単位だけでなく、各人がこれまでの当たり前を変えていく必要性があるなか、少しでも参考になれば光栄です。
バーチャル(VR)で物件内見。不動産業界
現場立ち合いによる物件の内見が困難になっている不動産業界。物を売るチャンスの場が失われてしまった格好です。
最新のテクノロジーでこの逆風を切り抜けようと、VRを使用した部屋の内見が広まっています。
もともとは、遠方からの来店が難しい人向けに開発されたこのVR内見。わざわざ現地に行かなくても、携帯・パソコン等のタブレット端末でおうちから任意の部屋を好みの視点で360°内見することができます。
遠隔地にいる担当者とリアルタイムでの情報共有も可能。自粛要請をきっかけに内見のキャンセルが相次ぐなか、全国の不動産会社で重要が急速に高まり、成約件数の増加にもつながっているようです。
☑️物理的な距離の制約がない
☑️見忘れたチェックポイントがあっても、何度でも見直し可能
☑️足を使わずより多くの物件を下見できる
といったVR内見の特徴は、近隣のユーザーにも大きなメリット。今後もスタンダードなサービスとして定着していくことは間違いないでしょう。
これまでリモートワークとの親和性は高くないのではないかと言われていた不動産業界ですが、奇貨置くべし。業務の効率化や生産性の向上にも繋がるVR導入は、業界全体にとってもポジティブな変革と言えるでしょう。
バーチャルツアーが大好評 旅行業界
旅行業界においては、延期・キャンセルを余儀なくされた旅行客を中心にバーチャル・ツーリズムが人気を博しています。
観光客の減少をうけフェロー諸島(デンマーク自治領)の観光局では、4月15日からオンラインでのバーチャルツアーをスタート。
ツアーガイドがカメラを装着して島内を歩いた映像をリアルタイムでユーザーと共通。視聴者は、画面上のコントロールによって見たいアングルや、ガイドに向かって欲しい方向を操作することもできます。
「お伽話のような景観」と評される美しいフェロー諸島の世界を無料で堪能できる当ツアーは、4月末の段階ですでに5万人近い参加者が集まっているとのこと。
憧れの場所の絶景をおうちで楽しめるバーチャルツアーは、模擬旅行にとどまらず観光誘致のPRにも最適なツール。今後のさらなる展開に大きな期待が寄せられ、現地ツアーのオンライン予約サイト「GetYourGuide」「WichLocals」や同名の旅行誌で知られる大手企業「ロンリープラネットでもGoogleの「ストリートビュー」を使用したバーチャルツアーを開始しています。
バーチャルで旅行先を下見してから現地に行けば、その感動もひとしお。より計画的に予定を立てることも出来ちゃいますよね。個人的には、ずっと行けずじまいの屋久島の景色を体験して見たいなと思っています。
VRにぴったり? 博物館
動物園や水族館、博物館などは自分たちのコンテンツを公開して動画にする動きが加速しています。
実は東京都が主催する東京動画では、以前から動物園のパンダ(シャンシャン)の動画を流すなど動画活用が進んでいました。
そんな中、VRにまで舵を切ったのが国立科学博物館です。
「おうちで体験!かはくVR」と名を打ち自宅にいながら国立科学博物館の中をGoogle マップのように歩くことができます。
貴重な展示物を3Dで楽しめ、VRゴーグルがなくても3Dビュー映像ならば見ることができてしまいます。
実はこれまでもハワイの実業家、故ワトソン T.ヨシモト氏のコレクションをVRで公開するなどバーチャルリアリティの利用には非常に積極的でした。
まとめ
今回は、不動産業界と旅行業界、博物館で行われている新しい取り組みについてご紹介させていただきました。
どちらも最先端のバーチャル映像を生かしたサービスという点では共通しており、さまざまな業界でオンラインでの映像活用が大きなトレンドになることが予想されます。一説にはVR/AR市場は2023年には約1.7兆円市場になるといわれています。
今後も、VR/ARやVtuberを活用した新しいサービス・業務改善については、近々より具体的に取り上げるつもりなのでお楽しみに!