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『ドルチェ&ガッバーナ』でブレイク……じゃあ映像内のロゴやブランド名は大丈夫なの?

『ドルチェ&ガッバーナ』でブレイク……じゃあ映像内のロゴやブランド名は大丈夫なの?

シンガーソングライター 瑛人の楽曲「香水」が大ヒットしている。歌詞に登場する「ドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ」というフレーズのおかげで同ブランドの香水の売上が好調だという。

一方で、「特定の商品を宣伝していることになる」ためNHKが開催する紅白歌合戦に出れないのではないかという噂もある。

映像では映り込みは「禁止」が原則だった。

そう、本来、映像、音楽などでは特定ブランドのアイテムは使用してはいけないとされてきた。それゆえ映像でいえば背景の映り込みに気を付けていた。それは、多くのロゴや商品は商標登録などがされており、許可が必要だからだ。いちいち背景の一部に映っているものの許可を申請していては作品の完成は間に合わない。

そこで、撮影ではペットボトルなどであればビニールのカバーを外す、架空の商品を作るなどで対応してきた。

Video Logo Remover

現在では、無料のソフトウェアで勝手にロゴを判別し削除してくれる。例えば、『Video Logo Remover』は動画内のロゴや字幕を除去してくれるソフトだ。

海外ではロゴというよりもウォーターマーク(Watermark)と表記されることが多く、Watermark Removerと調べるとたくさんのアプリ、ソフトウェアを見つけることができる。

Apowersoftのものは「オンライン上で画像をあげるだけで」ロゴを消してくれる。

例えば、コカ・コーラの画像をアップロードして、左から2番目のものを消してみると


そこだけぼかし処理がされる。ちょっと粗いが背景ならば気にならないだろう。

え?実は気にしなくてもよいの?

このように映像内ではロゴの映り込みについて気を割いてきた人も多いのだが、I2練馬斉藤法律事務所によると、「映り込みは適法」という。その理由は以下であるという。

この点、著作権法第30条の2は,写真や映像の撮影,録画等に伴う映り込みついて,著作権を制限しています。

すなわち、撮影等の方法によって著作物を創作するに当たって、撮影の対象とする事物又は音から切り離せない著作物は、軽佻な構成部分となる場合に限って、著作権の制限を受ける(つまり、映り込みは適法とされる)事になります。

実際に文化庁でも平成24年に映り込みは適法にしたよーという「規定の整備」をWebにあげています。というのも、ロゴだけでなく「建物」「ポスター」など気にするときりがないからですね。

一方で適法にならないケースもあげています。

本来の撮影対象として,ポスターや絵画を撮影した写真を,ブログに掲載する場合
○テレビドラマのセットとして,重要なシーンで視聴者に積極的に見せる意図をもって絵画を設置し,これをビデオ収録した映像を,放送やインターネット送信する場合
○漫画のキャラクターの顧客吸引力を利用する態様で,写真の本来の撮影対象に付随して漫画のキャラクターが写り込んでいる写真をステッカー等として販売する場合

気を付けなければならないことに変わりはないだろう。

メディアの影響で売れたもの

ドルチェ&ガッバーナだけでなく、こうした何かしらのメディアによって商品が売れることは今にはじまったことではない。2014年にNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」では竹鶴政孝がモデルになったことで、ニッカウヰスキーの「竹鶴」の生産が追い付かなくなるほど売れた。

また、1日に結婚を発表した石原さとみはドラマ『恋愛ショコラティエ』で、着用した洋服が即完売になるという伝説を作り上げた。後のドラマでは着用衣装をあからさまに特集しており、PR効果を狙うようになった。最近では、田中みな実、多部未華子らがその系譜を受け継いでいる。

こうした「綺麗な話」ばかりが宣伝ではない。2019年にはミルクボーイがM-1グランプリでコーンフレークネタで優勝。(コーンフレークを手掛ける)ケロッグ公式は祝福のメッセージをSNSで送り、1年分のコーンフレークが贈呈されたという。お笑いとしてはコーンフレークを馬鹿にするような内容だったという意見もあるが、売れに売れたという。

こうした「意図しない」映像の効果はうれしい悲鳴と言ってよいだろう。PRでなくとも映像には影響を与える、宣伝効果があることがわかる。音楽、映像、人々の五感に影響を与えるものはやはり強いのだ。

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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