SPECIAL

危機を変化に!?八王子市のシティプロモーションの進化が止まらない

危機を変化に!?八王子市のシティプロモーションの進化が止まらない

「動画を活用したプロモーションが効果的なのは分かるけど、どのような内容にすれば良いのか分からない」

といったお悩みをお抱えの企業や地方自治体の方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、マイクロツーリズム(近隣への小さな旅行)を意識して、ターゲットを地元市民から周辺地域からの訪問客へとシフトさせている八王子市の観光PRの事例をご紹介します。

同市では、コロナパンデミックをきっかけに減少傾向にある来訪者回復に向けて積極PRを展開中。「内から外へ」というシティプロモーションのアプローチの変化が見られる好例ですので、ぜひチェックしてみて下さい!

ちょっとお得なタウンナビゲーション!?コロナ以前のPRをチェック!

以前の八王子市のプロモーションは、インターネット上の活用という点では行われていたのですが、対外的な観光PRというより八王子市で暮らす人々に向けたタウンナビゲーションに重きを置いていた印象です。

実際にチェックしてみましょう。

八王子のさまざまな名物・魅力を8秒で紹介する動画シリーズ。今のところ全6回でご当地グルメ、伝統野菜、地域密着のスポーツチームなどがピックアップされています。この回は、「ナポリタンvs八王子ラーメン」と銘打ち、ご当地グルメを積極アピールしています。

個人的に、刻み玉ねぎが特徴の八王子ラーメンは大好きなのですが、八王子ナポリタンの存在は初めて知りました。ぜひ、食べてみたいですね。

もう一つ、八王子市の動画を活用したシティプロモーションの代表例として外すことができないのが、この「ぼくらの八王子」というミュージックビデオです。

松任谷由美、THE YELLOW MONKEY、マキシマムザホルモン、FUNKY MONKEY BABY‘Sなど数多くの有名ミュージシャンを育んだことでも知られる同市だけに、ご当地ソングもマストです。

100周年バージョンや2020年ヴァージョンなど、複数のヴァージョンも定期的に公開されています。

市民参加型の動画で、八王子ゆかりの有名人も多数出演。小学校の運動会や夏祭りなど地元のイベントで活用されることが多いようです。

立ち位置としては、大ヒットしたはなわさんの「佐賀県」のような一般視聴者へ向けたPRソングと言うより、八王子市に住む人々のアンセムソングといったところでしょうか。

アフターコロナは豪華絢爛!地元出身の著名人を積極活用!

現在、八王子市では、八王子会(八王子出身の著名人で構成されるコミュニティ)の代表を務めるヒロミさんが「最幸宣言」をする記者会見風のPR動画を皮切りに、コロナパンデミック以降は、幅広い層へ向け、ヴァリエーション豊かな観光PRを展開しています。

本動画は、都心部から八王子市への主要交通機関である京王線・井の頭線の車内広告でも期間限定で公開されました。ここからも、マイクロツーリズムの訪問客を意識したPR戦略が伺えます。

年間300万人が訪れる都内屈指のパワースポット高尾山を猛プッシュする明朗快活なPRで、総再生回数は15万回を突破。予想を上回るような大きな反響を巻き起こしています。

15秒のショートバージョンも制作されています。

ショッピング・グルメなど都会的な遊び方も、登山をはじめとする自然体験や動物との触れ合いといった田舎的な遊び方も自由自在。ロング・ショートバージョンともに八王子のお得な魅力をうまくアピールしていますよね。

こちらの動画では、同市の観光大使を務める将棋界の生きるレジェンド・羽入善治さん(4歳から19歳までを八王子市で過ごす)を起用し、高尾山の影にかくれた名山・陣馬山の魅力をPR!

他にも有名タレント・著名人が出演するPR動画をここのところ立て続けに公開しており、八王子市の本気ぶりがひしひしと伝わってきます。

ぷち贅沢な小旅行にぴったり?知られざる八王子芸者の世界!

養蚕と織物で発展を遂げた「桑都(そうろ)」として名高い八王子ですが、この歴史ある街には、もう一つ忘れてはいけない伝統文化があります。

JR八王子駅北口すぐの黒塀通りには、風情豊かな置屋が軒を連ね、花街として夜を賑わせた名残をいまも色濃く残しています。

江戸時代から戦後にかけては花柳界のメッカであった東京ですが、本物の芸者文化を体験できる“まち”は数えるほど。

「千人隊の歌」や「八王子をどり」など情緒あふれる御座敷芸を肌で感じてみたいものです。

こちらの動画では、芸者さんたちが高尾山の観光スポットを着物姿でナビゲーション。遠足や遊びで目にした見慣れた風景も新鮮に写ります。

本動画では、八王子芸者衆にゆかりの深いいお店を厳選してご紹介。

芸者さんの待合室であった建物をリニューアルした洋食屋さんと料亭は、当時の面影を遺しており、趣きたっぷり。都心部からの日帰り旅行、マイクロツーリズムでのぷち贅沢なディナーにもぴったりですよね。お座敷体験とあわせて、ぜひ伺ってみたいものです。

実は筆者は八王子育ちで蚕から糸をつむぐという授業が小学生の頃にありました。しかし、芸者文化があることは今の今まで知りませんでした。

かくれた名跡!時代劇風動画で滝山城跡の魅力をPR!

続日本名城100選にも選出されている滝山城跡。

古くは、秀吉に挑んだ義将・北条氏照の居城として隆盛を誇り、2021年に築城500年を迎えた節目の年に製作されたPR動画がこちらです。

時代劇風のドラマ仕立てで史跡を深掘りしていくスタイルが大変ユニークな一本です。「我が地の名所は高尾山だけではない!」という八王子氏の気概を強く感じます。

中世城跡の最高傑作というコメント欄での紹介通り、知る人ぞ知る隠れた名所は、大変重要な観光リソースです。埋れさせておくのはあまりにもったいないですよね。

この作品のように幅広い層にプロモーションしていく上で動画を活用した映像製作は、とても重要な意味を持ちますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

社会情勢を鑑みながら、柔軟にプロモーションのアプローチを変えていく必要性がある近年。

今回取り上げさせていただいた八王子市では、コロナパンデミックを機に、地元住民に向けたタウン情報の発信から、歴史・伝統文化や有名観光エリアの紹介といった対外的な情報公開へとシティプロモーションのあり方を大きくシフトさせています。

自明ではありますが、地元住民、周辺の人々、遠方の観光客といったアピールしたい層によってプロモーションの方法や内容も大きく変わってきますよね。
昨今では、動画プロモーションを活用することで、従来とは異なる観光PRを行なっている自治体の事例が増加しているので、今後も面白いものがあったら、そのビフォー/アフターを含めてご紹介していくつもりです。お楽しみに!

離島の観光PR動画が今熱い!久米島篇
「映像のまち」川崎、映像で街の活性化を狙え

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

ZOOREL編集部/コスモス武田の書いた記事一覧へ

タグ

RELATED ARTICLES 関連記事