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Canon(キヤノン)一般向けにVR映像撮影システムを発売
10月6日、キヤノン(Canon)は一般向けには初となるVRカメラ「EOS VR SYSTEM」を発売すると発表した。発表ではカメラではなく「VR映像撮影システム」と命名している。
VRの意味、VR撮影の現状
何度もZOORELでVRを取り上げているが、VRは意味が曖昧になっている。ここでいうところのVRは文字通りVirtual Reality:仮想現実のもので立体的な映像を指す。
「人工現実感」「仮想現実」と訳されることが多い。専用のゴーグルを使ってみることで3Dの映像が飛び出して見える、360度の映像であることなどが特徴だ。(今回の映像システムは180度)
これまで、VR動画を撮影するにはプロユースの機材が必要で、場合によっては専用のスタジオを借りる必要があった。しかし、そのためには1本の撮影コストが跳ね上がっていた。
そのため、アーティストのMVなど凝った映像を作りたいときには向いていたが、VRを普通の撮影に取り入れることは多くなかった。
似たもので360度動画などがある。こちらは専用のアイテムがなくても閲覧が可能ですでにYouTubeでも対応をしている。360度カメラはGo Pro MAX、同FUSION、RICOH THETA Z1など一般でも買える価格帯のものが存在していた。
「EOS VR SYSTEM」とは?
カメラというにはなかなか斬新な2つのレンズが横に並んだデザインだ。
この2つの魚眼レンズによって撮影された映像がVRとして立体的なものになるのではないかと思われる。キヤノンはリリースの中で「レンズ交換式カメラEOSシリーズなどで培ってきた光学技術を生かし、高画質な映像と効率的なワークフローを実現するVR映像撮影システムを立ち上げます」と述べている。
専用のレンズ1機種「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」、PC用ソフトウエア2本「EOS VR Utility」「EOS VR Plugin for Adobe Premiere Pro」を2021年12月下旬に発売・公開する。
キャノンによると「本システムは、ミラーレスカメラと専用のレンズ、PCソフトウエアで構成しており、カメラに新発売の専用レンズを装着することで、VR映像の撮影を実現しています。また、新公開のPCソフトウエアにて撮影映像のVR規格形式への変換から簡易的な編集までを行うことができます。 キヤノンは、本システムを立ち上げることで、映像クリエイターや制作プロダクション、新たにVR映像撮影を始めたいと考えるユーザーまで幅広いニーズに応えていきます。」として以下の特徴があるという。
- 高画質な3Dの180度VR映像を実現する専用レンズ(8K撮影も可能)
- 撮影から編集まで効率的なワークフローの実現
オープンプライスだが、すでに発売前ながらキヤノンオンラインショッピングではレンズは価格が発表されている。27万5000円とのことで、一般的な一眼レフカメラのレンズの中では少し高価だが、とびぬけた価格差はない。これからは一般的にVR映像を楽しむ時代が来るのかもしれない。
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