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役立ち情報発信のお手本に。freee株式会社のYouTubeチャンネル

役立ち情報発信のお手本に。freee株式会社のYouTubeチャンネル

企業が運営するYouTubeチャンネルは、業界の垣根を越えて、あらゆるシーンでの活用が進んでいます。そうした状況の中、視聴者に刺さる動画を制作するためには、企業の強みを活かし、情報リソースを最大限に活用することが大切です。

そこで今回は、確定申告や事業計画書の書き方、会社設立のノウハウなど個人事業主や中小企業の経営者が知りたい基礎知識を公開しているfreee株式会社のYouTube活用事例をご紹介します。

どんなチャンネル?

【チャンネル登録日】
2013年11月

【チャンネル登録者数】
約2.18万人(2022年11月時点)

【総視聴回数】
約1,330万回(2022年11月時点)

【チャンネル概要】
freee株式会社は、事務作業を効率化するためのサービスを展開している企業です。経理や会計を自動化するクラウド会計ソフトのfreee(同社が販売)を使ったことがある人も多いのではないでしょうか。

そんな誰もが知るようなソフトウェア、事業者向けクレジットカード、ソフトと連携可能なアプリストアを開発しているフィンテック企業ならではのリソースを最大限に活かした運営がなされているのが、freee株式会社のYouTubeチャンネルです。

視聴者に刺さる二つの特徴

freeeチャンネルの人気の秘訣は、個人事業主や中小企業の経営者がほしい情報がピンポインでわかりやすく手に入る点にあります。フィンテック企業ならではのコネクションや情報リソースを活かして、年度ごとに改訂されることもある確定申告やバックオフィス、課税制度の最新情報を定期的に公開。

スモールビジネスの頼もしい味方としての立ち位置を確固たるものにしているfreeeですが、その情報発信の仕方にはぜひ着目しておきたいユニークな特徴が二つあります。

① ターゲットを絞った細やかな情報発信

freeeチャンネルでは、発信するターゲットを限定することで、視聴者の痒いところに手が届くような有益できめ細やかな情報を適宜公開しています。

フリーランスの個人事業主向けに発信された会計業務に関する動画です。確定申告にまつわる情報はfreeeの中でもとくに視聴回数が高くなっていますが、どの視聴者層を想定して制作が行われたのかががよく分かる一本になっています。

こちらの動画では、インタビュー形式で年末調整について詳しく解説しています。「一人会社の女子高生社長」という肩書きのユニークさがひときわ目を引きますが、疑問点を先回りしながら説明しているため、ストレスを感じることなく腑に落ちる内容になっている点も見過ごせません。

会社を設立するまでのプロセスを実録動画でリアルに紹介したユニークな一本です。第三者視点から解説するのではなく、個人的な経験に基づいた一人称の目線で撮影されているため、視聴者は出演者と同じ経験を追体験できるようになっています。

このようなYouTuber的なノリでの情報発信を企業チャンネルで行うことに躊躇いを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、視聴ターゲットがあらかじめ決まっているケースでは非常に有効な手法となるので、ぜひ参考にしたいところです。

② HowTo情報をセミナー形式で解説

freeeチャンネルでは、経営者や個人事業主にとって大きな懸念材料である確定申告や会社設立の基礎知識についてセミナー形式でわかりやすく解説しています。

こちらの動画では、メルカリや転売における利益、Uber Eatsのバイト代、申告漏れや申告忘れのケースなど確定申告に取りかかる上で気掛かりな問題を詳しくレクチャー。視聴者が学校の授業を受けているような感覚で学習できるコンテンツもfreeeチャンネルの人気の理由です。

こちらの動画では、多くの方の悩みの種である「控除」をテーマに一本の動画にまとめて公開。検索に引っかかりやすいキーワードをタイトルに含めることで、視聴数の増加も見込めます。経営者や個人事業主の視点から懸念事項を精査し、確定申告という一つのトピックから複数の解説動画を公開しているのでユーザーにとって非常に利便性の高いチャンネルになっています。

法人成りを検討している方が税理士に会社設立までのステップについて対面で質問するスタイルの動画です。このようなアプローチを取る際に大切なのは、情報を詰め込みすぎないことです。YouTubeは、インターネットで調べたものの「色々ありすぎてよく分からない」という経緯で視聴するユーザーが多いため、出来る限りコンパクトでわかりやすくする必要があります。

どの動画もコンテンツに応じて最適な時間の長さや情報ボリュームが計算され尽くしており、情報を過不足なく手に入れることができる内容になっていますよね。ユーザーの行動や背景を深く理解することによって、表面的なニーズにとどまることのない本当に必要なニーズが浮かび上がってきます。

freee株式会社のYouTubeチャンネルには、そんなユーザーエクスペリエンスの高いコンテンツ作りのヒントが詰まっています。

まとめ

今回は、企業の情報リソースを最大限に活かしたYouTubeチャンネルの活用事例のモデルケースとして、freee株式会社のチャンネルをご紹介しました。視聴ターゲットが明確であり、かつユーザー目線での情報発信が徹底されているのでどの動画も観ている人の痒いところに手が届く内容になっています。

BtoB向けの顧客に刺さる動画のお手本としてぜひ実際にチェックしていただけると幸いです。今後も参考になるようなYouTubeの活用事例を定期的にお届けしていくつもりです。お楽しみに!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

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