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日経新聞も予想「ビデオファースト」時代のマーケティング戦略基礎

日経新聞も予想「ビデオファースト」時代のマーケティング戦略基礎

先日、日本経済新聞でこれからは映像や動画といった「ビデオファーストの時代が来る」というような記事が掲載されていました。今や日本の大手新聞でも意識せざるを得ないところまできた映像・動画。改めてビデオファースト時代のマーケティングを考えてみます。

ビデオファーストとは?

「ビデオファースト」とは他のメディアよりも「ビデオ=動画」を優先するマーケティング戦略です。マーケターにとって動画は影響力があるものの高価で技術が必要なため手を出しずらい分野でした。しかし、今は動画を作るコストが下がり、またスキルを持つ人間が増えたことで現実的な選択肢になりました。

映像の良いところは情報の伝達力、パフォーマンスが他のメディアよりも優れていることです。文字、音声、静止画よりも多くの情報を含み、より迅速に相手に伝えます。文字、音声、静止画がダメなわけではありません。それらも映像の1パーツであり、総合して見せることができます。

となれば映像、動画といった類が優先されるのは当然の流れのように思います。

ビデオファーストマーケティングの際に注意すべきこと4点

一方でただやみくもに映像を使ったマーケティングをすればよいというものではありません。

『Thoughtcast Media』は「VIDEO-FIRST MARKETING: DEVELOPING A STRATEGY THAT GETS RESULTS4(ビデオファーストマーケティング:結果を得る戦略の開発)」の記事内で4つの点に注意すべきとしています。私の意見・体験談を交えながら見ていきましょう。

動画の必要性と対応方法を予測する方法を学ぶ

動画を制作する上でまず大事なのがスケジューリングです。『Thoughtcast Media』は「会計年度の初めに、ほとんどのマーケターは開発・管理する必要のあるマーケティングプロジェクトについてかなり良いアイデアを持っています。」と述べていますが、一方で注意を喚起しています。

ブログであれば1本投稿する場合、すでに多くの人がブログの書き方をわかっていますよね。ところが動画になるとそうはいきません。場合によっては動画の作り方から考えなくてはなりません。

どのような内容にするのか・誰が出演するのか・どのチャンネルに投下するのか……映像を作るには技術だけでなくその周りも色々と考えなくてはなりません。マーケティング戦略と制作スケジュールを最初に練る必要があります。

「一つの大作の動画」ではなく、「たくさんの小分けの動画」を企画する

『Thoughtcast Media』は15年間の制作業の中で一つの大作ではなく「より多くの小分けの動画を制作するほうがよい」と明言しています。

私も大作の動画を作ろうと思ったことがあります。しかし、とても大変でした。「実現するのが難しい」「編集作業が気の遠くなるほど大変」の割に1つの動画では予測通りバズることはほとんどありません。それからはミニマリズムをとにかく念頭に入れて最初から削ることだけを考えるようになりました。

『Thoughtcast Media』も「ハリウッドのようである必要はない」「1本の動画だけでは目的通り十分に機能することはめったにない」と述べています。小分けで手の込んだ動画をたくさん作ることを心がけましょう。現在は検索エンジンのアルゴリズムだけでなく、視聴者の高評価ボタン、再生回数など注目を浴びるきっかけが無数にあります。短い動画を連発することで、ひいては大きな“チャンネル”という単位で良いものを構築しやすくなります。

制作体制およびマーケティングインフラストラクチャーを構築する

必要な動画がわかったら、それを制作するための体制を構築する必要があります。アウトソーシングなのか、内部制作なのかです。最も簡単な方法は、すべてを外部委託することですが、当然その分費用がかかります。一方すべて内製する場合には、時間を大きくとられます。

Thoughtcast Media』は“ハイブリッドアプローチ”を提案しています。動画づくりの流れは戦略とプリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション、そして最後にプロモーションに分けられます。

その中で、自分でできることをしてから、簡単にはできないタスクを外部委託する。例えば動画を撮影する能力はあって、動画を編集する能力がない場合に、編集を外部へ委託するということです。

現在、大物YouTuberの多くは、個人から脱却してチームで動いています。撮影する人、企画を考える人、編集する人、出演する人……といった具合ですめ。小さなテレビ局を思い浮かべると良いのかもしれませんね。

動画マーケティングチャンネルを賢く選択する

最後に、動画が完成したらどこに配信するかを考えなくてはなりません。Webサイト、SNS、メールマガジン? 『Thoughtcast Media』はこのように述べています。「動画をどのように配信、宣伝しますか? 主要な視聴者はどこにいますか? 新しいオーディエンスをどこで構築する必要がありますか? どのようなデジタルマーケティング機能がすでに存在しますか?」

リーチしたい視聴者に向けて適切なプラットフォームを選ぶ必要があります。そして、動画を配信したら必ず分析をしましょう。YouTubeをはじめ多くのプラットフォームでは再生数や高評価だけでなく細かいアナリティクスを提供しています。

B2Bビジネスでの動画マーケティングの効果4選
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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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