かっこいいムーブメントをつくり出す！名作スニーカーCM傑作選

画像参照：https://www.nike.com/jp/a/nagasato-momiki-shimoyamada

こんにちは、映像制作のエレファントストーンが運営するオウンドメディア「ZOOREL」です。スニーカーブームがとどまることを知りません。BALENCIAGA（バレンシアガ）等のラグジュアリーなブランドがハイテクスニーカーを出したことによりブームをけん引。元々大人にも人気だったNike（ナイキ）やadidas（アディダス）をはじめとするブランドのレアアイテムの新作は抽選や行列、そしてプレミア価格への高騰と、今や投機商品扱いもされているほどです。

Report Oceanによると、スニーカー市場は2021年に約1,311億米ドルとなり2022〜2029年も年5.3%以上と堅実な成長を続けると見られています。そこで今回は、2023年に話題になった三つのスニーカーを中心に、競争にしのぎを削るグローバルなスニーカーブランドがどのような映像PR戦略をとっているのか見ていきたいと思います。

名作スニーカーCM事例

1. Nike（ナイキ）

メッセージ性に長けたCMづくりで有名なナイキ。ナイキのスニーカーシリーズであるAir Max（エアマックス）の人気が過熱したのが1990年代中期ですが、以降も人気は衰えることなく、毎月のように出るコラボモデルはどれも抽選で販売され、後に高額になることも多いです。

そんなナイキはCMを通したブランディングも上手く、メッセージ性を全面に出した訴求を行うことで“ナイキ＝カッコいい”のイメージづくりを行なっています。基本的に「スニーカー」を大々的にフィーチャーしていないのがポイントです。

SDGsやLGBTQ+の話題も取り上げており、こちらは同性のパートナーがいることを告白したサッカー選手の下山田志保さんを起用したCMになっています。

こちらは2023年に話題となり、今でも中古相場で10万円弱の高値がついている英ブランドMartine RoseとのコラボモデルShox（ショックス）のCMです。CMはなんとニュースの報道番組風で6分間もあるという異例の作品になっています。6分間の間でスニーカーが主役扱いされる時間はほとんどなく、どことなく映っていたり、さりげなく履いていたり。ナイキらしさが感じられる映像です。

2. adidas（アディダス）

アディダスの中でもYouTubeチャンネルを運営しているのはadidas Originalsになります。

こちらはアディダスの名作モデルSuperstar（スーパースター）の紹介CM。一つひとつのスニーカーの魅力をひたすら追うようなイメージビデオになっています。ナイキが全体のブランディングを行うのに対して、adidasは紹介したいスニーカーにフィーチャーしたイメージ映像をつくっている点に、両社の違いを感じます。

こちらも名作モデルのSAMBA（サンバ）の紹介映像。元々は1950年のサッカーワールドカップブラジル大会を記念してつくられた屋内サッカー用シューズとして登場したモデルですが、ブラジルがテーマのファッショントレンド“ブラジルコア”が世界的なセレブの間で流行中というもあり、ファッショニスタやセレブがこのSAMBAを使用するシーンも少なくありません。

昨年はWales Bonner（ウェールズ・ボナー）とSAMBAのコラボモデルも登場。シルバーカラーなどのトレンド色が人気となりました。こちらの映像はややコンセプチュアルなつくりで、スニーカーが登場するものの履いている人たちが主役というニュアンス。どことなくレトロ感があるのに、スニーカーは少し近未来感もあるようなシルバーという対比が面白いですね。コメントでも、「もっとコラボが続いてほしい」「素晴らしいデザイン」等、賞賛されています。

3. Salomon（サロモン）

2023年急成長を遂げたのがサロモンです。1947年にフランソワ・サロモンによってフランスで創業されたサロモンは、元々スキー、スノーボーダーの間で有名なアウトドアブランドでしたが、そのテクノロジーをスニーカーに取り入れたことでファッショニスタがこぞって愛用。公式YouTubeチャンネル「Salomon TV」は25.8万人の登録者をほこります。

サロモンがブレイクした理由にはテクノロジーがあります。スキーやスノーボード、山といった過酷な状況下でも対応する商品づくりのメソッドをスニーカーに応用したのです。代表的なものは靴ひものかわりに「クイックシューレース」を採用したモデルがあり、そちらは靴紐がほどける心配がありません。上記の映像はその商品の紹介CMなのですが、イメージ映像というよりは独特の技術を紹介するといった方が近く、映像戦略もテクノロジー推しと質実剛健です。

数は少ないものの、フランスのアーティストであるNeSとコラボしたこちらのようなイメージ映像も公開されています。

昨年、特に話題になったのがMM6 Maison Margiela（エムエムシックス メゾン マルジェラ）とのコラボモデルです。特にスーパーボウルの際にリアーナが赤いカラーを着用して話題となりました。こちらはなんとCMなし！MM6のランウェイビデオで若干映るだけとなっています。

サロモンを所有するアメアスポーツは、今後アメリカでIPOを予定しているのでは？と噂され、ますますブランドの成長に注目が集まります。

まとめ

今回は世界的に話題となった三つのスニーカーブランドを元に、それぞれの映像戦略に注目してご紹介しました。

盛り上がりを見せるスニーカー業界は映像戦略にも力を入れており、まだまだたくさんのブランド、たくさんの優れたCMがあります。今後、何回かに分けて紹介していけたらと思っておりますので、是非ご覧になってくださいね。