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「AI生成が話題になる時代」の終焉?AI活用とCMのトレンド

「AI生成が話題になる時代」の終焉?AI活用とCMのトレンド

画像引用:http://www.m-pirates.jp/news/entry/2025/08/023664.php

こんにちは!ZOORELを運営する映像制作会社・エレファントストーンです。

日進月歩で進化を続けるAI業界。いまや、AI作品のみを投稿できる動画サイトも珍しくありません。少し前まで感じられた不自然さは大きく減り、動画として見ても違和感のないクオリティにまで進化しています。

かつては「AIを使ったCM」というだけで驚きをもって受け取られていましたが、今はAIをどう活用し、どう表現に落とし込むかが問われる時代へと変わってきました。今回は、2025年を振り返りながら、AIを活用した事例を紹介していきます。

AI利用のトレンド

AIを使ったキャラクターの登場や、AIによるCM制作そのものが話題を集めていた時代から、いまやAIを使うこと自体が特別ではない時代へと突入しています。

現在、AIは制作のさまざまな工程で活用されています。

  • 企画段階でのリサーチや情報整理

  • 短時間で何百通りものアイデアを生成

  • 制作工程の効率化によるコストカット

  • 現実では再現できない動きやキャラクターの表現

  • 実在のタレントと異なり、不祥事リスクを伴わないコンプライアンス面での強み

こうした背景から、AIを使うかどうかではなく、AIをどう使い、どんな「品質」や「アイデア」を生み出せるのかが問われる時代へと変化しているように感じます。ではここから、実際の事例を見ていきましょう。

AIを使ったCMの事例集

1. タケモトピアノ『AIダンス みんなまあるく』篇

中古ピアノ買い取りのCMや、「電話して頂戴~」というフレーズで知られるタケモトピアノ。そんな同社ですが、2025年10月から放映されたCMではAIを活用し、大幅なコストカットを実現しています。

タケモトピアノのプレスリリースによると、

従来のTV-CM制作では、キャスティング、撮影、セット制作など膨大なリソースが必要でしたが、本TV-CMはAI model社の独自開発による最先端生成AI技術などを活用し、キャラクター生成、動画制作まで全てをデジタル上で完結。撮影スタジオを使わず、実在しないキャラクターによるパフォーマンスを実現しました。
引用元:AI model株式会社が、タケモトピアノ株式会社のTV-CM第2弾を企画・制作。AIで生成した革新的な映像を公開。

と述べられています。この取り組みにより、制作期間の大幅な短縮とコスト削減を実現したことも明かされています。

2. 愛媛マンダリンパイレーツ『野球場へ行こう!』

独立リーグ界初と銘打たれたのが、2025年8月に公開された愛媛マンダリンパイレーツのCMです。

本CMでは、AIを活用することで実際の撮影を一切行わず、観客はもちろん、選手までもが生成AIによって表現されています。描かれているストーリーは、「ある4人家族が野球場で過ごす1日」。

試合が始まる前、2025年にオープンした「マンパイパーク」を訪れ、選手やスタッフに迎えられながら施設を楽しむ家族。その先に待っているのは、愛媛マンダリンパイレーツの熱い試合です。

遊園地やテーマパークのプロモーションでよく見られる構成ではありますが、プロ野球チームが撮影を行わず、AIのみで映像を完結させた点は非常に斬新な取り組みと言えるでしょう。YouTube上ではすでに3,500回以上再生されており、独立リーグならではの新しい挑戦として注目を集めています。

生成AIでTVCMを全編作成。生成AIを活用したサービス・コンテンツの提供、導入支援を開始

制作を担当した「星企画」は、本CMについてCMで問題になりがちなモデルやタレントの不祥事、コンプライアンス違反を未然に防げるという、AIならではのメリットも挙げています。実在の人物を起用しないことで、将来的な炎上リスクや契約上の制約を回避できる点は、企業プロモーションにおいて利点と言えるでしょう。

3. ZEUS WiFi for GLOBAL『AIガンバレルーヤ』篇

ZEUS WIFI for GLOBALの新CMでは、ガンバレルーヤさんを起用しながらも、AIを活用した新しい制作手法が取り入れられています。撮影では10台のカメラを用いてガンバレルーヤさんを収録し、そこから「AIガンバレルーヤ」を生成。現実世界を仮想空間上に再現する「デジタルツイン」技術を用いて再構築されています。

CM内では、生成されたAIガンバレルーヤが世界各地を巡り、海外旅行を楽しむ様子が描かれています。そしてラストでは、「この映像はAIによって作られたもので、本人たちは実際に海外へ行っていない」というネタバラシが用意され、ユーモアのある構成となっています。

ガンバレルーヤさんが多忙であったことをきっかけに生まれたこの企画は、出演者の制約をAIで補完しながら、制作期間の短縮とコスト削減を実現した好例と言えるでしょう。

おまけ (海外事例:低予算・短期間で話題化したAI CM)

最後におまけとして、海外からの事例をひとつ紹介します。アメリカで2025年に話題となったのが、KalshiがNBAファイナルに合わせて制作したCMです。このCMは、AIを活用することで制作期間わずか2日間、予算は2,000ドル(約31万円)以下で制作されたとされています。

映像には、「花嫁がゴルフカートで警察から逃げる」「農夫が卵で満たされたプールに浸かる」といった、インターネットミームを想起させる奇想天外でどこか不条理なシーンが次々と登場します。こうした発想とビジュアルは、まさにAIならではの表現と言えるでしょう。KalshiのCMはX(旧Twitter)上で300万回以上再生され、大きな注目を集めました。

制作を手がけたAccetturo氏は、その制作手法も公開しています。アイデア出しの段階からChatGPTやGeminiを活用し、動画制作にはGoogleのVEO3を使用。300〜400回に及ぶ生成を繰り返しながら映像を完成させたと語っています。この事例からもわかるように、AIを活用したCMは、「驚きをもって受け止められる存在」から、コスト削減や制作期間の短縮を実現し、参入障壁を下げる手法へと変化しつつあります。

まとめ

このようにAIを活用したCMは、そのアイデアが斬新だった時代は終わりを告げています。コストカット、制作期間、コンプライアンスといった新たなメリットを生み出しています。今後、AIを活用したCMはどう進化していくのか、ますます楽しみですね。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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