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デジタルマーケティングのトレンドは?(前編)

デジタルマーケティングのトレンドは?(前編)

デジタルマーケティングの世界は常に早いスピードで変化している。2019年のトレンドは何なのであろうか? 『VOLUUM』はTHE TOP 7 DIGITAL MARKETING TRENDS TO WATCH IN 2019(カミラ・ウクシャKamila Łuksza著)と題してデジタルマーケティングで注視すべきトレンドを紹介した。

我々が見ている現状の日本の状況を踏まえながら意訳で紹介していこう。今回は3つの点を紹介する。

常に本物が勝つ

消費者が広告やマーケティングにますます不信を抱くようになるにつれて、「誠実さ」がブランドにとって重要になりつつある。例えば、Stackla Reportによると大多数の消費者(86%)は、どのブランドをサポートするかを決定する際に「信頼性」が重要な要素であると述べている。

特に大事となっているのが、インフルエンサーを使ったマーケティングやユーザーを使ったものだ。消費者は、ブランドによって作成されたコンテンツと比較して、消費者によって作成されたコンテンツが本物であると言っている可能性が3倍高いそうだ。

例えば、#GoProハッシュタグでは、毎日5,000以上の映像がアップロードされている。ユーザーを巻き込んだ「マルチチャネルマーケティング活動」を通してGoProは信頼される。魅力的なUGC(ユーザー生成コンテンツ)を通して、彼らは消費者の心(そして財布)を獲得するのだ。

編集部の視点:
この記事は2019年の動向として2018年夏に作られたものだが、実際にSNSを使ったインフルエンサーマーケティングは増加の一途である。「口コミ」が信頼できるとする読者が多いため、金品や現品の提供は一部で嫌われる傾向にある。

そのためにインフルエンサーにステマ(ステルスマーケティング)を頼むケースが多く問題にもなっている。

ただ、消費者もそうした雰囲気は機敏に察知するもので、自然に大きくなったトレンドにはかなわないだろう。例えば、日本ではタピオカの爆発的な人気は決して「仕掛け」だけで成り立つものではなかっただろう。

音声検索が盛り上がっている

Googleで毎日行われている35億件の検索のうち、ほぼ3分の1が音声検索なのだ。AppleのSiri、そしてGoogle Assistantを毎日使う人が増えています。

かつては、これらの機能は自分の発した言葉と全く違ったものと認識されることも少なくなかった。しかし、現在では、人間の声を認識する能力が大幅に向上。Web上で情報を検索することと、家の中で何か物事をすることの両方で非常に役立つ。

マーケティング担当で気を付けなければいけないのは、「Siriで検索した場合の検索結果は一つ」ということだ。

それまでと違い、検索結果がGoogleの1ページ目に入る、2ページ目に入るといった一覧にさえ入っていればよいということはなくなる。音声検索用にSEO戦略を調整する必要があるというわけだ。

音声認識技術は、成長し向上することが期待されている。上述の通りのままであれば、それはマーケティングの世界に重大な混乱をもたらすだろう。

Com Scoreは、2020年までにすべての検索クエリの半分が音声ベースになると見積もっている。

編集部の視点:
今ではSiriは日常生活に欠かせなくなっているという人は多いだろう。AlexaのCMなど声を使ってIT機器を使うというものは最初こそ驚かれたが、今では当たり前になってきている。だが、検索結果に目を向けるという視点は非常に新鮮だ。今や音声検索は「動画」、「AI」といったワードと並びビッグウェーブの一つと認識しなければならないだろう。

AIは人間にできないことを提供する

人工知能はマーケティングの最も重要なトピックだ。多くの人がまだその機能や制限を理解していないにもかかわらず、形になってきているからだ。

AIを使ったサービスの最も多いものはチャットボットだ。チャットボットは人件費もいらないため、予算を抑えながらブランドが顧客サービスを向上させるのに役立つ。チャットボットは、データに関連した答えを出したり、要求を受け取ったりするのが人間よりもはるかに速い。彼らはユーモアと個性を持っていて、いつでも、必要としているユーザー相手に個別の対応を提供する。

『We Chat』はすでに月に10億人以上のアクティブユーザーを抱えている。WeChatでは、タクシーやテイクアウト、Nikeのカスタマイズと注文、医師の予約の予約、請求書の支払いなど、さまざまな買い物関連のアクティビティを処理できる。

AIで次に注目すべきは広告の世界である。より効率的に対象ユーザーを絞り込むのに役立つためだ。AIテクノロジによって、マーケティング担当者は、「正しいユーザー、正しいメッセージ、正しい時間、正しい場所」を選ぶことができ、より効率的に広告配信を行うことができる。

編集部の視点:
マーケティングのトレンドとして「動画」が上がることが多いが、それをどう届けるかについての視点に絡むのがAIだ。現在、インターネット上に表示する広告などは全てアルゴリズムによってその閲覧者に適したものが表示されている。

その精度は今後もあがるだろう。例えば、我々はPCの前で「買い物の誘惑」と今以上に戦わなくてはならないだろう。

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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