MARKETING
未来を感じる! デジタルサイネージの面白アイデア4選
ここ最近、駅構内や映画館、デパート、空港、公共施設など街のいたるところで目にするようになった「デジタルサイネージ」。
周知のこととは思いますが、日本語でいうと「電子看板」にあたり、デジタル技術を活用してディスプレイやプロジェクタ-に映像や文字を表示させる最新の広告媒体です。
1)広告の差し替えが容易
2)情報量の多い動画でのPRができる
3)オンラインによるリアルタイムでの情報操作・更新が可能
といった、看板やポスターなど従来の紙媒体の広告にはないさまざまなメリットを享受できるため、次代の広告媒体の中心を担う存在として注目が高まっています。
また、最新のデジタルサイネージでは、AIを利用したオーディエンスデータの収集・分析も可能。インタラクティブな媒体としてPRとマーケティング戦略がシームレスに両立可能なのも大きな魅力です。
今回は、そんな日々進化の止まらないデジタルサイネージの中でも、とりわけ未来を感じさせるものをいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
山本美月のスカートが・・・!
2014年に六本木駅構内で公開されるや否や、多くの通行人の目を釘付けにし、見事にバズったデジタルサイネージがこちら。
女性雑誌「CanCam」の広告なのですが、電車がプラットホームに入ってくると、その風で山本美月のスカートがひらり・・・というなんとも、ビックリ&セクシーな仕掛けになっています。
どうやら、電車がホームに入ってくる直前に流れる接近メロディーがトリガーとなっていて、その周波数を感知することでプログラムが作動し、動画が再生される仕組みなっているよう。
電車の通過するタイミングにあわせて、柱に掲載された広告が順番に表示されていくさまは壮観で、目の保養になります。これなら電車の待ち時間も苦になりません。
紙のメディアにはない斬新な広告表現として、NHKのニュースでも取り上げられ、デジタルサイネージの認知度向上にも大きく貢献しました。
デジタルサイネージ×人口知能(AI)!
同じく、六本木駅での斬新な試みがこちら。
資生堂のコスメブランド「マキアージュ」のデジタルサイネージです。
AIを活用した電子看板としては日本初の事例で、2017年の12月11日〜12月24日の間に都営地下鉄六本木駅の1番線・2番線ホームに設置されました。
通行する人物を広告に取り付けられたセンサーが認識し、通行量はもとより実際に広告を見た人の性別、年齢、感情(怒り、軽蔑、嫌悪感、恐怖、喜び、中立、悲しみ、驚き)をマイクロソフト社のAI「Cognitive Services」が自動判別。オーディエンスの顔の向きと視線に合わせて、複数の選択肢の中から、リアルタイムで最適な広告情報を表示する仕組みになっています。
そのテクノロジーの進化は、見るだけでなくディスプレイやスクリーンからも’見られる’近未来を予言したSF小説の名作『1984年』の世界を想い起こさせます。
広告とオーディエンスのインタラクティブな関係は、今後の電子公告のキーとなることでしょう。
バス停がアミューズメントパークに!?
海外でARとデジタルサイネージを融合させた驚愕の取り組みがこちら!
デジタルサイネージがあることで、生活が豊かになったり、非日常体験ができたりするのを実感できる好例で、今回一押しの動画です!
ロンドンのバス停での事例なのですが、カメラによる周囲の映像とデジタルな仮想現実の映像を重ね合わせてディスプレイに表示することで、バスの待ち時間にアミューズメントパークのような体験をオーディエンスに提供しています。
たとえバスを待っていて、隕石の落下、謎の巨大生物の出現、UFOの襲来といった天変地異があなたの身に降りかかっても、決してあわてないでください。近未来ではよくあることなのですから。
広告商品との接点を作るのが難しそうですが、人々を楽しませ、興味を惹きつけるとマーケティングとしては最強の広告だと思います。
2019年度ナンバーワン! 渋谷の街に忍者が出現!?
公募したデジタルサイネージ作品の中からその年のベスト作を選出し表彰する「デジタルサイネージアワード」。
2009年から開催されている栄えある賞ですが、本年度のグランプリを受賞したのがこちらの作品です。
渋谷の交差点で信号を待っていると、突如ビルの壁から忍者が出現! 忍法を駆使した華麗なバトルを繰り広げるその勇姿に、思わず目を奪われます。
これは、ドコモが運営する日本観光情報ポータルサイト「WOW! JAPAN」がインバウンド向けのプロモーションの一環として行ったもので、渋谷MODIビルの大型ビジョンで2018年11月10日から12月14日まで約1ヶ月実施。
現場で広告を目にした外国人観光客からは驚きの声や歓声、拍手が巻き起こり、国内メディアはもとより、海外メディアでも大きな話題になったようです。
信号機から赤信号を盗み出す夜バージョンも素晴らしい出来なので、そちらもぜひ。
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