MARKETING

地方の魅力を伝えるその先へ 新しい表現を取り入れた観光動画

地方の魅力を伝えるその先へ 新しい表現を取り入れた観光動画

真夏のような暑さが続き、どこか遠くへ逃げ出したくなる思いと格闘する毎日です。皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

本来ならば、夏の旅行シーズンを間近に、全国の観光地から賑やかなプロモーションの声が届く時期なのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で静かな梅雨入りとなってしまいました。

「来てください!」といった類の声高なPR活動をしづらい状況にある各地の観光協会では、新しいアプローチを模索しながら、国内外の観光客へ向けてさまざまなメッセージを発信しています。

それは単純に「観光誘致」「遊びに来て」というものではなく地方の魅力を伝えるブランディングであったり、家にいて体験できるものだったりこれまでとは角度が違っているように思えます。今回は、そんなコロナに負けない観光地の取り組みをご紹介します。

おうちで座禅 (京都「Stay Home Feel KYOTO」プロジェクト)

観光という言葉からまっさきにこの場所を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。京都市観光協会では、緊急事態宣言に発令以前からいちはやくコロナ対策・支援をスタート。

市との緊密な連携による補助金の創設、観光関連事業者を対象とした無料オンラインセミナーとあわせ、世界中の京都ファンに向けた動画配信も行っています。

こちらは、自宅にいながら京都の魅力を感じてもらう「Stay Home Feel KYOTO」プロジェクト(4月28日からスタート)の主要コンテンツとして制作されたもの。

座禅の作法を映像で手ほどきする試みって、ありそうでなかったですよね。京都という土地柄から外国人旅行者向けの英語字幕付きのバージョンも撮影されています。

地方の魅力、自分たちの武器をすべて映像化 (京都 「Stay Home Feel KYOTO」プロジェクト)

積極的なプロモーションが出来ない状況では、いかに観光客とのつながりを維持していくかが問われます。

観光地への関心や興味が絶えないようにするために、武器となるものはすべて映像化し、それをSNSや動画プラットフォームを通じて定期的に発信することが地域のマーケティング/マネージメントにおいてもとても重要です。

「Stay Home Feel KYOTO」プロジェクトでは、「ー洛を旅するーらくたびチャンネル」を創設し、YouTube動画を1日1本のペースで公開。京都の文化や歴史、その美しい風景を国内外の京都ファンに向けて日々アピールしています。

非常におもしろキャンペーンになっているので、みなさんもぜひ実際にチェックしてみてくださいね。

ホームページ

Withコロナ時代の旅のあり方をレクチャー (佐渡観光交流機構)

安心・安全がキーとなるであろうWithコロナ時代の旅行。ただ、「旅行に来て」「うちの地方はここがすごい」というだけでは難しい側面もあるでしょう。そこで新しい旅のあり方を映像の力で啓蒙しているのが、佐渡観光交流機構がYouTubeに公開したこちらの動画です。

新しい生活様式を取り入れた安心・安全な旅とはいったいどういったものなのか? その実例が一度見ただけで、簡単に理解できる丁寧かつ分かりやすい動画になっています。

動画を佐渡島へ来島する方へ向けて、佐渡汽船船内で放送する取り組みもあわせて実施。外国人旅行者も意識した作りになっていて、ソーシャルディスタンスをたらいや太鼓といった日本ならではの工芸品のスケールで表現しているのがユニークです。

観光地の動画というと、これまでは地域の魅力を発信したコンテンツやおうちで観光気分を味わえるようなコンテンツが大半でしたが、ウィズコロナの時代ではこういった現地での安心・安全をきちんと伝えるPR映像の制作が、需要な位置を占めるようになっていくのではないでしょうか。

また、佐渡市では独自に宿泊施設における公衆衛生対策の指針となる「佐渡クリーン認証制度」を施行。

「佐渡ディスタンス」をスローガンに地元住民、観光客の双方が安心・安全を共有できる観光地域づくりに一丸となって励んでおり、観光産業における今後のモデルケースとなり得るかもしれません。

ミス沖縄が地元の魅力を全力アピール!(沖縄観光コンベンションビューロー)

沖縄観光コンベンションビューローでは、それぞれ「スカイブルー」「コバルトブルー」「グリーングリーングレイシャス」のイメージカラーを担当する三人のミス沖縄が全力で地元の魅力をアピール中!

はじけるような笑顔が眩しいですね!彼女たちで第三十九代目となるミス沖縄。その歴史の重さと担ってきた役割の大きさを感じます。

この動画では、沖縄の結婚式や祝いの席で欠かせない踊りである「カチューシー」の作法をレクチャー。友人や家族とシェアするといっそうその楽しさが倍増しそうなコンテンツなので、真夏に向けてTikTokやInstagramでも発信されたらバズりそうな匂いも。

こちらは、エイサーの紹介動画です。THE BOOMの名曲「島唄」のかけ声として用いられ、全国的に有名なエイサーですが、もともとは念仏踊りだったんですね。改めてその由来を知ると、実際に沖縄に行って本場のエイサーを体験したい気持ちが湧き上がってきます。
ほかに「琉球グラス」や「海開き」といった沖縄の伝統工芸品や恒例行事を紹介する動画もあります。

料理動画では、「コーレーグース」や「シークゥワーサードレッシング」などのご当地グルメの作り方を丁寧にレッスン。

沖縄民謡や童歌を紹介する動画もアップされており、非常に充実したコンテンツになっています。単純に若い女性が紹介、レポートするのではこれまでと変わりませんよね。

どれも体験型の動画となっているのが今までと違うところでしょうか?「自分たちも行ってみよう」と思えるような機会を作るための努力がうかがえます。定期的に更新されているので、みなさんもぜひ実際に確認してみてください。

個人的には、ぜひ本場のゴーヤチャンプルーを指南してほしいです!

国民的ドラマとなった「あまちゃん」登場以降、地方創生の救世主として目下大注目のご当地アイドルですが、日々存在感を増している三人のミス沖縄から今後も目が離せません! 今回はこのように地方が自らの魅力をあの手この手を使いながら違った角度から紹介する動画を紹介しました。

>>「観光業界」の新戦略。バーチャルツーリズムやマイクロツーリズムが進む?!

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/コスモス武田
慶應義塾大学卒。大学時代から文学や映画に傾倒。缶チューハイとモツ煮込みが大好き。映画とマンガと音楽が至福のツマミ。

ZOOREL編集部/コスモス武田の書いた記事一覧へ

タグ

RELATED ARTICLES 関連記事