HOW TO・TIPS
元ブライダルビデオグラファーによる「FUJIFILM X-H1」レビュー
こんにちは。エレファントストーン幸田です。
突然ですが、実は学生時代、結婚式のエンドロールムービーカメラマンとして2年働いていました! 出会った新郎新婦は約100組……この記事を書く際に数えてみたら、意外と多くてびっくりしました(笑)そのときに使っていたカメラが「FUJIFILM X-H1」です。
それまでは「SONY HXR-NX100」という業務用のビデオカメラを使っておりましたが、最近流行りのミラーレス一眼に乗り換えようということでこのカメラを使っておりました。
そもそもブライダルビデオグラファーってどんな仕事?
結婚式で新郎新婦の挙式披露宴をドラマチックに撮影したものを編集マンに渡し、その日の終わりに映像を流すというお仕事です! 一生に一度の結婚式に毎週立ち会える経験はなかなかしないので、毎回見てて飽きません。
なぜ富士フィルムにしたのか
1、人と被りたくない
2、メーカーHPでブライダル向けを推している
という理由です。
僕が知ってる限り(本社、支社を見てまわって)のブライダルビデオでミラーレスを使っている人はほとんどSONY α7シリーズ一択でした。機種を選んでる際に社員さんにどこがいいですかと聞いたら、「α7以外にある?(笑)」みたいな回答をいただいたくらいです。
それでも、人と被りまくってるα7はバリエーションという意味でも面白くないのでは……と考えました。NikonもCanonも値段が高いしな~と他を探していたところ、富士フィルムのHPにブライダルで使っている実例を発見!
なになに? X-H1はXシリーズのフラッグシップ機で~~……
10万強でメーカーのフラッグシップ機(一番上のクラス)(響きがかっこいい)が買えるならちょっといいかも……(照)と思ったのと、フィルムメーカーのカメラということも気になっておりましたので購入。
結論:使ってみると、良かった!
業務用ビデオカメラからミラーレス一眼への変更だと、使い勝手変わって結構大変そうだな~、と思っているそこのあなた。思ってる以上に使いやすいところはありますよ。
メリット
- 画がきれい
「フィルム会社が作ったフィルムシミュレーションを使ってみたかった」、一番はこれですね。フィルムシミュレーションというのは、色再現性と階調表現をフィルム取り替える感覚で設定できる機能です。他メーカーにも似たような機能はありますが、富士フィルムが長年作ってきたフィルムが再現されてるとなると気になるじゃないですか。(フィルムは使ったことないですが)僕のおすすめはクラシッククロームでノーマルと比べて映像全体があせて見えるのですが、後でエンドロール映像を見たときの懐かしい雰囲気を醸し出すのにぴったりだと思うんです。
- レンズが3連リング
レンズによりますが、一眼レフの中では珍しい ピント、焦点距離、絞り を調節するリングが揃っています。感覚的に操作できていいですね。
- ピーキング機能がある
ピントが合っているところに色がつく機能。マニュアルフォーカスで撮るなら必須ですね。最近のミラーレスには大体ついてますが、より動画を意識したカメラあることがわかります。
- マニュアルフォーカス使用時に親指フォーカスが使える
これは少しややこしいですが、電子的なフォーカスのレンズ使用時だとマニュアルフォーカスを使っていても親指フォーカスのボタンを押している間はオートフォーカスになってピントを合わせてくれる。この際にフォーカスのA/Mを切り替えなくてもいい。という、失敗が許されない撮影で、もたもたできない時には非常にありがたい機能です。(買ってから気づきました)
- 手ブレ補正が強力
初めて撮った映像を編集マンに見せた時、ジンバル(手ブレをなくす大げさな機械)をつかったみたいだね、といわれました。それくらい手ブレが強力です。エンドロールは1カット3秒ほどしか使わないので、使い所を集中して撮れば更にブレていない箇所を使うことができるでしょう。
- 起動時間、録画ボタンのレスポンスが早い
以前使っていた業務用カメラ | X-H1 (レンズ 16-50 f2.8) | |
---|---|---|
重さ | 1,790g | 約1,200g |
起動時間 | 約10秒 | 1秒未満 |
いやー、X-H1さん、優秀ですね。
ブライダルエンドロールに限っていうと、使いやすさでは業務用カメラより断然ミラーレスのほうがいいですね。軽いって正義です。また、起動時間が大幅に短くなったので、バッテリーが少ないから電源をオフにしておいて瞬時にオンにして撮る、ということも可能に。「やばい、電源つけてなくて今の一瞬を取り逃した……」ということはなくなりました。
デメリット
- バッテリー
他の方のレビューを見ていると、バッテリーの持ちが悪すぎるとのコメントを散見するので、私はモバイルバッテリーにつなげて使っています。スマホサイズくらいのモバイルバッテリーなら、1日使ったくらいでは底をつくことはないですからね。ただし胸ポケットに入れてるので、ケーブルが邪魔だなと感じるときはあります。
- 上面ダイヤルが慣れない
今どきの一般的なカメラは、ISO、SS(シャッタースピード)、F値を親指と人差指のダイアルで変更するのが主流ですが、X-H1はISOとSSが上面ダイアルで変更するので、一旦画面から目を離す操作が必要になります。ただし、ISOは設定で人差し指ダイアルに変更することもできますのでご安心を。SSはそんなにいじることないからあまり気にしてはいません。
- お客さんが写真撮ってくれると勘違いして笑顔のまま静止する
「ごめんなさい動画なんですよ~!」というワンクッションを毎回置かないといけなくなりますが、「動画か~い!」って笑うお客さんが大半なのでそこで自然な笑顔が撮れます。ん、メリットでもあるかな?
まとめ
「XーH1」の「ブライダルビデオグラファー」向けという非常にニッチな層に向けて書きましたが、いかがでしたでしょうか。
個人として非常にブライダルで使いやすいであると思って使っていました。
インターフェースも難なくサクサクと使えています。そして、単純に画がきれいですね。レンズ16-50 f2.8しか持っていないのですが、別に単焦点買わなくてもいいかなって思っています。メーカー乗り換えやミラーレスに挑戦してみようと思ってらっしゃる方、ここはひとつFUJIFILM X-H1を視野に入れてみてはいかがでしょうか?