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「トイレに入ったらタブレットが」 月間リーチ数600万を見込む個室内メディア「アンベール(Unveil)」
先日トイレの個室に入った時に驚いたことがありました。右側を見るとモニターがあるではないですか!?
実はトイレの個室で待ち時間を知らせるためのモニター「アンベール(Unveil)」の導入が少しずつ進んでいます。
PR TIMESより
提供しているのは株式会社VACAN(以下、バカン)です。2022年12月のプレスリリースでは、「2020年末のサービス開始から1年半で導入個室数は約6,250箇所※で導入が進んでおり、メディアとしても、配信動画の視認率約95%、内容の理解度約70%、認知リフト率613%向上といった効果が計測されています。」と発表しています。実際、私が最初に見たのも百貨店でした。
どんな仕組みなのか見てみましょう。
※2022年12月1日時点
もともとは混雑緩和のために設置
2020年末より「AirKnock Ads」として開始し、名称を「アンベール(Unveil)」にリニューアルした本サービスは、個室内壁面に設置したタブレットにお手洗いの混雑情報と利用時間を表示するために設置されました。
混雑情報を知ることで自主的な退室を促し、長時間利用を抑制したのです。一方で、デジタルサイネージとして、動画広告や店舗からのお知らせなどを配信。トイレの中の時間を楽しいものに変えることにも成功しています。
混雑具合に応じ配信するコンテンツの長さを自動で調整したり、滞在抑制につながる画面表示に変更するといった独自技術から「混雑緩和のためのモニター」と「デジタルサイネージとしての広告、コンテンツ配信」の両立ができます。
PR TIMESより
バカンは2022年12月のプレスリリースで「トイレ空間は、情報量が少ない1on1のプライベート空間であるため、利用者に対して明確に届けたいメッセージを伝えることが可能」とそのメリットをあげています。
混雑状況がわかる
メリットがあるのはトイレの個室内にいる人だけではありません。東京都、渋谷区と連携して105施設1221のトイレについて混雑状況を示す「TOKYO トイレマップ」をWebサイトで公開。2022年11月1日より実証実験を開始しています。
PR TIMESより
確かにトイレは場所によっては全く空いていなくて困ることが多いですよね…。
バカンは元々「Throne(スローン)」というトイレの空き状況を示すモニター事業も提供しており、その情報をスマートフォンアプリへ流していました。
動画は無音
「アンベール(Unveil)」は30秒ほどの動画広告を流すことで広告効果も狙っておりますが、トイレならではの特徴があります。
トイレの個室なので無音なんです。
PR TIMESより
これはありがたいなと思いつつ、「音があってもいいのではないか?」とも感じました。音があった場合は音やBGMを流すことで排泄時の音を紛らわす「音姫」のような機能として活用できそうです。
気になる配信内容は?
気になる配信内容は「健康面」について訴求するものが多いようでした。
例えば、2022年2月には膣内フローラを整える「乳酸菌UREX(ユーレックス)」の啓発動画を配信。
その後も女性のヘルスケアを中心にコンテンツ配信が強化されており「ウーマンズ」とともに
・2022年4月 : 子宮頸がんに関するコンテンツ(「子宮頸がんを予防する日」に絡めて実施)
・2022年5月 : 生理・PMSに関するコンテンツ(「月経衛生の日」に絡めて実施)
・2022年6月 : 性の健康に関するコンテンツ(「HIV検査普及週間」に絡めて実施)
を配信しました。
トイレ内のモニターは視聴率がとても高く、しかも集中してみてくれるためか理解度が70%を超えているとのバカンの見解もあります。
可能性は無限大!いろんな機能が拡大中
「AirKnock Ads」はジョイナスとマルイに導入されており、現在百貨店での導入が推進されております。私自身も高島屋で初めて遭遇しました。導入店舗が広がるとともに機能面も進化しているのがこのサービスのすごいところ。
例えば「トイレ」の混雑状況が分かるという機能を利用して、「飲食店」にモニターを置くことで空き状況を外部から確認できる機能を導入。
PR TIMESより
すでに東京ミッドタウン八重洲の一部店舗やタリーズ珈琲などでその機能が実装されています。
2022年6月には参議院選挙での投票所の混雑状況を示すことで「3密回避」に利用されたようです。神奈川県とは災害時等における避難所の混雑情報配信に関する協定を締結しています。
トイレから始まったこのサービスが公共の場でも役に立っているんですね。
まとめ
今回はバカンの「アンベール(Unveil)」サービスを紹介しました。
モニターから「トイレの混雑状況を示す」技術が、今やトイレに限らず飲食店や災害の避難所、選挙など公益性、公共性を持つサービスへと進化しています。
毎月のようにコラボやサービスの提携のプレスリリースが行われていますし、これからの躍進も楽しみですね。
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